【受け継いだもの】vol.1 第2話:正解も、理想もひとつじゃない?「今の自分」を受け入れた先に見えたもの。

編集スタッフ 二本柳

honban_lalitpur_C1A7246写真 木村文平

親から子へ、先輩から後輩へ、友人から友人へ……。

誰かに育てられ、その経験から受け継いだ価値観は、私たちの人生にどのように影響を与えるのでしょう。

シリーズ「受け継いだもの、こと」第一回は、Lalitpur(ラリトプール)代表の向田麻衣(むかいだ まい)さんに、お話を伺っています。

第2話では、前回の幼少期の話から「今」に至るまで、10代〜20代のことをお聞きしました。

 

正解はひとつじゃない。一風変わった?教育を経て。

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幼少期を過ごした宮城県のログハウスでは、両親を訪れる様々な国の人たちと一緒に暮らしていた向田さん。

その中で自分のなかに「視点」をひとつでも多く持つことの大切さを受け継いできました。

その考えは、その後通うこととなった仙台市の女子中学校でさらに深められていきます。

向田さん:
「とくに印象的だったのは国語の授業でした。

国語のテストというと、ひとつの文章を読んだあとに『さて、主人公は何を思っているでしょう?』といった質問にABCDの選択肢が提示される、というものが多いですよね。

私も小学校ではそういう授業を受けていて、でも、それは書いた人にしか分からないし、本当に答えはひとつでいいの?って心のどこかで思っていたんです。四択なんかより、もっと複雑なんじゃないの?って」

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向田さん:
「そして中学にあがってみると、そこの国語の授業はちょっと変わっていたんです。先生が本を選んできて、私たちはそれを読んで、感想文を書いて、クラスの皆でしゃべる。そんなスタイルでした。

しかもその感想文には、何を書いてもいいんですよ。『この本は大嫌いだ』とか『なんで先生がこの本を選んだのか分からない。理由は○○だ』とか(笑)

これでテストは終わりなんです。本の内容に対してストレートに思いをぶつけて、それを言葉に表現して、それで二重丸がもらえるという中学校だったんですね」

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自分の意見に自信を持って、外に表現する力を育ててくれたのが向田さんの経験した中学教育。

そんな校風もあってか、生徒たちは皆キャラクターが際立ち、個性も強く、そして何より『自分と他人を比較しない』という印象だったそうです。

自分と他人を比較しない。
なぜなら正解はひとつじゃないから。

これは中高6年間を過ごした女子校で、向田さんが受け継いだ大切な価値観でした。

 

自分は自分でしかない。
その事実を認めた先に見えたもの。

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中高の時代を終え、大学生になった向田さん。

そこではスペイン舞踏部というサークルに入り、フラメンコに熱中します。

向田さん:
「フラメンコって、『今の自分を最大限に生かす』ということに価値がある踊りなんです。

老いも若きも関係ない。理想的な体型があるわけでもない。

若ければ若いなりのエネルギッシュな踊りをすればいいし、歳をとって体が思うように動かなくなったとしても、その身体でしか踊れない踊りをすれば、それでいいんです」

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向田さん:
「だからフラメンコを踊っている時は、人と比べることなんてできなくて、『自分は自分でしかない』ということを受け入れているんですよね。

隣の人をうらやましがっても仕方なくて、ひたすら自分の内から溢れでてくるものを極めるしかない……。

それって正直、絶望感もあります。でも、『自分は自分でしかない』という事実を肯定した先に、新しい景色が見えたような気がしました」

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向田さんの話を聞きながら、私も思い出したことがありました。

あるとき、喧嘩をした人から「怒ってるということは、つまり図星の証拠だよ」と言われ、余計にムキー!となったこと。

自分の非を認めるのは、いつだって簡単なことではないですし、何より自分で「できない自分」を認めることほど苦しいことはないように思います。

だからつい、私なんかは虚勢をはってしまう。「できる」と自分自身にウソをついてしまいます。

でもきっと、虚勢をはるのをやめて、向田さんのように「自分は自分でしかない」という事実を受け止めたとき。はじめて今の状態から、一歩先に進むことができるのかもしれません。

次回の第3話は、向田さんが「これから何をしたらいいだろう」と迷いを感じたとき、どのように今の仕事に至ったのかをお聞きしました。

(つづく)


もくじ

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向田麻衣(むかいだ まい)

(株)Lalitpur代表。高校在学中にネパールへ訪問し、女性の識字教育を行うNGOに参加したことをきっかけに、大学卒業後もネパールを再訪。2009年に、お化粧を通じて女性の自信や尊厳を取り戻すきっかけを与える活動「Coffret Project」を立ち上げ、2013年にはネパール産オーガニックスキンケアブランドLalitpur(ラリトプール)をスタートし、現地に雇用を生む取り組みを行っている。Lalitpurの商品は、直営のオンラインショップの他、銀座三越や代官山の蔦屋書店、PASS THE BATONなど数店舗で取り扱いがある。今秋、直営店をオープン予定。渋谷区神宮前4−23−6 http://lalitpur.jp/


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