【今日のスケッチ】「小学生時代」のわたしに、言っておきたいことがある。
編集スタッフ 田中
小学生時代の「わたし」に、言っておきたいことがある。
先日、あるクリスマスコンサートに行きました。友人がコントラバスを務める、吹奏楽団の演奏は、織りなすハーモニーがうつくしく、心が洗われるってこういうことだな〜と久々のリフレッシュになったんです。
と、同時に急にこみ上げてくる思いがありました。
それが冒頭にある「小学生時代のわたしに、言っておきたいこと」。とつぜん何じゃ?でしょうが、しばし思い出話にお付き合いください。
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小学校4年から6年まで、クラブ活動で金管バンド部に入っていました。担当はトランペット。そう言うと「おお〜」といわれるのですが、いやいや実は副旋律のアルトを担当していたため、席順も常に真ん中のあたりで客席からは全然みえない位置の、「ジミーな」役目だったのです。
ソプラノと違って、主旋律じゃないから、そりゃまあ面白くなかったです。当時の流行りの歌を演奏していても、どうもピンとこない。
それでも頑張って練習に参加し、運動会のときには歩きながら演奏して色々な隊列に変わるマーチングバンドもしたし、セレモニーや文化発表会のようなときに舞台で演奏した記憶もあります。
ソプラノ隊は一番前で吹くから、あたらしくて輝く金色のトランペットでいいなあ、私たちアルトは後ろのほうだから銀色の中古な雰囲気の楽器に「・・・・」と口はへの字。
けれど友人のクリスマスコンサートを聴いて、気づいたのです。「わたし、見られる側ばっかりで見る側にまわったことなかった」と。
「君は、じゅうぶん頑張ってたよ」と、言いたい。
舞台を見る側になると、視点も変わるもの。あの10歳だった頃からは、ウン十年経って年輪も増えた(?)せいか、いっときでしたが楽器を吹いていた自分が誇らしくなりました。というのも、曲がすすむごとに色んな楽器が主役になるのです。
最初は、クラシックの曲が中心だったので席順が前のほうのクラリネットやフルートが中心でした。その後、途中で重低音のユーフォニウムやホルン、威勢のいいトランペットやトロンボーン、きらりと可愛い音のトライアングル……。さらに、友人が小さな体をめいっぱい使って弾くコントラバスのいい音。
なんだか全部光っていたんですよね。
あれ?ということは…….と、10歳の自分を思い返してみました。そういえば、アルトはソプラノを追いかけて吹いたり、かけ声的に鳴らすこともあるからタイミングがとても難しかったなあ、とか。あんまり大音量で吹いたらソプラノの存在感を消しちゃうから、息を吐きつづける量を調節してたなあ、とか。
「いや〜、なんだ、君はじゅうぶん役立っていて、頑張ってたよね」
というわけで、急に、10歳くらいで、肩までの髪をトップで二つにわけて結んでいた、スカートが苦手だった女の子に、そう言いたくなったのです。
きっと今もそう。隣の芝生がどうしても青いのだけど、視点を変えたらきっと違う。ちょっとだけあのトランペットを吹いていた時期が誇らしくなってきて、来年はもっと自分を認めてあげなくちゃ、と思わせてくれたクリスマスコンサートでした。
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