【スタッフコラム】ベーグルを作り終えたら、日曜日が半分終わってた。
お客様係 中川
わたしの毎日は特別忙しいわけではないし、どちらかと言えば多分のんびり。
それでも、何に急かされているわけでもないのに、なぜか焦って、時間に追われるように過ごす日々もあったりします。
こういう状況になったとき、頼りするのは「お手軽」「時短」。
おいしそうだと思った料理も、レシピに「1時間煮込む」「30分漬ける」という言葉を見つけた途端に今日はムリだと諦め、「豚肉 簡単 レシピ」で検索しなおすことも日常茶飯事。
そんな日々の中で、ひとつやらなくなっていったことがあります。
昔はすきだったのに。
それは「ベーグル作り」。
学生のころにはじめて食べたベーグル。噛み応えのあるパンが好きな私にとって、ベーグルとの出会いは目がハートになるようなものでした。
好きなものはとにかく自分で作ってみたい性分なので、早速レシピ本を買いに行き、ベーグル作りを開始。
それからは、たくさん作って冷凍してはお昼ご飯用に学校に持って行ったり、社会人になって一人暮らしを始めてからも、小さなキッチンで粉まみれになりながら作ったりしたものでした。
一方、就職・引っ越し・転職・結婚など、年を重ね環境が変わるごとに私の心にもある変化が。
本当は時間や余裕があることに対して、何かと「急がねば、時間がない」と思い込んでしまうことが増えるようになったのです。
そんな自分にとって、時間がかかるベーグル作りはだんだんハードルが高いものになり、愛読していたレシピ本も手に取る機会が減っていくばかり。
先日部屋の片付けで処分する本を選定していた時、久しぶりにこの本に再会しました。
約8年前に購入してから、何度も引っ越したし、何度も本棚の断捨離をしたけど、手放さなかった本。
後付けな感情だけれど、ベーグル作りを楽しめていた時の心の余裕を、いつか取り戻したいという気持ちがあったのかもしれません。
今回も手放すという選択肢はなく、むしろ久々にこの本と再開したことでまたベーグルを作ってみたくなったのです。
久しぶりの、ベーグル作り。
お手軽に作れるベーグルレシピもたくさんあるけれど、参考にしているレシピは長時間の発酵が必要。
土曜日の夜のうちにこねて生地を寝かせておき、日曜日の朝からベーグル作り。
10時間ほどぐっすり寝て発酵した生地を成形し、また少し寝かせて、茹でて、オーブンへ。
近頃「時短」重視の自分にとって、こんなに時間をかけて作った料理は久しぶり。
ぷくぷく膨れてこんがりモチモチになっていく様子を見て、一人でにやにやしてしまいます。
ふとオーブンの扉に反射した自分の姿に目をやると、眼鏡には固まった小麦粉がチラホラ。生地を捏ねた手で落ちてきた眼鏡をあげた時についた模様。
さっきまで夢中で気付いていなかったけれど、眼鏡以外にもテーブルや床など色んなところに小麦粉が付いていて、久々の作業がてんやわんやだったことを物語っています。
やっとの思いで完成したベーグルは、「やっぱりプロが作るものとは違うなぁ」という感じの出来だったけれど、それでもおいしかった。
後片付けも全て終わった時には日曜日が半分終わってたけど、ずっと家のキッチン周りにいただけの休日だったけど、なんだかたのしかった。
たまには、時短じゃないのもいいもんだ。
何に時間をかけるか、その時間を作れるか、そして楽しめるかどうかは、結局心の持ちようかもしれません。
余裕がなくて焦って、急いで、せかせかして、時間がかかるものは作れないよ!と思う日はこれからもきっと沢山あるけれど、でもたまにはあえて時間をかけてみるのもいいかもしれない、と思った日曜日でした。
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