【スタッフコラム】アボカドに、香炉に、ワイングラスに……
編集スタッフ 糸井
1週間にひとつほどを目安に、「小さな特別感作り」をしてみています。
10分あれば終わってしまう手軽なもの、普段ならとるに足らない簡単なこと。でも、ちょっと新鮮なこと。
そんな瞬間が、妙にほっとするのです。
たとえば、このように。
1. シンクに落ちたアボカドの種を
食べるのを忘れかけていて、冷蔵庫で食べごろになったアボカド。
包丁でスルッと切って、種もポンっと取り出して。
コロンとシンクに転がったアボカドの種をみて、ふと思いました。
「確か、瓶に浮かべて育てるんだったかな……」。
いつか使うかなと、戸棚にしまっていた小瓶をひとつ。水を入れて、つまようじをさして、完成。
眺めていると、ようじが手足に見えてきて、なんだか小瓶の浮き輪に浮かんでいるようでふふっとします。
2. よーし、食器磨きでも
むかし蚤の市で手に入れた銀食器。
黒くなっていて気になっていたものの、そのまま引き出しに隠していました。
たまたま「シルバーポリッシュ」なるものを手に入れたので、磨いてみることに。
先端をちょっと磨いただけでみちがえてきました、の図です。
3. 永らく眠らせてごめんなさい、な香炉
暇つぶしにと、クローゼットを整理していて見つけた香炉。久しぶりに日の目を見ました。
茶葉をすり鉢ですりつぶしたら、キャンドルの火で温まったくぼみのなかへ。
じんわりと温められた茶葉が段々と、段々と、緑茶の香ばしい香りを出してきます。
ふんわりとした香りが、部屋のなかに広がって、この夜、安眠です。
4. カフェラテは、ワイングラスに
頭が煮詰まったときは、椅子から立って「ふぅー」、とカフェラテ作り。
といっても、冷蔵庫で冷えた牛乳に、市販のラテベースをさっと混ぜるだけ。
いつもなら普段づかいのマグやコップに、ガッと混ぜて終わりだけれど、たまたま空いていた戸棚のワイングラスが目についた。「これは……」と、手を伸ばし。それだけで、ちょっぴり昼からラグジュアリーでした。
と、思い出せたのはこのくらいで、したことも忘れていることが何個もあるように思いますが、それも小さい特別感ゆえでしょう。
小さくて、ほっとする。そんなことに、温められ、助けられている気がします。
あの人やこの人にとっての、「小さくて、ほっとすること」はどんなものがあるのだろう。ほかほかしながら、「わたしはね……」と聴き合ってみたい今日この頃です。
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