【あえて選んだ、築40年の家】第2話:はじめてのリフォーム。IKEAのキッチンを設置してみました。
ライター 桒原さやか
築40年の中古住宅を購入し、自分たちでリフォームすると決めたのは、ちょうどゴールデンウィークがはじまるころのこと。
こちらでは、わが家のリフォーム話を全3話でお届けしています。1話目は家を買うことを決めた理由を、本日の2話目では、はじめて着手したダイニングキッチンのエピソードです。
自分たちでリフォームすると決意したのはいいものの、夫も私もリフォームに関しては初心者でして。今までもペンキを塗ったり、棚を作るという程度のDIY経験があったくらいでしょうか。もともと器用なタイプでもありません。
そんなわけで、本当に自分たちでできるんだろうか……という不安とともに、時間を見つけてはリフォームの方法を動画やブログで調べる日々のはじまりでした。
IKEAのキッチン、設置に初挑戦
最初にとりかかったのは、昭和な雰囲気のダイニングキッチン。だいぶ古くなっているので全面的に改装が必要でした。
まっさきに頭に浮かんだのがIKEAのキッチン。
というのも、恥ずかしながら、実は私たち夫婦の出会いはIKEAでして。新卒で働いていた職場で出会ったのが、今のスウェーデン人の夫なのです。
IKEAのキッチンは豊富なデザインから好きな組み合わせが選べて、引き出しの収納アイテムも豊富。そしてなによりも、自分たちで組み立てれば低価格でキッチンが作れるのが魅力でした。
まずは、もともとあったキッチンを取り外すところからスタート。たいへんかと思いきや、壊しながらの解体だったせいか、数時間で取り外しができました。不要になったものは、回収業者にまとめて引き取ってもらうことに。
次は、あたらしいキッチンを設置する土台を作っていきます。壁にはキッチン棚を設置する予定だったので、重さに耐えられるように合板を張ることにしました。
土台ができたら、いよいよ組み立て作業。実際にはじめてみると、あら、あらら……とうまくいかないところがポロポロでてきます。
組み立てには、ふだんあまり使わない工具が必要だったり。天板にシンクやコンロの穴を自分たちで計測してカットする必要があったり(間違えられないのでこわい作業でした)。
さいごまで説明書を読まずに進めると、失敗してはじめからやり直しなんてことも。
ひとつひとつの作業はむずかしくないのですが、慣れていないと根気と時間は必要かなという印象です。
その他にも、水まわりの排水を考えないといけなかったり、換気扇を設置しないといけなかったり。キッチンひとつ出来上がるにも、思っていた以上にやることがたくさんあります。
壁もこのままでは汚れやすいので、タイルを貼って掃除がしやすいようにしました。
コンロや換気扇以外はすべてIKEAのもの。収納スペースに困らないように、引き出しをたくさん設置。
ようやく、完成しました!
自分たちにもできるだろうか……というところからのスタートだったので、完成したことがなによりも嬉しくて。出来上がったキッチンをしばらく夫と眺めていました。
キッチンの窓から見える、みどりの景色が気に入っています。
洗面台もIKEAのものを設置。コンパクトなスペースにちょうどいいサイズ感。
砂壁から、まっしろな洋室に
そして、次にリフォームするのはダイニングルーム。もともとは、砂壁と畳の部屋でした。
気になったのは砂壁の色合い。古くなっているせいか、部屋全体がなんとなくさみしい雰囲気。そして、ダイニングテーブルを置こうと思うと、やっぱりフローリングのほうが自分たちの暮らしには合っていそうです。
床はフローリングに、砂壁はまっしろの壁に変更することにしました。
まずは和室の木枠を外して、その上から石膏ボードをネジで打ちます。そのあとは、隙間をパテで埋めていきました。
いろいろと調べてみると、ネットにはありとあらゆる方法が紹介されていて、使っている道具や材料もさまざま。「自分たちにはどんな方法がいいのか?」「どんな道具を買うべきか?」わからないのです。
けっきょくは、小さく試してみて、大丈夫そうならそのまま進める。ダメだったら方法を変える。というのを繰り返しながら作業を進めていくという感じでした。
この工程が地味に時間がかかりますし、失敗するとズーンと落ち込みます。
壁ができたら、その上からまっしろなペンキを塗ること3回ほど(何度か塗らないとなかなか白くなりませんでした)。
作業中は小さな娘もまわりで走りまわっていて、目をはなした一瞬の隙にペンキで遊んでいたことも……。
畳は外して、畳屋さんに引き取ってもらうことに。畳の厚さ分、高さを作るために木枠を作って、冬の寒さがちょっとでも和らぐように断熱材をしきました。
フローリング材はネットで注文する予定でしたが、思っていたよりも送料が高かったので、ホームセンターで買うことに。
選んだのは、明るい木目が気に入ったハードメイプル。運ぶ手間はかかるものの、いろんな種類の床材を実際に目で見て選べたのはよかったなと思います。
そして、ようやくダイニングルームも完成しました!
改装が進むにつれて、「柱の構造はこうなっているんだ」「床下の仕組みはこうなんだ」というふうに、なんとなく家のことがわかってくるのです。
ひとつ部屋ができるごとに、ちょっと大げさかもしれませんが、生きる力を身につけているような、夫とともにたくましく成長しているような、そんな気持ちでした。
ダイニングから見たキッチン。もともとあったガラスの引き戸を外したら、真四角の景色ができました。
少しずつ、「自分たちの家」になっていく……
家を買ったばかりのころは、「自分の家」という実感が湧かず。本当に買ってよかったのかな……なんて、考えてしまうことも。
一部の家具が置かれたままで、前に住んでいた方の暮らしぶりを感じられるような気もしましたし。家全体が薄暗くて、ちょっとこわいような気さえしました。
ところが、自分たちで手を加えてひとつ部屋ができるごとに、少しずつ家がいきいきしてくる感じがして。「この部屋も自分たちの家になった!」と、ゆっくりと実感してくる感覚がありました。
そして、わが家のリフォームはまだまだ続きます。
もくじ
桒原さやか
ライター。『北欧、暮らしの道具店』で、お客さま係として6年間働いていた元スタッフ。現在は長野県松本市で1歳の娘を子育て中。はじめての著書に『北欧で見つけた、気持ちが軽くなる暮らし(ワニブックス)』がある。スウェーデン人の夫との生活、ノルウェー暮らし、北欧旅行から見つけた暮らしのアイデアが書かれたエッセイ本。
instagram @kuwabarasayaka
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