【スタッフコラム】尊い、無邪気さ
編集スタッフ 岡本
スタッフコラムのスケジュールに自分の名前を見つけると、毎回「今度はなにを書こうかなあ」と自分の暮らしを振り返る作業から始めます。
ここ最近はリモートワークであまり外出もせず、これといった趣味もないので、コラムにするような話題が見つからないぞという結論に陥りそうになるのですが、じっくりじっくり日々の軌跡を見つめ返すと文章にしてみたいことが結構見つかるから不思議です。
真っ先に思い浮かんだのは、2歳になった息子のこと。以前もコラムに書きましたが、さらに口が達者になって驚きと笑いの連続です。子育てという限られた時間のなかでもこの無邪気さは一瞬なのではと思うと、つい残しておきたくなりますね。この場を借りて、とくに心に残った言葉を3つ紹介させてください。
・・・
つい先日、買い物から帰った玄関先で郵便受けを確認しているとき、「ママなにしてる?」と聞かれたので、「郵便屋さんが手紙を届けてくれたんだよ~」と言うと、ちょっと目を丸くして、「郵便屋さん、えらいねえ~!」と言ったのです。
いや、本当にそうなのです。郵便屋さんはえらい。そうなのだけど、改めて言われるとハッとしてしまって。
その日は小雨が降っていたので届いた封筒には水滴がついていました。外から帰ってきた自分たちも濡れていて、そんななかで誰かにお手紙を届けてくれる人がいるなんて。そういった思考からあの一言が出たのかと思うと、2歳児の洞察力や想像力に感心してしまったのです。
本人にとっては何気ない一言だったろうけれど、「どんなときも日常を維持するために働いてくれるすべての人に感謝だね!」と、なぜか熱い気持ちにさせられた一言でした。
・・・
またある日、昼寝から起きてきた子どもに牛乳とクッキーを出したところ、「このにゅうにゅう(牛乳)、おっいし~い!」と心の底から湧き出るような声で言うのです。
それはまるで、旅行先で立ち寄った牧場で搾りたてのちょっと甘みのある牛乳を初めて飲んだときのような感動ぶり。思わず、「そ、そんなにおいしい牛乳でよかったよ!」と笑いながら答えました。いつもと同じすぐそこのスーパーで買った牛乳も、声に出して美味しいと言ってくれると嬉しいものです。
この先の人生でも、「美味しい」と思うものをたくさん食べて、そしてたくさん「美味しいね」と言葉にしてくれたらいいなと思わずにはいられませんでした。
・・・
そしてまたある日の朝。家族よりも少し先に起きて朝ごはんの支度をしていたら、寝室から物音が聞こえてきました。
トットットットッ
ガサガサ、ゴトン!
息子が起きたサインです。部屋の中を歩いて絵本を出して床に落としたのかな?と寝室の様子を想像しながら階段を上がり扉を開けると、両腕に持てるだけ絵本を抱えた息子がくるっと振り向き、起きたばかりとは思えない満点の笑顔で「わ~会いたかったあ〜!」と一言。途中何冊か落としつつ駆けてきて、ハグ(突進)してくれました。
会いたかったって、毎日一緒にいるじゃないのと思いつつ、意表をついた「会いたかった」の言葉が妙に心に染みて、顔はニンマリ。手慣れた段取りをこなす忙しない朝にも噛み締めたい瞬間を放り込んでくる子どもの無邪気さに、心の中で白旗を振っていました。
昨日と今日はもちろん、保育園に送り出した朝と迎えに行った夕方でもちょっぴり成長している子どもを見ると、この無邪気さはつくづく尊いなあと感じます。つたない言葉選びや、真っ直ぐな表現が、あまり急ぎ足で過ぎないでと願ってしまうときもあるけれど、いま目の前の瞬間を心に刻んで成長する背中を押してあげなくちゃと自分に言い聞かせています。
なにを書こうかしらと考えていたはずが、なんてことない毎日を支える小さな出来事に気づくきっかけになりました。
私は当店のラジオ「チャポンと行こう!」と「エッセイラジオ」の担当をしているのですが、いただくお便りなかで「スタッフコラムが好きです」というご感想をいただくことがとても多く、本当にありがたく思っています。
外部の方へ取材をする特集記事だけでなく、スタッフコラムも楽しみに読んでくださる方がいることが嬉しくて、日々書くこと、考えることへの励みになっているのです。改めまして、いつも当店の読み物を読んでくださりありがとうございます!(せっかくなので息子を見習って、素直に気持ちを伝えてみました)
文章を書くのも読むのも、ゆっくりな方ですが、これからもひっそりと残しておきたい日常のワンシーンをこのスタッフコラムでお伝えできたらと思います。
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