【スタッフコラム】愛おしい食べもの

編集スタッフ 栗村

「思い出の味って言われたら?」

先日こんな質問をされて思い出したのが、幼いころ祖父に作ってもらった味噌汁でした。

1ヶ月に一度あるかないか、普段料理をしない祖父が、なぜか夕飯前のおやつとして作ってくれたもの。

具材は決まってじゃがいもとわかめだけのシンプルなものでしたが、その特別感がたまらなくて、必ずお代わりしていた気がします。

僕たちがおいしそうに食べる姿を見て、もっといいもので作ろうと思ったのか、祖父が今まで使っていた乾燥わかめから、生のわかめに切り替えたタイミングがありました。

きっと食感が増しておいしかったはずなのですが、それよりも記憶に残っているのは、うまく切れていなくてずらりとつながったわかめ。

今思い返すとあの見た目も含めて愛おしい味でした。

 

金曜の夜のハヤシライス

思い出の味といえば……とさらに考えていると、他にも思い浮かぶものがありました。

これも月に一度くらい、母が職場の飲み会で帰りが遅くなる日は、前日にハヤシライスを仕込んでくれていました。

食べるときには、もうすでに一晩寝かせた味。トマトがたっぷりと入ったハヤシライスは、毎日、母の飲み会があったらいいのにと思うくらい大好きな味でした。

そして、さらにうれしかったのは、それを金曜日に食べていたということ。次の日は学校が休みでいつもより夜更かしできる。高まる夜の始まりがハヤシライスだなんて、今思い出しただけでワクワクしてきました。

 

焼きそばご飯弁当

小学生の頃、よく伯父といっしょにフリーマーケットに行っていました。

そのときに祖母が持たせてくれたのが、おにぎり弁当。卵焼きにちょっとしたおかずが入って、今思えばそれが一番とっておきだったのですが、当時好きでよくリクエストしていたのは、焼きそばと白ごはんのお弁当。

本当にいいの?と毎回聞かれた組み合わせでしたが、濃いめのソース味の焼きそばをおかずに白米を食べる、それが一番かっこいいお弁当だとなぜか思っていたんです。

でもどうしてそれがかっこいいと思っていたのか、その理由はぜんぜん思い出せないでいます。

 

ナイススティック!

初めての夏休み、いつもはお弁当があるのですが週に一度、お小遣いをもらって近くのコンビニに「買い弁」をする日がありました。

決められたお金の中で、自分の好きなものが買えるワクワク感は今も忘れられません。

そんな初めての買い弁で、姉からまずこれを買うといいと教えてもらったのが山崎製パンの「ナイススティック」でした。

言われるがまま購入しいざ頬張ると、目がまん丸になるほどの衝撃的な美味しさ。そして、その美味しさがまだまだ楽しめるロングサイズにもう虜になってしまいました。

今でもたまに見かけると、食べたくなる愛しの食べ物です。

こんな風に振り返っていると、思い出の味はまだまだたくさんありそうで、今度は誰かに聞いてみたくなっています。


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