【スタッフコラム】「かわいいは無敵」説
編集スタッフ 岡本
スタッフ斉木のこのコラムを読んで、私にも大好きなドラマの大好きなセリフがあることを思い出しました。
2016年にシリーズ放送された「逃げるは恥だが役に立つ」で、お互いの想いが通じ合い始めた平匡さんに向けてみくりさんが言ったこのセリフです。
「 “かわいい”は最強なんです。かっこいいの場合、かっこ悪いところを見ると幻滅するかもしれない。でも “かわいい” の場合は何をしてもかわいい!かわいいの前では服従。全面降伏なんです!」
“かわいい” という言葉で相手のいろいろな面を肯定する気持ちが現れているシーンで、「こんな会話をしている二人まとめて、なんてかわいらしい」と、キュンとしつつほのぼのしたのを思い出します。
このセリフが登場する第10話が放送されていた当時、私は結婚して半年、結婚式まであと数ヶ月という時期でした。
夫が脱いだズボンのポケットから結構な量の砂が出てきたり(なぜ?)、財布と携帯を2週連続忘れたりというおっちょこちょいなエピソードも「なんだか分からないけど、かわいらしい」光景としてふんふんと過ごしていられたのです。そこに来た、このセリフ。
あぁ、日常のなんてことないんだけど大事な感情を、ものすごく分かりやすく説明してもらった気がする!と、たびたび思い返す大切な言葉になっていました。
***
それから数年。私の「かわいいへの変換力」を問われる時期がやってきました。
徐々におっちょこちょいエピソードは、それそのものとして私の目に映るようになり、 “かわいい” に変換される頻度が……減ってきたような。
「みくりさんが言っていた『かわいいは無敵説』に、救われる場面がたくさんあったんだな」とそのとき改めてあのセリフが心に染みました。
でもきっと、無条件でその力を使えていた新婚時代でなくたって、「かわいいへの変換力」は暮らしを助けてくれるはず。
それに、かわいいと思えるかどうかは、その時々の相手への想いも関係しますが、自分自身の余裕のありなしが大きく関わるのだということもこの数年で気付かされたことでした。
洗濯を回した後、クローゼットの片すみに脱ぎ捨てられた靴下を見つけたときや、子どもがお風呂上がりに濡れた体で駆け回る姿を見て、 “かわいい” と思えるか、思い通りにいかなくて「ああ、もう……!」と思うか。
できれば、ちょっとダメなところも “かわいい” って思える人でいたい。
私だってきっと、所々見受けられる至らぬ点を身近な誰かに許してもらっているだろうから。
これからもあのセリフに納得できる自分でいられたらいいな、と今後の私の「かわいい変換力」に期待しています。
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