【スタッフコラム】それはまるでタイムカプセルのように
編集スタッフ 澁谷
薄着だと頼りないけれど、玄関を開けた時、もうすぐそこに春があるんだなとわかる生温い空気。
最近そんな空気に触れた朝があって、無意識のうちに新学期や新生活特有のそわそわを身体が察知していました。
はじまりの季節が近づいている……。
新しい制服を着て、まだぴかぴかの道具に囲まれて過ごすことにうまく馴染めなかったり、予定通り目的地に着けるかかという不安な時間だったり。もうすぐそこの春を肌で感じた時、かつて体験した春のそわそわの断片が蘇るように迫ってきました。
何かをきっかけにして、過去の苦い記憶へと簡単につながれてしまうので気が抜けませんね。
でも悪いことばかりではないのかも。
この間の休み、本棚の整理ついでに昔よく読んでいた本を久しぶりに開きました。ぱらぱらとページを進めると、栞のようなひとつの紙が。
それはというと、この本を読んでいた大学生の頃、図書館の蔵書検索で気になった本を控えていたメモでした。
その時の自分が興味を持っていたものをこうして目の当たりにするのは小恥ずかしくもありましたが、すっかりこぼれ落ちていた記憶だったので小さいお土産のようで嬉しくもありました。
「この本を読んでいたあの頃の自分はどんなところに興味を感じていたのだろうか?」
「それは今と同じなのだろうか?すこし違っているのだろうか?」
メモに書いていないことが次々と気になってきて、感想のひとつでも残しておけばよかったなと後悔が残ります。
話は変わりますが、年明けから手帳にひとこと日記を書き始めました。
3日くらい溜めてしまったり、書くことが浮かばず食事の記録のようになってしまう日もあるけれど、今のところなんとか続いています。
どんな形であれ、今の自分が感じている細々としたことのひとつひとつを、未来の自分に向けて残しておきたいなと感じるこの頃です。
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