【開発秘話】グリーンをもっと気軽に。バイヤーと一緒につくった、”暮らしの道具”としての植木鉢

編集スタッフ 小針

▲左:バイヤー郡、右:商品プランナー高山

当店のオリジナルブランド KURASHI&Trips PUBLISHING から「植木鉢」が発売になりました。

実はこちら、普段は商品の仕入れを担うバイヤーと商品プランナーによる “社内コラボ” で誕生したアイテムなんです。

日頃からたくさんの商品に触れているバイヤーが、その経験を踏まえて「こんな植木鉢があったら」をプランナーと一緒に考え、形にしました。

今回はそんな2人による開発秘話を、自宅での愛用風景を交えながらご紹介します。

記事の最後には、グリーンをこよなく愛する店長佐藤が自宅で楽しむ様子もご紹介。ぜひ最後までご覧ください。

 

はじまりは、チームを超えた雑談から

高山:
オリジナルで植木鉢を作ることになったのは、バイヤーと「植物周りの商品ラインナップを増やしていきたいよね」と雑談の話題に挙がったことがきっかけでした。

郡:
もともとバイヤーの中でも植木鉢はずっと探していたアイテムだったのですが、理想的なものにはなかなか出合えずにいて。

例えば北欧ブランドのものなど「素敵!」と思えるものは手の届かない価格だったり、一方で手頃なものはお部屋に置くイメージができなかったり……。

高山:
それならば、もっと気軽に、素敵にグリーンを楽しめるような植木鉢をオリジナルで作ろう!ということで今回の企画がスタートしました。

そして今までにない取り組みとして、企画段階からバイヤーに参加してもらうことにしました。

日頃からたくさんのアイテムに触れているバイヤーなら、きっと私たちプランナーにはないアイディアや新たな視点をくれるのでは?と思ったんです。

 

食器や花瓶を選ぶように。
目指したのは「暮らしの道具」としての植木鉢

▲高山の自宅の様子。暮らしの道具の集まるキッチンにもよく馴染みます。

今回の植木鉢のコンセプトはどのように決まったのでしょう。

高山:
まずはバイヤーから、仕入れをするときに気にしていたポイントなどをヒアリングすることから始めました。

郡:
仕入れる時には、佇まいそのものが素敵かどうかをまず見るようにしています。

植物を育てることそのものに馴染みのないお客さまもきっと多いから、植物とのバランスや実用面などを難しく考えず、まずは「かわいい!」と手に取ることができたら、植物との暮らしも気負うことなく始められそうと思ったんです。

高山:
私も開発を担当するまでは植物にすごく詳しいわけではなかったので、その気持ちにはすごく共感できました。

そのヒントから、私たちがつくる植木鉢は眺めるだけで気分が上がり、暮らしにもちゃんと馴染む。食器や花びんの延長で選べるような「暮らしの道具」としての植木鉢、というコンセプトが浮かんできたんです。

高山:
「ivory(アイボリー)」は、取っ手をちょこんとつけて小鍋をイメージしています。

郡:
この取っ手のおかげで指が引っかかって滑りにくいんですよね〜。この形を最初に見せてもらったとき、このぽってりした佇まいがかわいい〜ってすぐ気に入りました。

高山:
実はラフの段階ではもう少し直線的なスタイリッシュな形でした。シュッとしたデザインもかっこよかったのですが、他の暮らしの道具と並べた時に、もう少し馴染むといいなと思って。

デザイナーにリクエストして、丸みのある柔らかい雰囲気に調整してもらったんです。

「amber(アンバー)」はオリジナルのガラスの花びんからヒントを得て、ちょっぴりレトロなデザインにしました。

▲こちらも高山宅。植物を入れないときは食器と一緒に並べて。そのままでも絵になります。

高山:
デザインでは植物が不在のときも素敵に見えることを大切にしていました。空っぽの植木鉢が置かれていても残念な気持ちにならず、これだけでオブジェのように飾れると思います。

それに私自身開発中にいろんな植物を試して、中には枯らしてしまった子もいて…。そんなときでもこのデザインなら、次の植物をゆっくり探せるなと思えました。

郡:
鉢と受け皿が一体化していることにもこだわりましたよね。

見た目の上でも実用的にも、受け皿は必ずセットでほしいのですが、探していると受け皿がついていない鉢も多くて。

2つとも受け皿が一体になったデザインのおかげで、雑貨のような雰囲気は損なわず、安心して水やりもできるようになっています。

高山:
底の穴も当初は1つだけでしたが、水捌けをよくするために最終的に7個に増やしました。植物好きさんにも選んでいただけるような、使い心地のいい植木鉢になったと思います。

 

馴染むけど、ちゃんと存在感のある鉢を目指して

カラーは ivory と amber の2色。形も色もバラバラの2つの鉢ですが、それぞれの色合いはどのように決めていったのでしょう?

郡:
お客さまの中にはきっといろんなインテリアの方がいらっしゃるし、中には両方買ってくださる方もいるかもしれないですよね。

だからこそ幅広いインテリアにフィットして、2つ並んだときに単調にならないようにしたいね、と話していました。

高山:
そうですね、そのバイヤーからの希望をうけて両方のデザインで複数のカラーを試作したんです。

実際に自宅に置いてみたり並べたときのバランスを見ながら、オフィスにいたスタッフも巻き込んで(笑)、ぎりぎりまで悩んで最終的にこの2色に落ち着きました。

▲高山の自宅にて。アイボリーはナチュラルなインテリアとも相性◎

郡:
私はひと目みたときからこの ivory の色味がとてもかわいいなと思っていて。少し緑がかったあまり見ない色ですよね。

高山:
当初はもっと白っぽい色もいいかなと思っていたんです。でも自宅で使う中でこの緑みのある絶妙なニュアンスだからこそ、植物とも相性がいいし、空間にも馴染むことがわかったんです。

郡:
amber はヴィンテージの器を想起させるような渋くてかっこいい雰囲気ですよね。

高山:
そうなんです。こっちは形と色がいい具合にマッチしたと感じていて。このように凹凸のあるデザインだと釉薬がたまるところとそうでないところの濃淡の差ができて、それが味になったなと思います。

それぞれキャラクターが違うので、ご自宅のインテリアに合わせて選んでほしいです。もちろん2つ並べても素敵ですよ。

郡:
質感もいくつか試して決めましたよね。

高山:
マットなものやザラザラしたものなど3種類くらい試しました。

このツヤの質感を選んだのは、窓辺に並べたときに光を受けてキラッとする感じが綺麗だったんです。植物も不思議とみずみずしく見えて、植え替えなどで土が表面についても、すぐに落とせるのもポイントでした。

 

植木鉢を迎えて、2人の暮らしはどう変わった?

出来上がった植木鉢を2人はすでに愛用中。

植木鉢を迎えてみて、2人の暮らしになにか変化はあったのでしょうか?


Case o1.
商品プランナー高山


高山:
開発担当になってから色々植物を買うようになったのですが、なにかをお世話することってこんなに楽しいんだな〜というのが発見でした。

「ここちょっと大きくなってきてない?」とか、「ずっと葉っぱが出てこないけどお水が足りないのかしら〜」とか(笑)。うまくいかないこともあるけど、この子たちの成長を見守るのが楽しいんですよね。

性格的にマメにお世話することは向いてないと思っていたんですけど、今では葉っぱの状態や虫がついていないかチェックするのが日課になりました。

高山:
植物たちの定位置は、日当たりのいい窓辺です。そのままでも水やりはできるんですけど、私はまとめてベランダに出してたっぷり水をあげています。

それで水が完全にはけるまでキッチンに移動させて…と家の中をあちこち移動させているので、この鉢の持ち運びのしやすさもいいな〜と実感しています。

 


Case o2.
バイヤー郡


郡:
私は ivory を使っています。我が家はどちらかというと白が基調のシンプルめなインテリアなのですが、そんな空間にも溶けこみつつ、ほどよく温かみがプラスされた気がします。

陶器のぽってりとした佇まいや真っ白ではないこの絶妙な色味が、そうさせてるのかもしれませんね。

郡:
両サイドにちょこんとついた持ち手のデザインも、受け皿の水を捨てるために鉢を持ち上げるときに便利なんです。表面はツルッとしていますが、ここに指を引っ掛けると安定感があります。

郡:
デスクにも置いてみました。グリーンを近くに置くと目にもいいし癒し効果もあると聞いたことがあるのですが、本当にそうだな〜と感じています。

リモートワークでちょっと疲れたときに植物が目に入ると、ふっと楽になるというか、穏やかな気持ちになるんですよね。

 


番外編:店長佐藤

「使い心地のよさを実感。植物好きとして、
ディテールにもこだわりました」


大の植物好きで、この植木鉢の開発をそばで見守ってきた店長・佐藤にも、完成した植木鉢を使ってみてもらいました。

佐藤:
3Dサンプルの段階からスタッフと一緒に何度も触って大きさや仕様を確かめ、色や形を絞る段階でもみんなでたくさん議論しました。思い入れの深いこのアイテムが、我が家にやってきて感無量です!

私自身、本当に理想的な植木鉢にはなかなか出合えずにいたんです。よく見かけるシンプルなものやモダンなものも好きなのですが、個人的にはどこかクラシカルな雰囲気を携えたデザインに目がなくて。

そういう暮らしにも馴染むけれど、ちゃんと存在感を放つような私たちらしい植木鉢を目指して、開発を進めてきました。それがとても理想的な形で実現できたなと思います。

佐藤:
今回異なるデザインの2色の植木鉢を作りましたが、それも同じ形で2色展開にするか、そうしないかでかなり悩んだんですよね。

しかし結果、それぞれの形と色に個性を感じてもらえる2つの植木鉢を作ってよかったと思っています。

開発段階では、陽があたる場所に置いた時のツヤ感、影がある場所に置いたときの佇まいなども一つずつチェックしました。やっぱりどこに置いても輝いてほしいので。

2つを横に並べても、とてもいい絵になると思います。

佐藤:
そして見た目以上に、実用性が植木鉢を選ぶ際にはとても大事です。水はけのよさ、底穴の数、受け皿など、実用面にかかわるディティールについても植物好きとしてアドバイスさせてもらいました。

また私もよく購入する、花屋の軒先に置いてあるような小ぶりなプラントポットがスポッとはまるサイズ感も、こだわったポイントです。

今我が家で実際に使いながら、その使い心地のよさも実感できて、じんわり嬉しくなっています。

*****

プランナーとバイヤーが初めてタッグを組んで完成した “暮らしの道具” としての植木鉢。

このどちらか、もしくは2つともが、みなさんがグリーンを楽しむ出発点になれたら嬉しいです。


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