最終回!! 連載を振り返って。そしてこれから先のこと。
デザイナー 村田
■◇◇■ 最終回 「連載を振り返って。そしてこれから先のこと。」 ■◇◇■
早いモノで、今回が最後になりました。
今までお付き合いして下さった皆様、温かく見守って下さった皆様、
本当に有り難うございました。
おにぎりカフェ体験談の配信を振り返ってみると、私自身楽しんで原稿が
書けたと思います。
忘れかけていたスウェーデンでの生活や体験を事細かに思い出すことが出来て
本当に嬉しく思っております。
連載を依頼されたのは日本に帰ってきてから半年くらい経った頃。
せわしない時の流れによって、当時の貴重な体験は既にぼんやり霞みかけていたんです。
スウェーデンに居た頃も日記は付けていなかったし、写真もたまに撮っては
いたんですが、管理が悪いせいで今ではどこへ行ったやら。
さらに年齢のせいか、お酒のせいか、若干記憶力に問題があるという事実も生じていて。
正直、連載を書くなんて最初は全く自信がなかったし、本当に喜んでもらえるの
だろうかととても心配でした。
でも書き始めてみると、何だか面白いのです。
モノを書くのは昔から嫌いではなかったし、無我夢中でやっていたあのおにぎりカフェ
だって、文章にしてみると小さな物語がそこにはあったんだって思いました。
また、原稿を書いているうちにおにぎりカフェについてだけでなく、日々日常の出来事が
一緒にするりと蘇ってくるのです。
毎日の何気ない瞬間が意外と色濃く残っていたりして、まだスウェーデンに行きたてで
何もかもが新鮮に見えるウブだった頃の記憶が、色や香り、温度まで一緒になって
思い出されるのです。
鳥の鳴き声や刈ったばかりの緑の香り、歩くたびにギュッギュッと軋んだ音を出す雪、
ふと感じる四季の移り変わりなど、そこで暮らしていると素通りしてしまうような
自然の営みが懐かしくて懐かしくて。
カフェに行く前、家の外で鹿の親子に出くわしたり、車を走らせていたら道路脇の
土手に野うさぎがピョンピョン飛び跳ねていたり。
夏にはかごを持って家のすぐ裏の山でブルーベリーを摘み、両手いっぱい、口いっぱい
真っ青になるまで食べたり、秋には彼氏のお父さんにお願いして一緒にキノコ狩りをしに
連れて行ってもらったら、帰り道で迷ってだんだん暗くなって行く中、
家に帰れなくなったり。
あぁ、しみじみ。
とまあ、今では考えられないような日常がそこにはあった訳で、
それを家で書きながらやんわり思ひ出に耽っていたんです。
スウェーデンでの生活も悪くなかったなぁと。
住んでいた頃は文句ばっかり言っていたんですけどね。
刺激がないだのつまらないだの不便だの料理が不味いだの。ブツブツ。
高円寺、環状七号線沿いに住んでいる今となっては、夢のような生活です。
自然を五感で感じる毎日。
「チーズケーキ作るからちょっとそこまでブルーベリー摘んでくる」なんて、
もう一度だけ言ってみたいっ。
無い物ねだりなんですけどね。
まあナンダカンダ言っても、どちらが良いかと言われるとやっぱり私は日本が良いです。
ストレスがあったって空気が悪かったって、排気ガスによって鼻毛が伸びたって、
やっぱり日本が好きです。
発散させる所は沢山あるし、自然と触れ合おうと思えば触れ合う事も出来るし。
空気が悪ければまつ毛だって伸びるはず。
今後、私は日本の美を伝えるべく、ニューヨークのタイムズスクエアで毎年11月25日から
12月25日までの一ヶ月間行われるクリスマスマーケットに出店を考えております。
着物の端切れを使った小物や地下足袋、足袋ソックス、和紙を使った製品を作ろうと
思っていて、その為に和紙作りにも挑戦しようと沖縄上陸も企んでおります。
そこにもきっと色々な物語が待っているのではと期待しつつ、ちょっと日記でも
また書き始めようかなと思う今日この頃です。
最後にもう一度、これまで読んできて下さった皆様に感謝の気持ちを申し上げます。
初めての事で、文章の構成も文体も素人丸出しでしたが、最後までお付き合いいただき
本当に有り難うございました。
いつかどこかで再会することがございましたらその時はまた宜しくお願い致します。
高見佳乃 2008年7月2日
(終わり)
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