◇◆第二回 北欧、暮らしの道具店の開店秘話その2◆◇ 僕らにとってのフィットする暮らしが見つかった意外な場所。
クラシコム代表 青木
(前回までのあらすじ)
クラシコムとして最初に取り組んだ事業がうまくいかず、さあこれ
からどうしようかと頭を抱える佐藤とアニ。話をしているうちに
本当に自分たちがスキで、向いていることを仕事にしてみようとい
う単純な結論に至る。その話の流れで佐藤が話し出した、ストッ
クホルムに出かけた時に受けた衝撃についてのアレコレが
「北欧、暮らしの道具店」の開店に繋がっていきます。
(第二回)
佐藤はその年の初めにストックホルムに1週間ほど滞在していま
した。
旦那さんがストックホルムの家具見本市「グリーンハウス」に出
展するお手伝い(単なる便乗か?)で行っていたんです。そして
彼女にとって実際に北欧の地に降り立ったのはその時が初めてで
した。
それまでも、彼女は個人として、また一人のインテリアコー
ディネーターとして(店長佐藤は昨年末ごろまでインテリアコー
ディネートの仕事をしつつ当店を運営していました)北欧の新旧
プロダクトに興味を持っていたそうです。
本や雑誌、ネットなどの情報に接して常日頃あこがれていたスト
ックホルムですから、旦那さんの手伝いそっちのけで、アンティ
ークショップや蚤の市を巡るぞ!と意気込んで出かけていきまし
た。
しかし彼女が日本に戻ってきてから
「衝撃を受けすぎて、日本での生活にうまく戻れない」
とまで言わしめたその衝撃は、単に好きなものがいっぱいあっ
た!とか、おしゃれなスポットが!とか美しい自然が!といった
ものたちから受けたわけではなく、ストックホルムで暮らす
人たちのライフスタイルや価値観、そしてそういったものから
生み出される彼らの暮らし方から受けたものでした。
*世界でもトップクラスの競争力を持つ産業を排出している国で
あるのに、人々はワークライフバランスを重視し、ほとんどのオ
フィスは6時ごろには真っ暗に!
*訪れた現地のメーカーのオフィスで見られるフラットな関係性
*街に余分な音や街並みを汚すグラフィックが無いこと。
*びっくりするぐらいの住宅事情の良さ。
*街角ごとに素敵なカフェがあり、みんながそれぞれフィーカ
(お茶をすること)を楽しんでいる様子
などなど。
クラシコムは創業から「フィットする暮らし、探そう。」を
キャッチフレーズにしているのですが、佐藤いわく
「私のフィットする暮らしはストックホルムにあった!」
ということだったようなのです。
話を聞くにつれ、よく似た価値観を持つ僕にとってのフィットす
る暮らしもそこにあるように思われ、いてもたってもいられなく
なりました。
そこで、なにか仕事にかこつけてストックホルムに行く方法は
無いかなーと考えはじめました。
僕たちが最初に取り組んでうまく行かなかった仕事は、インター
ネット上のサービスを利用してもらう、いわば形の無いものを売
る商売でした。
それは確かに先進的であるのですが、であるがゆえに何か確かさ
のようなものが無く、やっている自分でもとらえどころが無い様に
感じていました。
なのでその当時は、もし次に何かやるなら何か形のあるものを仕
入れて売るというような、当たり前の商売をしてみたいと考えて
いる頃でした。
そこで佐藤に、
「なにか北欧で仕入れて日本で売れるような、魅力的な商品には
出会わなかった?」と聞いてみました。
佐藤はうーんとうなってしばらく黙って考えていましたが
「調べてみないとわからないけれど、北欧のヴィンテージ食器と
かキッチンウェアなんかは日本でも人気があるし、私も好きだか
らある程度目が利くし、出来るかも・・・・」
と言い始めました。
(次回に続きます。)
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