【おでかけコラム】東京・蔵前にオープンした居心地の良いカフェと、田中千絵さんの作品展と。

編集スタッフ 長谷川

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manocafe yøreのランチと、田中千絵さんの“紙の絵”の、魔法。

以前、はたらきかたのインタビューにご登場いただいた、二児の母でありながらデザイナーやイラストレーターとして活躍する田中千絵さんが、東京・蔵前に新しくオープンしたカフェで作品展をひらかれると聞いて、たずねてきました。

ご案内のメールに伺う旨をご連絡すると、すぐさま田中千絵さんの笑顔と元気があふれだしてくるようなご返信。余談ですけれど、メールの文章からその人のはずんだ声がうかんでくるのって、胸があったかくなりますね。

なんでも「3月のプレオープンでお邪魔して、一目惚れ!」してしまったカフェなのだそう。どんなところかしらと期待に足取り軽く、田中千絵さんが在廊している日におでかけしてきました。

 

橋をわたった先にある、カフェと北欧雑貨のお店。

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蔵前の目と鼻の先には浅草と両国があり、空を見上げればスカイツリーが眺められることもあってか、ここ最近は新規の出店も増えつつあるエリア。

都営大江戸線蔵前駅のA7出口を出て、厩橋(うまやばし)で隅田川を渡り、老舗の佃煮屋さんを過ぎたところに、作品展の会場でもあるカフェ「manocafe yøre(マノカフェ ヨー)」がありました。

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manocafe yøreは、カフェと北欧雑貨のお店。

manoという言葉には「手」という意味があることから「手から生み出す、作り出す」をイメージ。

yøreはデンマーク語で「昔の」を意味し、「昔の人が大事に扱っていたものを現代の人が受け継ぎ、大切に使って欲しい」という願いを込められているそう。ヴィンテージのキッチンツールや、実際にカフェでも使われている食器などが並びます。

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お店を切り盛りするのは、15年来の友人関係でもあるという、それぞれの職種で働いていた3人の女性たち。

(3人が仲良くなり、お店を開くまでのストーリーもユニークなのですが、それだけで別のコラムがもうひとつできてしまいそうなので……今回は話を先に進めます)

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お店のチャームポイントは横長の窓。前を走る春日通りに面しており、道行く人が店内の様子をちらり。中にいる人も、思わずちらり。そんなふうに人と人との息遣いが自然とこの窓から生まれています。

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こざっぱりとした家具に、木目の色調と落ち着きのあるやさしいトーンで、男女問わずに落ち着ける空間だと感じます。

 

“ゆらぎ”が記憶に残る、紙の絵。

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田中千絵さんの作品展は、お店に入ってすぐ脇と、カフェの壁に額装をして飾られています。今回の作品は質感も異なる色とりどりの紙を切り貼りした絵がメイン。

もともとは、“ショートショート(短編小説よりも短い小説)”という小説スタイルを専門とする作家・田丸雅智さんの著書『たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座』『ショートショート診療所』(共にキノブックス)の装画と挿絵として作られたもの。田中千絵さんは『ショートショート診療所』で装丁も担当しました。

この作品を作りながら頭に浮かんだのは、紙をおもちゃにしていた子どもの頃の記憶だそう。豊かな質感や色の紙たちを組み合わせて遊ぶ、田中千絵さんの原風景とも呼べるシーンです。

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遠くから見ると、ポップで、どこか可笑しみのある絵画。よくよく近づいてみると、すべて紙で作られていることに新鮮なおどろきがあります。

最近の「デザイン」は、パソコンの中で作られた、清潔できれいなものが主流。その流れは理解しつつも「どこか記憶に残らず通りすぎてしまう感覚」が田中千絵さんにはあったといいます。

だからこそ、この紙の絵をつくる時には、下絵を書かずに即興で、少しだけゆがませたり、あえてきっちりと揃えない手作りのニュアンスを込めたりしながら、作品に“ゆらぎ”を残しました。

“ゆらぎ”を目にした人が「あれ?」と気づくことで、作品が人々の記憶に残るのではないかと考えたのです。

 

ちょっとの非日常をくれるカフェだからこそ。

160525mayocafe_chietanaka_13▲田中千絵さん。この作品展に合わせてつくった、特製のハンカチを手に。

店内の雑貨を手に取り、田中千絵さんの作品を眺めるうちに、すっかりお昼時に。ランチをいただきながら、田中千絵さんとおしゃべりしました。

田中千絵さん:
「この作品は田丸さんのショートショートが持つ、時空や時間を超えた感じの作風やストーリーからイメージして、紙も選んでいったんです。

昔に、田中一光さんの事務所でお手伝いをしているとき、一光さんがポスターほどの大きさの白い紙に色とりどりの紙を置いていって、デザインを決めていた場面があって。その記憶も、私が紙でつくる作品たちに影響してるかも、ですね」

このmanocafe yøreは、そんな“ちょっと不思議”な空気をまとって生まれてきた、田中千絵さんの紙の絵にもぴったり合うと感じたのだとか。

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田中千絵さん:
「蔵前は、馴染みのない私にとっては“謎な場所”でした。だから駅を出て、厩橋をわたって、墨田川を越えるのが新鮮で。川には屋形船が浮かんで、水がたくさんあって、たおやかな気分になれる場所。知らない国を遠足をするような感じですね。

カフェに入ったら、居心地のいい雰囲気と、窓から通りの人たちが見える、その小さなコミュニケーションも好きでした。そこでこういう、ちょっと非日常なものを飾ったら似合うと思ったんです。

文具店の『カキモリ』もすぐ近くなこともあって、“手で作ったもの”が好きな人もよく通るんじゃないかなって。ふっと気づいて立ち寄る、そんなきっかけになれたらいいかなって」

160525mayocafe_chietanaka_17▲ランチは日替わりもある3種類。サラダ付きなのもうれしい。

この日、ランチで食べた「トマトソースのミートボールwithチーズサンド」は、ヘヴィーそうな見た目からは想像できない、肩の力がすとんと抜けた、やさしい味わい。

銀座「ブーランジェリーレカン」のオリジナルパンは、ふわりとした食感とほのかな甘みがあり、ミートボールに練りこまれたスパイスと合わさって、一口ずつの味の移ろいを楽しめます。魔法みたいに軽やかで、自然とお腹に収まっていくようでした。

manocafe yøreで過ごす時間は、あくせくとした毎日で忘れがちな「ゆるやかな、あたたかさ」をチャージしてくれます。お腹も心も満たされ、駅へ向かおうと厩橋をわたっていたら、なんだか来た時より体も軽い、ような。

manocafe yøreでの田中千絵さん作品展は2016年4月30日(土)まで開催中。29日(金)の20〜23時は、田丸雅智さんと田中千絵さんが“Wママ”となったクロージングパーティーも開かれるそう。

また、5月23日からは東京・代々木八幡のカフェ&バー「NEWPORT」に会場を移し、「港」をテーマにした作品展も予定されています。

 

manocafe yøre
住所:東京都墨田区本所 1-20-5
Tel:03-6658-5863
営業時間::11時〜18 時(manocafe L.O.17時)
定休日:日曜日・月曜日
都営大江戸線「蔵前駅」A7出口より徒歩5分

 

作品展について

田中千絵「紙の絵」展 / その1
会期:4月5日(火)〜4月30日(土)
場所:manocafe yøre
時間:営業時間に準じる

クロージングパーティ「Wママの小さな夜会」
日時:4月29日(金)20時〜23 時(22:30L.O.)
参加費:1500 円(ワンドリンク)

田中千絵さん:
「ショートショート作家の田丸雅智さんと田中千絵がママをつとめます、ひとばんだけの小さな夜会。田丸さんにご用意いただくワークシートを使って、みんなでワイワイ飲みながらショートショートの共作を楽しめる素敵な夜にしたいと思います!」


 

田中千絵「紙の絵」展 / その 2:「港」connected with 田丸雅智
会期:5月23日(月)〜6月18日(土)
場所:NEW PORT (http://nwpt.jp/
住所:東京都渋谷区富ヶ谷1-6-8 モリービル1F
Tel:03-5738-5564
営業時間:11時30分〜23時(月〜金)、12時〜23時(土・祝)
定休日:日曜日
東京メトロ千代田線「代々木公園駅」1番出口(八幡口)より徒歩1分

田中千絵さん:
「港をテーマに紙のコラージュ作品を作ります。 それに合わせて、ショートショート作家の田丸雅智さんが、「港」をテーマに超ショートショートを展示のために書き下ろしてくださることになりました!」

ショートショートワークショップ
日時:6月12日(日)13時〜16時
定員:22名
持ち物:筆記用具(消せるもの推奨)
時間:13時〜15時30分(開場12時30分)
参加費:3000 円(ドリンク付)


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