【がんばらない大掃除】第2話:谷山彩子さん「年々テキトーになりますが、これだけは!」

ライター 片田理恵

大掃除のお話をすてきな先輩たちに伺っています。その暮らしぶりを見るにつけ、どんなふうに取り組んでおられるのか興味津々。ところが驚いたことに、皆さん「意外とがんばっていない」んです。

ではがんばらずに何をするのか。そして何をしないのか。こだわるポイントを伺ってきました。第一話の引田かおりさんに続き、第二話ではイラストレーターの谷山彩子さんが登場です。

第一話から読む

 

ポイントをしぼって2ヶ所だけ

冷たい風が吹き始めた秋の終わり。この日お邪魔した谷山さんのご自宅には「寒くなると出すポカポカの絵」が飾られていました。物語の1ページをそっと取り出したような光景が、アジアの古い調度品によくなじんで、なんともすてき。お仕事をしつつの大掃除、どうやって両立されているんでしょうか。

谷山さん:
「大掃除……年々テキトーになってきている気がしますね。換気扇などは見ないフリ(笑)。私は気候のいい季節に少しずつ進めておく派かな。きれいな状態をできるだけ維持しつつ、年末はポイントをしぼって2ヶ所だけ。それも一度にやらずに少しずつ。無理はしません」

 

冷蔵庫内の整理整頓と拭き掃除

大掃除は2ヶ所だけ! それはますます気になります。教えてくださったひとつめは「冷蔵庫」。お正月のごちそうを詰め込む前に片付けておこうというねらいなのだとか。

中身を出したら棚板や引き出しを外して食器用洗剤で洗い、整頓しつつ戻していきます。使いかけのまま眠っていた食材は、その後数日かけて食事作りに活用。在庫が一掃できて気持ちもさっぱり。

谷山さん:
「うちは夫婦とも、食べることとお酒を飲むことが大好き。だから台所にはどの場所よりもお世話になっているんですよ。冷蔵庫をきれいにすることで食材の流れをよくして、また一年よろしくねという気持ちでやっています」

ちなみにご主人との家事分担のコツは「まかせること」。年末の冷蔵庫の掃除は谷山さんがやることが多いそうですが、日々の細かな掃除や管理はご主人の方が得意で、気づかされることも多いといいます。

谷山さん:
「ああしてこうしてと言うのをやめて、一からまかせるようにしました。料理なら献立決めと買い物の段階からお願いすると、楽しそうに作ってくれます。

掃除もお互い目が行く場所が違うから、好きなようにやってもらって、私も好きなようにやる。それで家がきれいになればいいですよね」

 

一日一枚、窓ガラスふき

もうひとつが窓ガラスふき。きれいなガラスで新年を迎えるのは気持ちがいいし、ピッと引き締まるような気分になるからといいます。

谷山さんのやり方は「一日一枚」と決めて、やりすぎないこと。手順はアクリル製のスポンジに水を含ませて洗い、スクイジーで水を切ってから、マイクロクロスでからぶき。室内側は雑巾で水ぶきしてから、こちらもマイクロクロスでからぶきをして仕上げます。

谷山さん:
「お正月らしい光ってあるでしょう。それが窓から差し込んでくる時に、ガラスが磨いてあるとやっぱりきれいなんですよね。とはいえ外側をふく時はベランダに出なくてはいけないし、寒い時期の外作業は大変だから、一日一枚。ひとつだけでいいと思えば、気持ちも続くんです」

 

好きな雑貨屋の道具で気持ちをあげる

見せていただいたのは窓ふきセット。洗剤は使わず、水だけで汚れが落ちるアクリルスポンジやマイクロファイバークロスを組み合わせて掃除をするようにしています。

道具は自宅近くにある雑貨屋で買うことが多いそう。黒やグレーなど、落ち着いた色合いの物を扱っているところもお気に入りなのだとか。

谷山さん:
「洗剤を使うと、それを落とすのが大変だからイヤなんです。洗剤を水で流す手間、流した水を処理する手間が増えるでしょ。肌にも負担がかかるけど、私、手袋をするのも好きじゃないし。花粉も土ぼこりもこれでしっかり落ちるので助かっています」

 

がんばった自分に、おいしいごほうびを

撮影が終盤にさしかかった頃、台所から、何だかいいにおいがしてきました。

実はこれ、谷山さんがあらかじめ用意されていた、大掃除のモチベーションを上げるためのごほうび。がんばった後に食事の支度をするのは大変なので、朝のうちに煮込み料理を仕込んでおいたのだといいます。「今夜は巻かないロールキャベツ。冷蔵庫の整理で出てきた白滝も入れてみました」とにっこり。

きれいになった窓越しに夕焼けを眺めながら、いつもよりちょっと早めの乾杯。こんなお楽しみがあるんなら、来年も「2ヶ所だけ」の大掃除は続きそうですね。

続く第2話では、空間デザイナーの井手しのぶさんが登場。引き続き「がんばらない」お話を伺います。

(つづく)

【写真】メグミ

 


もくじ

 

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谷山彩子

イラストレーター。東京都出身。セツ・モードセミナー卒業。HBギャラリー勤務を経て、フリーのイラストレーターに。雑誌・書籍の挿画や広告の分野で幅広く活躍。近著に『文様えほん』『十二支えほん』(共にあすなろ書房)がある。
https://www.taniyama3.com/

 


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