【バイヤーのコラム】冬のにおいの記憶
先日、ハンドクリームを買いました。
近所のドラッグストアをあれこれ物色していたら、ものすごく見覚えのあるパッケージが目に留まりまして。
それは、実家の母が長らく愛用していたハンドクリームでした。そういえば母はいつもこれを常備して、寝る前など丹念に塗っていたなぁ。
急に懐かしくなり(母が愛用していたという信頼感も手伝って)買って帰ることに。
その晩、早速封を開けて手に塗りこむと、ちょっぴりくせのある、なんとも懐かしいにおいが漂ってきました。
するとおもむろに幼い頃の冬の光景が思い起こされて、回想が止まらなくなってしまったのです。
古い家の、薄暗くしんと冷えた廊下のにおい。夜中トイレに行くとき緊張したこと。
石油ストーブのにおい。毎朝母は必ず私たちより先に起きて、部屋を暖めてくれていたな。
朝ごはんのお味噌汁のもわもわの湯気。出汁のにおい。ねこまんま(=お味噌汁かけごはん)が大好きだった小学生の私…笑。
車好きだった父からほんのり漂う、ガソリンとたばこのにおい。
妹と霜を踏みつつ学校へ通ったこと。ツンと鼻を刺す冷たい風のにおい。
夜中に出発して家族でスキーに行ったこと。朝焼けの雪道を走る車中で食べたおにぎり、海苔のにおい。カリカリ梅、甘い卵焼き。
ハンドクリームを塗りこむ間に、次から次へと思い出がフラッシュバックして、なんだか胸いっぱいになってしまいました。
暮らしの記憶って愛おしい
嗅覚は記憶に直結している、と昔どこかで読んだ通り、においから引き起こされる記憶は目や耳で触れたものよりそのときの空気感や気持ちが鮮明に思い出される気がします。
どれもなんてことない生活のにおい、暮らしの記憶ですが、愛おしさを感じるもの。
はて、息子はどうだろう?4歳の息子にも、においの記憶は蓄積しているのかな?
どんなことを記憶しようが本人の自由だけれど、気取らなくて愛おしい、暮らしの思い出もたくさん残してあげたいなぁ。
そんなことを考えながら、クンクンと鼻をひくつかせてみる、最近です。
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