【サングラス選び、きほんのき】前編:ぴったりを選ぶキーワードは、透け感・抜け感・横幅。メガネのプロにききました
編集スタッフ 藤波
いよいよ夏本番。日よけ対策として欠かせないアイテムの一つが、サングラスです。
ここ数年で暮らしの中でも身近な存在になりつつあるサングラスですが、その選び方については案外知らないことばかり。
当店スタッフにアンケートをとったところ、自分に合う色や形をどうやって選んだらいいんだろう?と悩む声がたくさん集まりました。
▲右奥から時計回りに、Ciqi 小原さん、編集スタッフ田中、編集スタッフ一瀬、バイヤー郡
身近な存在になってきているからこそ、今年こそ自分にぴったりのサングラスを選んでみたい! 今回はそんな気持ちでサングラス座談会を企画しました。
お招きしたのは、当店でも長年お取り扱いしているアイウェアブランド「Ciqi」デザイナーの小原芳晃(おばら よしあき)さん。プロの目線でいただいたアドバイスをたっぷりご紹介します。
前編では、サングラスを選ぶ際のポイントを教えてもらったあと、サングラス選びのお悩みについて答えていただきました。
本特集に登場するサングラスはこちら
大切なポイントは3つだけ
サングラスのプロにきく、選び方の極意
サングラスはアクセサリー?
まずはイメージを膨らませることが大切◎
小原さん:
「まず、サングラスとメガネの一番の違いって何かというと、サングラスは外でかけるものだから、家の中だとオブジェみたいな存在にもなると思うんです。
使わないときは、玄関のアクセサリーコーナーとかにポンっと置いている人もきっと多いですよね。だからこそ、かけて可愛いだけじゃなく、置いていても可愛いと思えるものを選ぶことが大事。
色合いや金属部分の質感(マット / ツヤ)など、皆さんがお持ちの雑貨だったりアクセサリーとリンクしたものを選ぶと失敗しづらいです」
「それから、直感でも良いのでなんとなく自分の好きな形とか色を把握しておくことも大切です。
たとえば雑誌で夏のファッション特集があったとして、きっと3〜4つくらいはサングラスが出てきますよね。その中だったらこの合わせ方が好きかも?と見ておくくらいでも大丈夫。
美容院に行くときも、ノープランというよりはなんとなく自分のなりたいイメージやスタイルをある程度持っていくことが多いですよね。あれに近い感じです。
たくさんの選択肢の中でゼロから選ぼうと思うと難しいですが、ヒントはすでに自分が持っているんですね。アクセサリーを選ぶような感覚で見ていただくと、選びやすさが変わってくるんじゃないかなと思います」
馴染みやすいサングラス選びのコツは、
「抜け感」と「透け感」
小原さん:
「さあサングラスを選ぼう!となったとき、まず見るのはどこですか? 色や形という方が多いかもしれません。
実は馴染みやすいサングラスを選ぶためにはそれよりも大切なキーワードが2つあって、『透け感』と『抜け感』です。
まず透け感ですが、サングラスは実際に見ている色ではなく肌の色も合わさって完成するんですね。だから通常、見ている色より少しだけ濃くなります。
なので、特にECサイトで選ぶときはモデルさんの着用画像をしっかり見るのがおすすめです。実際かけるとこれくらいの濃さになるのね?と想像しておくことが、『届いてみたら思っていたのと違った』と失敗しないためのポイント。
個人的には、ある程度透け感のあるレンズの方が、普段の自分のイメージとのギャップが少ないと思います」
「次に抜け感ですが、これは主にデザイン面についてのお話になります。
まず一つは、異素材がかけ合わさっていた方が軽やかな印象になるということ。例えば『Ciqi』のライトカラーサングラスは、レンズの縁がプラスチック、ブリッジとつるの部分がメタル。
『atelier bruggle』のサングラスもブリッジ部分だけメタルなので、どちらのサングラスも抜け感があると言えます」
「もう一つは形です。『PIET HEIN EEK × Ciqi』のライトカラーサングラスはレンズの両端にちょっとしたあしらいを施しているのですが、この隙間があるとないとでは全然違ってくるんですね。
ベーシックなスクエアのような形だからこそ、この隙間があることでかけたときに抜け感を生んでくれる。
この透け感と抜け感があった方が、特にサングラスが初めての方はかけたときの抵抗感が少ないと思うので、ぜひ選ぶときの一つの視点にしてもらいたいです」
似合う大きさを見つけるには、
横幅を気にしてみる
小原さん:
「最後に顔に似合う大きさの選び方ですが、実は縦幅よりも横幅が大事になってきます。顔の横幅ちょうどか、少し内側にあるくらいが自然に違和感なくかけられますよ。
これはもちろん好みでよくて、ちょっとかっこいい雰囲気がお好きな方は大きめにかけるのもいいと思います」
「顔幅がぴったりでも少し大きめに感じる場合は、レンズの縦幅が原因かもしれません。
『atelier bruggle』のボストンサングラスは今日のサングラスの中では一番スタンダードな形。ほかと比べて縦幅があるので大きめに感じますが、その分一番紫外線も防いで、サングラスとしての機能を果たしてくれると思います。
ぜひ商品ページのモデルさんやこの会でスタッフさんがかけた感じを見ていただいて、ご自分がかけたらどうかな?とイメージを膨らませてもらえたら嬉しいです」
サングラスのお悩み、あれこれ聞いてみました
Q:サングラスがゆるいとき、どこを調整する?
A:鼻パッドもしくはツルの部分の広がりが原因かもしれません
小原さん:
「サングラスをかけていると、どうしても汗や皮脂で滑りやすくなってしまうもの。
1日の終わりにメガネ拭きでふくと、少しは劣化を遅らせることができると思います。
メガネがゆるいときは、お近くのメガネ屋さんで相談してみるのも一つです」
Q:都度ケースにしまうのが少し億劫です
A:「グラスコード」がおすすめです
小原さん:
「室内と室外を行き来するお出かけの際には、いちいちケースにしまうのが面倒なこともありますよね。
そんな方には『グラスコード』を試してもらいたいです。『Ciqi』でも販売していますし、各メガネ屋さんで色んな種類、色のものがあります。
あえてサングラスと違う色を組み合わせてアクセントとして楽しんでも可愛いです」
Q:メガネユーザーのサングラスの最適解は?
A:個人的なおすすめは、コンタクト+サングラスです
小原さん:
「度入りのサングラスという選択肢もありますが、ファッションとして楽しむ要素があることを考えると、個人的にはコンタクト+サングラスの方が自由度は高いかな、と。
どのようなシーンでかけたいか、ライフスタイルによっても変わってくると思うので、メガネユーザーの方はぜひメガネ屋さんで相談してみることをおすすめします」
***
私自身サングラスユーザーですが、今持っているものは直感で選んだものだけ。教わったポイントで自分に似合うものを探るべく、色んなサングラスを試してみたくなりました。
続く後編では、座談会に登場したスタッフ3名にぴったりのサングラスを実際に小原さんに選んでもらいます。お楽しみに。
【写真】滝沢育絵
もくじ
小原芳晃
アイウェアブランド「Ciqi」デザイナー。
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