【僕のおやつ日記】「手間ひまかけない」ほうがおいしいこともある?最近読んでる料理本。
OYATSUYA SUN 梅澤
こんにちは、OYATSUYA SUNの梅澤です。
最近、気に入ってよく読んでいる料理の本があります。
ひとつは、土井善晴さんの著書『一汁一菜でよい という提案』(グラフィック社)。
もうひとつは、水野仁輔さんの『いちばんおいしい家カレーをつくる』(プレジデント社)です。
どちらも、レシピが載っているのですが、いわゆる一般的なレシピ本ではなく、一つの料理や調理法に対して、「なぜそうするのか」「なぜそう考えるに至ったか」、といった提案や思考プロセスが丁寧に書かれた本です。
こう書くと小難しそうに聞こえますが、全然そんなことはなく。
例えば、土井先生がテレビやツイッターで「これでええですねん」と言ってるのは適当に言ってたわけじゃなかったんだ!というのがよくわかります。
▲具沢山の味噌汁というより、具をなんでも味噌汁に入れてみるというロックなスタイル。かなりかっこいいです。
土井先生は本の中で、家で食べるごはんは、一汁三菜ではなく一汁一菜でいいんじゃないか、という提案をしています。
具沢山の味噌汁とご飯があったらそれでOK。
おかずはわざわざ作らなくていい。
味噌汁も、沸かしたお湯で味噌を溶いて、出汁になりそうな具(煮干しやベーコンなど)や、直接かつお節を入れればそれでいい、と書かれています。
一方、水野さんの本は、カレーのレシピ本なのですが、なんと三種類のカレーの作り方しか載っていません。
なぜこういう順番で調理するのか、この材料にはどんな役目があるのか、ということが各カレーごとにものすごく丁寧に、それでいて押し付けがましくなく書かれています。
載っているレシピのうちのひとつは「ファイナルカレー」と名がついたもの。
このレシピを習得したらそれが最後という、究極のカレーです。
たくさんいろんなものを作れるようになる必要はない、最終的にこれだけでいいんです、というメッセージでしょうか。
ごく普通に、究極のカレーのレシピが載っています。
▲気に入っているカレー皿。イタリア・サタルニアのものです。
どちらの本にも共通して書かれているのは、おいしいものを家で食べるには、ポイントさえ抑えれば技術も手間も必要ないということ。
こうしなければならない、これはやってはいけない、といった常識の枠組みのようなものを静かに優しく壊してくれた本でした。
特に印象的だったのは、「一汁一菜でよい という提案」の中で、労力は必ずしもおいしさにつながるものではない、と書かれていた一文です。
手をかけないことは、愛情をかけないことではないし、手をかけずに素材の良さを生かすようシンプルに料理する方が日常の料理には合っている、と書かれています。
もちろん、人それぞれいろいろな考え方があると思うのですが、僕はこの一連の記述に少し救われたような気持ちになりました。
仕事にも活きるような気がするので、この二冊は折に触れて読み返し、そうだよな、とウンウンうなずいています。
▲土井善晴式ハムエッグ。ハムを先に焼いて、後から卵を焼くだけでびっくりするほどおいしくなります。
ちなみに、カレーは、前半に書かれていた2種類を飛ばして、最初からファイナルカレー作ってしまいました(笑)
でも、とてもおいしかったのでぜひお試しください。
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