【ノルウェー日記】一軒家をシェアするのが当たり前?ノルウェーの物件事情。
ライター 桒原さやか
わたしが今住んでいる家は、一軒家の1階部分。2階には、年配のご夫婦が住んでいます。
「え!家をシェアするの?」と、はじめは驚いたのですが、どうやらトロムソの町ではシェアが当たり前のようなんです。
といってもキッチンやバスルームは別々なのですが、ひとつ屋根の下に住んでいるせいか、ほぼ毎日のように顔を合わせますし、いっしょに住んでいると言った方が近い感覚です。
家をシェアする相手は、いっしょに住む相手も同然?
そんなノルウェーの家さがしは、慣れないことばかりで本当に苦労しました〜。
一軒家をシェアするのが、当たり前?
物件サイトをチェックして、お気に入りの部屋を見つけるところから、家さがしがはじまります。
まず驚いたのは、一軒家の一部をシェアする物件がたくさんあること!高い建物が少ないトロムソでは、マンションよりもシェア物件の方が多いのです。
シェアといっても、キッチンやバスルーム、玄関までもが別々だったり。寝室だけは個人スペースで、キッチンやバスルームは共同スペースだったり。シェアの形はさまざまです。
地元の人に聞いてみたところ、住みたい人が多いのに、物件が少ないこと。自然を守るために、あたらしい家を建てるのが難しいことを教えてくれました。
「家を買うのは高いし、みんな家を探しているから、家をシェアするのはちょうどいいでしょ?」とも。
うーん……たしかに理にかなっているような。家をシェアすることが当たり前なノルウェーの人たちは、オープンで人と人とのキョリがすごく近い感じがします。
シェアに慣れていない、ノルウェー語もしゃべれない私は大丈夫かしら?、と正直心配でもありました。
家さがしは、まるでお見合いみたいでした。
気に入った物件が見つかったら、部屋を見に行って、家主さんと面談をします。そこで両者がOKだったら、成立です!
私たちも3〜4軒ほど足を運んだのですが、面談はいつも緊張しました……。
というのも、人気の物件はたくさん応募があるので、この中から自分たちを選んでもらわないといけない。一軒家で一緒に住むわけだから、家主はもちろん気の合う相手を選びたい。
お互いの相性を探り合う、まるでお見合いみたいな空気感。
「日本から来ました!」「トロムソの町が気に入って、一目惚れして引っ越してきました。」「日本食をいっしょに作るのもいいですね。」なんて言ったりして。
家さがしにも、自分のアピールが必要なんです。見に行った家が決まらなかったときは、けっこうヘコみます。
それでもダメなら、自分の広告を出してみる。
なかなか家が決まらなかった私たちに、友人が広告を出してみたら?とアドバイスをくれました。
家を探しています!という情報とともに、自己紹介をふくめた自分の広告を、物件サイトや新聞に出すのだそうです。けっこう効果があるようで、友人も新聞の広告から家を見つけたと言います。
家をシェアする文化があるこの町では、家さがしは相性が大切!でも、相性を見極めるにも、自分のアピールがないと何もはじまらないんだなあと。
ちょうど新聞に広告を出そうか迷っていたタイミングで、知り合いのご縁もあり家が決まったので、広告は出さずに終わりました。(ここまで来たら、出してみたかった気もするのですが……。)
家が決まって、まずは第一歩!
もっと早く決まると思っていたのに、結局1ヶ月ほど家さがしていました。落ち着かない毎日だったので、今はホッとしています。
はじめは心配だったシェア生活ですが、2階に住むご夫婦ともだいぶ打ち解けてきました。今ではノルウェー語を教えてもらったり。自分たちが焼いたクッキーをおすそ分けしたり。
ノルウェーで知り合いが少ないわたしにとって、何でも話せて、相談できる相手が近くにいることは、何よりこころ強いことだなあと。
冬が長くて寒いこの町で、家のシェアをする相手は、一緒に助け合う仲間のような存在なのかもしれませんね。
ようやく家も決まって、ノルウェー生活第一歩!
ライター 桑原さやか
『北欧、暮らしの道具店』で、お客さま係として6年間働いていた元スタッフ。旅が好きで、冬の旅行で訪れたノルウェーの北極圏にある町、トロムソに一目惚れ。スウェーデン人の夫と共に、2016年6月より移住をはじめている。
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