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【スタッフコラム】40歳上の友だち。いつかの自分が楽しみになった夜

【スタッフコラム】40歳上の友だち。いつかの自分が楽しみになった夜

編集スタッフ 岡本

sakura

友だちと言っていいのか分からないけれど、知り合いという言葉では味気ない人がいます。

両親の古くからの友人で、約35年前に共に働いていた元同僚です。

年齢は、私の40歳上。ここでは「モトさん」と呼ぶことにします。

わたしの父と母は会社で出会って結婚しました。モトさんはそんな二人の出会いから知っている貴重な存在。

とくに父と仲が良く、定番の遊び場はゴルフの練習場です。
お酒が弱いにもかかわらずモトさんの誘いだからと、飲みに出かけることもありました。

そんななか数年前、私が成人したこときっかけに父とモトさんの集いに、母と一緒に参加することになったんです。

父の友だちとなんて、何を話したらいいか。
年齢だって離れすぎているし、共通の話題なんてあるのかな。

4人中3人が家族という、今考えればホームな状態にもかかわらず勝手に不安がっていました。

初めて会った印象は「大きい人」。

父と同じ、60代男性に対するわたしのイメージとは違い、モトさんは、背が高くすらっとしていて、楽しそうによく笑う人でした。

たった3時間程度だったけれど、両親の懐かしい話をたくさん聞いたことでぐっと距離が近づき、勝手に友だちになった気分に。

「また必ず会おう」と約束して別れました。

同年代の友だちと変わらない話題で笑いあう

最近そんなモトさんとまた、家族でご飯をする機会がありました。

相変わらず大きな体を、少し狭そうにしながら父と肩を並べる様子を見て、なぜかホッとします。

モトさんと父は大きな声で笑ったりはしないけれど、目尻を下げてはにかむように笑う様子が微笑ましく、こちらまで顔がほころんでしまいます。

それとは対照的にケラケラと声が転がるように笑う母を見比べて、夫婦って面白いなとしみじみする場面も。

話題は仕事のこと、家族のこと、遊びのことと多岐に渡ります。
中でも昔の恋愛話は、私がいつも友だちと話すような内容と同じで、いつの時代も、いくつになっても、盛り上がることって変わらないのかもと思いました。

他にも嬉しいことがひとつ。

父のことを「雑誌から出てきたみたいにおしゃれだなあ」と、褒めてくれたんです。

ふだんはゴルフウェアばかりの父。
久しぶりにモトさんがいる食事会だからと、一緒にコーディネートを考えてきたのです。

父と娘、目配せをしつつ心の中でガッツポーズ。

雑誌から出てきたというのは少し大げさな気もしますが、この際、からかいや冗談とは思わず素直に喜びました。

40年後まで「今の私」が繋がっているように

ojisan▲左がモトさん、右が父です。帰り道までもなにやら楽しそうに話す二人。

モトさんや両親を見ていると、20代の頃の経験や考え方が脈々と今につながっていると感じました。

なんてことない毎日も、遠い未来から振り返ればキラキラと輝く大切な日々です。

生きていればいやなこともある、全部を放り出したくなる日もある。
そんな気持ちもひとつずつ乗り越えて、ひとつずつ積み重ねた先に、モトさんがしきりに繰り返していた言葉のような瞬間が訪れるのかもしれません。

だから私もゆっくりと、着実に、自分らしく歳を重ねていきたいと思います。
いつか自分の家族や友達とご飯を囲んで、モトさんのように目尻を下げてこう言いたいな。

「こういう時間って、いいねえ。一番の幸せだ」

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