【300円と、一万円】第1話:「値段」と「価値」の関係って?モデル・美代さんが見つけた、モノ選びの基準
編集スタッフ 岡本
買い物中、まっさきにチェックするポイントは…
欲しいものに出会ったとき、私はまず「いくらだろう?」と、タグを探してしまいます。
自分の予想よりもずっと高ければ、そのまま棚に戻す。逆に安ければ手にとって、鏡の前で合わせたり、勢いに乗ってレジまで行ってしまうなんてことも。
そんなとき、私のモノを選ぶ基準が「値段」に大きく左右されていることに気がつきました。
たとえば、靴下。
あまり見えないし、いつか買い換えるからと、とりあえずで選んだ300円の一足を、私は大切にできているだろうか。ときにぞんざいに扱ってしまう自分を思い返しては、心地わるさを感じていました。
とは言っても、一足一万円もするような身の丈に合わない靴下を履いても、自分にしっくりとフィットしている感覚は得られないように思います。
「値段」はモノを選ぶ上で、切っても切れない判断軸。
でもそこにもうひとつ、自分ならではの「モノサシ」をプラスできたら、今感じているモヤモヤを軽くできるかもしれません。
この特集では、人それぞれにちがう「モノ選びの基準」を紐解き、「自分のモノサシ」を見つけるヒントを探ります。お話を伺うのは、当店のファッションページにもご登場いただいている、モデル・美代さんです。
いつも仕事でお会いする美代さんは、布製のトートバッグを軽やかに持っていると思えば、足元は老舗ブランドのレザーブーツを合わせていたり、組み合わせのバランスが絶妙で、自分をよく知っている印象を受けます。
きっとお金のかけ方にも、ルールがあるのではと、ずっと気になっていた存在でした。第1話では、モノ選びの基準や、本当にほしいものとの出会い方について、お届けします。
高いモノと安いモノ。選ぶときの基準はどう変わる?
まずはさっそく、モノと値段の関係について聞いてみました。値段がはるモノとお手頃なモノでは、選ぶときの基準をどう変えているのでしょう。
美代さん:
「私、100円ショップでなにか買うときも、すごく考えるんです。
どうせ安いからと思わず、靴やかばんと同じように自分なりの基準に照らし合わせて、買うかどうか決めています。
たとえば、ポーチは100円ショップのものを使っていますが、安さだけでなく私がイメージしていた通りのデザインや機能性のものだからというのが選んだ一番の理由。
ほかにも、値段以上の理由で買い足しているTシャツもあります。1万円と少し高いけれど、それだけの価値があると思っているので。
自分の部屋に迎え入れるひとつのモノとして考えたら、どんなモノも考え方は一緒ですね」
取材のはじめに「モノ選びで失敗することが少ない」と話していた美代さん。値段に左右されない、ぶれないモノ選びの軸があるからこその言葉だったのだと、納得しました。
では美代さんが大切にしている、“自分なりの基準”とは一体どんなことなのでしょうか。
「値段」以上に頼れる基準は「なりたい自分」?
美代さん:
「とりあえずで選んだモノは、そのうち手にしなくなることが見えているし、自分の好きという軸から外れているモノと暮らすのって、けっこうストレスがたまると思うんです。だから私は、気に入っているもの『だけ』にこだわっています。
でも気に入るかどうかなんて、すぐには分からないものもありますよね。一目惚れもあるだろうけど、一緒に過ごすうちに惹かれていく場合もあるし。
なので私がモノを選ぶとき、ひとつの基準にしているのが『なりたい自分像』なんです」
美代さん:
「私がなりたい人は、どんな服を着て、どんな香りがする女性だろう。どんな歩き方で、どんなしゃべり方をしていて、どんな部屋で暮らしているだろう。
そんなふうに、身につけるアイテムだけでなく、雰囲気も含めてイメージを膨らませています。
思い描いた自分に似合うモノは?これを迎えることで理想に一歩近づける?という視点で一度考えてみる。
そうすると、本当に求めているモノが見えてくる気がします」
この日、無地のワンピースにタートルネックというシンプルなスタイルでいらっしゃった美代さん。
すっきりとしたコーディネートでありながら、サイズやシルエットがぴったりと合っていて、心から気に入っている服に身を包んでいることが、軽やかな笑顔から伝わってきました。
美代さん:
「もし思い通りのモノと出会えたら、『今の自分が本当に使うかどうか』という点についても、自問自答するんです。
ハイブランドにイメージ通りのモノがあったとしても、今の自分には手が届かなかったり、見合わなかったり。
それじゃあ意味がないので、理想の自分と今の自分のバランスがうまくとれるモノを選びたいと思っています」
欲しいものは、探さない?美代さん流・モノとの出会い方
なりたい自分と、今の自分。そのふたつの視点をシビアに見極めるほかにも、美代さんならではのモノとの付き合い方がありました。
美代さん:
「日用品とか、どうしても必要なモノ以外は、ほしいものがはっきりしていても探さないんです。かなり具体的にイメージするから、探したとしても見つかることの方が少なくって。
たまたま出会えるととびきり嬉しいし、これは運命だなと思って、長く使いたい気持ちも高まります。
こうすると買うまでに人よりも時間がかかるうえに、なかには結局手にできていないモノもあるんですけど。
でもそれってようするに、納得して買えるモノではなかったってことだから。手元になくても納得できるんです」
値段に関わらず同じステップでモノと向き合い、なりたい自分像をとことん諦めない。そんな一貫した美代さんのスタイルに、ただただ驚くばかりでした。
意外と衝動買いしたものが役立ったり、買う行動自体がストレス発散に繋がるのも事実。
価値観はいろいろだけれど、モノ選びの自分基準を定めること、そしてその基準としっかり向き合うことは、ポジティブな変化を生んでくれるのかもしれません。
第2話からは、美代さんの私物からHigh・Lowアイテムをご紹介します。
「なりたい自分像」に重ねたとき、これは選び取るべきかどうか?美代さんの基準で選んだ、お気に入りのHighアイテムをお楽しみに。
(つづく)
【写真】鈴木静華
もくじ
モデル 美代
神奈川県出身。27歳からモデルを始める。さまざまな雑誌やCMなどで活躍中。当店のファッションモデルとしても登場している。アロマインストラクターやベビーシッター認定などの資格を持つ一面も。
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