【スタッフコラム】大人になると「大丈夫」が増えていく
編集スタッフ 岡本
▲桜を見に幸手市権現堂へ。菜の花とのコラボがずっと見たかったので、記憶に残る春になりました。
物心ついたときから「大丈夫?」と聞かれたら、反射的に「大丈夫です」と答えてしまう自分がいます。
いつもと違う私の様子を察知して声をかけてくれた人に、ちょっと強気に返してしまうというか。
「大丈夫じゃないと思われている、まずい!」という気持ちが先行して、とっさに隠そうとする、なんともかわいくない性格だと思います。
新卒として就職したての頃、プレッシャーと初めての一人暮らしの不安が相まって、研修中に40℃の発熱。(完全な知恵熱です)
「休んだら?」という同期の呼びかけに「大丈夫大丈夫」と答えて、2日間ほど徹夜して発表の準備をしていると、案の定研修を終えた瞬間にバタンと倒れてしまいました。
転職と結婚をしたときは、慣れない仕事とスムーズな夕食作りが上手くできずモヤモヤ期に突入。
そんな様子を見かねた夫からの「たまには外食しよう」という提案をはねのけてむりくり作っていると、失敗はするは疲れるはでしまいには涙が溢れてきました。
学生時代にもそんな思い出がいくつかあり、長年の友人たちが私を表現するときは、必ず「頑固」という表現が使われます。
こうして書いてみるとよく分かるのですが、「大丈夫です」と言ったその場はやり過ごせても、最終的には乗り越えきれていないんですよね。
倒れたり、涙したり、いらいらをぶつけてしまったり、結局自分も周りに対しても健やかではありませんでした。
でも最近、「大丈夫」な範囲がぐーんと広がったような気がするのです。
「できない自分」を受け入れたら
まだ経験したことのない新しい仕事、スケジュール通りにいかないこと、へとへとな帰宅後の夕飯作り、人混みへのお出かけ。
それまではちょっと無理して「大丈夫」と答えていたことが、本当に大丈夫になってきました。
単純に、慣れたのかもしれません。
この春で社会人7年目、転職して3年目に入りました。卒業、入社、引越しなど、変化が続いていたここ何年かに比べると、腰を据えて過ごす日々が積み重なってきました。
ただそれだけかもしれないけれど、もうひとつ。「大丈夫」の範囲が広がった理由があります。
それは「できない自分」も認められるようになったから。
先回りして自分の力量を決めてしまうとできることが限られてしまう気がしていたけれど、そうではないかもしれません。
▲桜の花びらがキラキラと光に透けて、とっても綺麗でした。
クラシコムに転職してから、今まで経験したことのない仕事にたくさん出会いました。
マニュアルがある業務だけでなく、まっさらな状態から作り上げる新しい取り組みもあり、入社してたった2年間とは思えないほどの濃密さです。
もがいたり足踏みしたりの時期を経て……。いつのまにか、未来の自分を具体的にイメージすることが、仕事をする上で私の軸になっていきました。
1週間、1ヶ月先の私がどう過ごしているか、今いる場所から地続きになっているちょっと先の自分を想像する。
やるべきことを可能な限り詰め込んだけれど、どうしても今の自分からはこぼれてしまうことを、「できない」と認める。その繰り返しです。
そうすると「できる」「できない」の判断と、実際の自分との差がだんだん近くなってきました。
イメージと本当の自分の乖離がないと思えると余裕が生まれて、「なんかまだできるかも」というポジティブさが心の端っこにいつもいてくれるんです。
かんたんに言うと綿密なスケジュール管理なのですが、もう少し掘り下げて、自分を俯瞰して見るおまけがしっくりきているようです。
はじめは仕事のために身についた考え方だったけれど、今となっては家事や趣味、人付き合いなどいろいろな場面に影響が。それに「できない」と伝えても周りの人は受け止めてくれる、そのおおらかさにも気付かされました。
▲一度できないと判断しても「こうしたらできそう」と、物事を柔軟に捉えられる人になりたい。桜の道を見ながら、またちょっと先の未来に思いを馳せました。
想像通りにいく毎日なんてそう続かないかもしれない。
仕事や家族が変われば、通用しない考え方かもしれない。
そうなったときは、また別の解決方法が見つかるから「きっと大丈夫!」と言い聞かせて、心の隅っこに追いやられたポジティブさを呼び起こそうと思います。
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