【ケの日のこと】何度飽きたと言われようとも、めざせ「おふくろの味」!

「家族と一年誌『家族』」編集長 中村暁野


第12話:おふくろの味


 

お菓子作りがすきです。娘が物心ついた頃から、朝食やおやつにスコーンやマフィン、パウンドケーキを、毎日のように焼いてきました。

というと、なんだか随分家庭的な人のようですが、そんなことは全くなく、朝のバタバタした時でもちゃちゃっと混ぜてオーブンにいれるだけの粉ものは、わたしにとって野菜を刻んだりお米をといだりするよりずっと楽チンに感じられるのです。

毎日のことなので材料だけは切らさないようにしています。
・粉(薄力粉か強力粉。時々米粉も)
・砂糖(きび糖とてんさい糖を常備)
・ベーキングパウダー(いちおうノンアルミニウムのもの)
・油(料理もお菓子も菜種油ばかり)
・水分(主に豆乳や牛乳。たまにココナッツミルクや水を使う時も)
あとはその時々、冷蔵庫にあった茹で野菜を混ぜてみたり、ナッツ類やココア、ヨーグルトをいれてみたり、いろいろです。

邪道だとは思いつつ、材料はいつも計りも使わず目分量。マフィンだったら水分多め、スコーンだったらべとつかないくらい油と水分は少なめで、ボールひとつでつくっています。お店で売っているような特別なお菓子とは随分ちがうのですが、家で食べるのには十分な「ケの日」らしい美味しさはあるだろうというのが、わたしのささやかな自負でした。

しかし、それを打ち砕く娘の一言はある日突然放たれたのです。

「ママのお菓子、飽きた。」

がーん……。母のモチベーションを地に落とす一言です。とはいえ、娘ももう7歳。親から出されるものを嬉々として受け取る時代は終えたのだなあと、成長を感じた日でもありました。

でも、どんなに飽きたと言われようともわたしはめげません。思えば昔、母が用意してくれる毎日の料理に「なんて美味しいんだろう、ありがとう!」なんて言ったことがあったでしょうか。

実家の朝食といえばホームベーカリーで焼いたパンに手作りジャムやチーズ、それにサラダとスープというのが定番でした。母の用意してくれるそんな料理に感謝もなく、泊まりに行った友人宅で出してもらう、ご飯に味噌汁、目玉焼きにケチャップという朝食をウマイウマイと食べていたかつてのわたし。大人になったからこそ、今でも変わらない母の食卓にほっとして、ありがたさを感じられるようになったのかもしれません。

というわけで、わが娘にも、飽きてもらっておおいにけっこう。そう言われようとも明日もわたしはお菓子を焼きます。飽き飽きした味こそが、いつか娘にとっての「おふくろの味」になる日がきっとくるのです(と、信じたい)。

 

【写真】馬場わかな(1枚目)、中村暁野(2枚目)

中村暁野(なかむら あきの)

家族と一年誌『家族』編集長。Popoyansのnon名義で音楽活動も行う。7歳の長女、1歳の長男を育てる二児の母。現在は『家族』2号の取材を進めている。2017年3月に一家で神奈川県と山梨県の山間の町へ移住した。http://kazoku-magazine.com

 


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