【店長コラム】子どもの宿題につきあう夏休み。勉強って何がキッカケで楽しくなるんだっけ?
店長 佐藤
子どもの夏休みの宿題に付き合いながら「おっと、こんなことも分かってなかったのか」なんてついイライラしてしまう自分と対峙する夏休み後半戦を過ごしています。
子どもの学力面の教育。
まさにこれこそ、本当にひとりひとりの人、家庭によって様々な価値観や選択肢がある分野だと思います。
わたしはと言うと、真剣に考えて具体的な手を打っているタイプではない自覚があるのですが、さすがにそんなわたしでも時おり焦ったりすることがありまして……。
自分が子ども時代だった頃のことを思い出してみたり、時にどうしても周りの家庭の様子が気になってしまったりしながら「もっと関与してあげたほうがいいのかな?」と考え込むことも多い夏休みだったように思います。
なにせ「子どもの宿題 イライラする」で検索かけちゃうくらい追い詰められた瞬間ありましたからね(笑)
わたしは何がキッカケで勉強が楽しくなったんだっけ?
わたしは勉強がとても嫌いな子どもでした。
小学生時代は学習内容にはそれなりについていけていましたし、宿題なんかもきっちり計画的にやるタイプだったのですが、勉強を面白いと思えたことがありませんでした。
それが如実に表に出てきたのが中学生になってから。
「分からない」となる教科が出てきたのですが、それをカバーするための予習復習をする気が起きず、友達付き合いや恋愛にエネルギーを割くようになりました。
そうなると、「分からない」ことはそのまま置いてきぼりになるので、勉強に対してはどんどん苦手意識が増していくという悪循環。
中学生だった頃の自分は、「勉強はできないけど学校はめちゃくちゃ楽しいからいいや」「苦手な教科も赤点じゃないからぎりぎりオッケー」という完全にナゾの論理で生きていた気がします(笑)
そんなわたしに、小さな転機が訪れたのは、高校に入学してからです。
古典と数学の先生のファッションに目が釘付け!
所謂、学校というものに入ってから「勉強って楽しい!」と初めて思えたのは、わたしの場合は高校に入ったあとのことでした。
そのキッカケになったのは、ある先生たちとの出会いです。
当時、40代後半だった古典の先生、そして50代半ばだった数学の先生。お二人とも女性です。
わたしは私立の女子校に通ったのですが、高校に入学してからも引き続き、やはり授業の内容になかなか興味が持てない日々が続いていました。
でも、ある日、ふと古典の先生と数学の先生がいつも小綺麗で、当時流行していたトラッドスタイルと言いますか、自分に似合うおしゃれをされているなぁということに目がいくようになったんですね。
襟の詰まったクレリックシャツ。
チェックのプリーツスカート。
革のローファー。
ぴしっと糊のきいたストライプのシャツに、白いパンツ。
歳を重ねてもなおいつも身綺麗にしている先生たちに、「先生」であるという以前に「人生の先をゆく一人の女性」として興味が湧くようになっていきました。
授業で、黒板の前にその先生たちが立つたびに、今日はどんな格好?とまず目を皿のようにして頭の先から足元までをジロジロと観察。
そんなことをしているうちに、先生たちがしてくれる話がとても面白く、興味深く聴こえてくるようになりました。
それまではちんぷんかんぷんだった古典の世界に心底興味が湧くようになり、興味が湧いたから自然と理解できるようになり、ある中間テストのときに古典のテストでクラスで一位をとってその先生に褒められたとき、身体の深部から湧き上がる嬉しさがあったのを思い出します。
中学生の頃から大の苦手だった数学も同じような道をたどって、いつしか楽しい勉強に変わっていきました。
「興味」と「理解」の関係性
こうして簡単にですが高校時代に体験したプロセスを振り返ってみると、わたしの場合はまず「視覚」からの情報が大きかった。
今もはっきりと鮮明に思い出せるのは、目で見たこと。その頃先生たちが着ていた洋服のことなのです。しかも学生のわたしから見てもなんて言うと生意気かもしれませんが、無理がなく本当に似合っていて素敵だった!
その情報が入り口となって、まず勉強の内容というより、その先生たち自身に興味が湧き、その先に「話が聴けるようになる」という過程が待っていました。
真に興味を持って話を聴けるようになったから、理解できるようになったのだとも思います。
この出会いがあったのとなかったのとでは、その後の人生もきっとずいぶん変わっていたのではないかとさえ思うことも。
自分の体験を振り返ってみても、人って何が「キッカケ」になってどう変わるかなんて、本当に分からない。謎に包まれているなぁと。
いま小学2年生の息子についても、わたしがどんなに奮闘しようとも、きっと彼の「タイミング」でなんらかのスイッチが入るときが来るのだろうと思います。
そして、ひとりの親としても、ひとりの人としても、「この人の話は聴きたい」と思ってもらえる人になれるように。
どんな印象を自分が周囲に与えているかを含めて、改めて襟を正すような気持ちになったりもしたのでした。
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