【ケの日のこと】ほしがるモノか、あげたいモノか。娘と母のプレゼント攻防
第28話:娘と母のプレゼント
秋の終わり頃から、娘の頭の中はあることでいっぱいでした。それは、クリスマスのプレゼント。
寝る間際布団に入っては「ママは何がいいと思う?」朝起きては開口一番「やっぱり、あれにしようかな〜」と、寝ても覚めてもとはこのこと!という状態です。あまりにこの話題が続くので母は食傷気味。「早く決めないとサンタさんも用意できないと思うよ」と伝えたところ「わかった!じゃあサンタさんに貰うものを決めて、パパからとママからと、パパのじいじとばあば、ママのじいじとばあばにお願いするものを考える!」と、サンタさんだけではなく両親、さらには両家祖父母にまでもらう気満々。ちゃっかりしているというかなんというか……。
思い返せば娘とは、おもちゃを巡って長年攻防を繰り広げてきました。多少値は張ったとしても、大人になってからも持ち続けられるようなおもちゃに触れてほしい。そう思ったわたしは、誕生日やクリスマスのプレゼントを選ぶ時も「ママはこれがいいと思うな」「それよりこっちにしたら」と娘を誘導しようとしてきました。しかし、今からおよそ5年前。当時3歳だった娘はきっぱりと言ったのです。
「あのね、ママは木のおもちゃとかが好きかもしれないけど、わたしはちがうの。わたしはピンクとかキラキラした可愛いやつが好きなの」
親のエゴを吹き飛ばすような、娘の一言。衝撃を受け、振り返ればわたしもそんなおもちゃをサンタさんに貰ったもんな、そりゃあそうだ……と納得したわたし。その年のクリスマス、娘は念願のピンクでキラキラの、変身ヒロインアニメのキャラクターグッズをサンタさんに貰ったのでした。
それ以来思う存分、好きなものをリクエストしている娘は、今年もしゃべる人形をリクエスト……。止めはしません。ですが、娘の気持ちは尊重しつつも、わたしの物差しを伝えるのを諦めたわけでもありません。
わたしからのクリスマスプレゼントは、友人のカバン作家さんにオーダーしたオリジナルリュック。今はピンクのきらきらに敵わなくとも、やっぱり、幼い時代を通りすぎ大人になった時、娘にそっと寄り添ってくれるようなものを贈り続けたいなあと思うのです。
【写真】中村暁野
中村暁野(なかむら あきの)
家族と一年誌『家族』編集長。Popoyansのnon名義で音楽活動も行う。8歳の長女、1歳の長男を育てる二児の母。2017年3月に一家で神奈川県と山梨県の山間の町へ移住した。制作中だった『家族』2号も、年明け(1/14)の発売が決定した。http://kazoku-magazine.com
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