【スタッフコラム】ゆっくりゆっくり、漕いで行く
編集スタッフ 齋藤
娘が転園先の保育園へ通い始めて、3ヶ月が経ちました。
慣れ親しんだ園を離れ通いはじめた当初は、自宅玄関で靴を履くあたりから顔がスーン……保育園に着いて自転車から降りても、しばらくじっとして涙ぐむ日が続きました。
「朝緊張しちゃうんだ」「するよね〜。お母さんもそういうときあったな〜うんうん」と会話をした日も、夕方迎えに行くと元気な顔になっているので、とにかく朝の心の準備が大変なのだなあと感じていました。
そんな調子が続いた5月のある日、自転車で違う道を通ってみることに。
分かりやすい通りへ出る道ではなく、畑の横を通り、いくつか角を曲がって少しだけ遠回りをする道を通ってみよう。そして(ゆっくり行きたいという娘の提案もあり)電動自転車だけれども、漕ぐスピードをおさえてのんびりのんびり行くことにしました。
さらに、娘の緊張が和らぐことを願いつつ、ペダルを漕ぎながらいろんな話をします。
好きな遊びのこと、好きな色のこと、アニメで好きな女の子のこと。景色もよく見え、お花のこと、横切った公園、聞こえる鳥の鳴き声のことなど。
これが、私自身にとっても居心地のいい時間に変化していきました。
娘も、のんびり向かうことで準備が整うのか、表情や声色が変わるように。今思うと、初めのころは娘の緊張が自分にも伝染して、話す余裕もなくなっていたのかもしれません。
そうして5月も後半に差し掛かったころ、朝の別れ際も自然に足を踏み出すようになり、すっかり大丈夫に。
初めての場所に対峙して、気持ちを整えて行く様子を毎日ハラハラと見守った2ヶ月。時にああ……とモヤモヤしたり、焦ったりしながらも、自分のペースで掴んで行く様子に励まされたように思います。
それに、ゆっくりと漕ぐ朝の自転車は、どんな天気であっても、なかなか気持ちがいい。毎日横目で、野菜の成長を観察できる登園コースは、おそらく2人共通のお気に入りになったのではと確信しています。
・・・
先日キャンプ用のテーブルを出し、ベランダでずいぶん久しぶりに晩ごはんを食べました。
そこで、リビングでオブジェ化していたキャンドルもつけてみることに。家では子どもが小さいうちは控えようと思っていたので、つけたのはかれこれ5年振りくらいでしょうか。
いい香りが漂って、雰囲気もぽわんと柔らかに。そっか、いつのまにかキャンドルをともせるようになったんだなあと、自分の心の中にもポンと明かりがともったのでした。
朝の自転車は、スローペースが気持ち良くていまだ変わらず。保育園にはすっかり慣れたようだけど、せっかくなのでこの時間をとことん楽しみたいと思っています。
▲ベランダ夕食が楽しくて、翌朝日曜日の朝食もここに。いい時季の恒例にしたいです
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