【あの人ならどう着る?】きれいな『色』を、手持ちの服に迎えたら。葉田いづみさんの私服コーディネート
編集スタッフ 石川
ハッとする色を、コーディネートに取り入れてみたい。そんな想いから生まれた、当店オリジナルの「きれい色ニット」。
昨年ご好評いただいたカラー「ミント」に加え、新たに「ブルーグリーン」「コーラルピンク」の2色が仲間入りして、今年も発売となりました。
きれいな色が主役の服を、自分らしく楽しみたい。そこで今回は特別コンテンツとして、私たちも憧れる「素敵な大人」のグラフィックデザイナー 葉田いづみさんの元を訪れました。
葉田さんのワードローブはベーシックな服が中心。けれどその一つひとつにデザインへのこだわりがさりげなく感じとれ、凛とした空気が素敵です。そんな葉田さんがきれい色ニットを手持ちの服に迎えるなら。コーディネートと着こなしをご紹介します。
どれも優しい色味だから、ワードローブに自然となじんでくれました
葉田さん:
「どれも肌なじみの良い色ですね。色味が鮮やかすぎないので、どの手持ちの服とも合わせやすそうです。
まずコーディネートが真っ先に思い浮かんだのが、ミント。淡い色合いなので、私の好きなホワイトやグレーのボトムスにもなじみやすそうなところが、とても気に入りました。オンの日もオフの日も、繰り返し着たくなりそうです」
葉田さん:
「ブルーグリーンは3色の中では暗めの色ですが、手に取ってみると程よく上品な華があって。秋冬の装いはつい重くなりがちですが、これならブラックやネイビーの代わりにも使えそうです。
コーラルピンクもすごくいい色味。私はマニッシュな装いが多いので、ピンクというと普段は『自分には合わないかも』とためらうこともありますが、これは落ち着いた色合いだから手に取りやすかったですね」
ピンクを着るなら、マニッシュに。
ワークパンツでメリハリコーデ
葉田さん:
「このコーラルピンクは、普段使いしやすそうな色味ですね。顔まわりがパッと明るく見えそうなのがいいなと思いました。オンラインの打ち合わせがあるときなんかにも使えそうなカラーです。
少しマニッシュなパンツと合わせるとコーディネートにメリハリが生まれて、ピンクも甘すぎることなく着られそうだなと思い、お気に入りのワークパンツに合わせてみました。
このパンツは動きやすくて形も綺麗なので、自宅にいる日も外に出かけるときにも、季節を問わず本当によくはいているんです」
葉田さん:
「私は首元に少し高さのある服が好みで、真夏でもハイネックを着ているほど。
このニットの下にも、薄手のコットンのタートルネックを着てみました。首元が詰まりすぎず開きすぎずな作りのニットだからこそ、重ね着をしても首元のバランスがとりやすいのがいいですね」
淡いミントは“くったりパンツ”で
リラックスした着こなしに
葉田さん:
「ミントはベーシックなボトムスと合わせても素敵だったのですが、花柄のくったりとしたパンツと合わせたらかわいいだろうなと思い、家でゆっくり過ごす日のコーディネートに取り入れてみました。
このパンツ、実は手作りなんです。花柄のボトムスを2〜3年前からずっと探していたのですが、なかなか『これ』というものに出合えず、自分で生地を買ってきて作ってしまいました。
リバティ柄の生地なのですが、グレー地の落ち着いた色づかいが他にあまりなく、気に入っていて。この夏もよくはきましたが、下に厚手の靴下やレギンスをはけばまだまだ着られそうです」
葉田さん:
「このニットは生地がやわらかく体によくなじむ上、ゆったりした着心地だからおやすみの日にも着やすいですね。
背中のボタンがあることで脱ぎ着もしやすいから、リラックスしたいときにも手に取りやすい理由のひとつになっていると思います」
▲ふんわりしたバルーン型の袖口もお気に入りポイント、と語ってくださいました。
シックなブルーグリーンは、
モノトーンコーデの差し色として。
葉田さん:
「ブルーグリーンは、友人と会うときや映画を見に行くときなどに着てみたいです。
この色味は、ネイビーに近い感覚でコーディネートを考えられそうだったので、昨年までネイビーのニットとよく合わせていたチェック柄のウールスカートを選んでみました。
いつものコーディネートでも、きれいなブルーグリーンを合わせるだけでパッと華やかになって。ニットの色が変わるだけで、こんなにも気分が変わるんですね。
コートとブーツはグレーで合わせてみました。ブルーグリーンは少しシックな雰囲気もあるので、モノトーンとも相性が良いですね。色味が重くなりがちな冬のコートの下に着ても、ちゃんと映えてくれました」
葉田さん:
「私は152cmと背が低めなので、きちんとした着こなしにしたいときは、裾をボトムスにインしてバランスを取るようにしています。
このニットは生地が分厚すぎないので、裾をインしてもモコモコとしないのがうれしかったです」
きれいな色の服は、「新しいおしゃれ」を見つけるきっかけ
葉田さん:
「今回のニットは、3色とも私の手持ちのトップスにはない色味でしたが、自然とどれもチャレンジしたくなりました。
というのも、若い頃から自分の中におしゃれの『周期』があって。定番カラーのアイテムを選びがちな時期が長く続くと、自分のワードローブに少しマンネリを感じてしまうのか、だんだんと色を取り入れたくなる時期がやってくるんです。
特にここ2~3年ほどは、きれいな色が主役の服を手に取ることがぐんと増えました。最近では、淡いピンクのパンツや、ひよこみたいな優しいイエローのウールのカーディガンを買ったんですよ」
▲奥に見えているのが、古着屋で新しく迎えたというピンクのパンツ。
葉田さん:
「面白いのが、思い切ってまずは一つ、色のきれいな服を取り入れてみると、それに合わせてみたい他の色が次々に目に入るようになること。
だから、色が主役のアイテムを買うという行為は、私にとって新しいおしゃれを見つけるきっかけになってくれているんだと思います」
▲コーデのワンポイントによく身につけるというスカーフ。右は古着屋で手に入れたもの、左はお母様から譲られたものなのだそう。
ベーシックだけど、ちょっぴりユニーク。
そんなアイテムとの出合いが、楽しくて
葉田さん:
「自分のおしゃれにルールがあるとすれば、ベーシックな色や形の服でも、ディティールがほんのちょっとだけユニークなものを選ぶことでしょうか。
小物やアクセサリーも、決して派手ではないけれど、少しだけデザインにこだわりが感じられるアイテムに惹かれます。
なかでもよく使うのは、ミュンヘンのデザイナーが手がけた薄いレースのスカーフ。首にまくと肌の色になじむので存在感がさりげないのがうれしくて。シルバーのプレートが付いているので、ネックレスがわりにもなり、本当に重宝していますね」
▲ミュンヘンのSaskia Diez(サスキア・ディーツ)というデザイナーのスカーフとのこと。
葉田さん:
「このスカーフのように、手持ちの服に加えると新鮮な気分になれるアイテムは常に探していますし、そういうものに出合えたときは『やっぱりおしゃれって楽しい』と感じます。
このきれい色ニットも、私にとってそんなアイテムの一つになってくれそうです」
今日も、とりあえずいつもの服を着ればいいか。そうやっておしゃれを後回しにする日々が続くうち、いつの間にか、自分がいま本当に何を着たいのか迷子になってしまっていたような気がします。
でも、しなやかな感性でコーディネートを楽しんでいる葉田さんのお話を聞くうちに、おしゃれへのワクワクが私の中にもふつふつと甦ってきました。
葉田さんのコーディネートは、どれもベーシックな手持ちの服を組み合わせたもの。そう思うと、自分の手持ちの服にもこのニットは無理なく取り入れられそうです。
いつもの服を着るのも心地いい。けれどその中にふっと、手に取ったことのない色を取り入れてみたら、毎日がちょっとだけキラキラとした鮮やかなものに見えてくるかもしれない。
きっとそれこそが、きれいな色の服の醍醐味なんだと思います。
今年のきれい色ニットは、どんなワードローブにも迎えやすいよう考えて選んだ、柔らかな3色。ぜひみなさんのお気に入りの一着を見つけてみてくださいね。
昨年は渡辺靖子さんに着用いただきました
昨年は、渡辺靖子さんが「きれい色ニット」を手持ちのお洋服とコーディネート。
ぜひ合わせてご覧いただき、お買い物の参考にしていただければ嬉しいです。
【写真】上原未嗣
葉田いづみ
グラフィックデザイナー。2つのデザイン事務所勤務を経て、2005年に独立。主に書籍のデザインを手がける。2020年、写真家・松元絵里子、イラストレーター・よしいちひろ、編集者・高原たま(ネムリコーヒー)との4人を中心としたディレクションユニット「WITCHI TAI TO」を立ち上げ、作品集を刊行。instagram→@izumi_nsmt / ユニット @witchi_tai_to
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