【ふわりと軽い、万能な羽織り】ライトアウターであり、カーディガンであり、ジャケット。スタッフ2名による、ほぼ1週間の着まわしコーデ
【あの人ならどう着る?】手持ちの服に『色』をプラスするなら。渡辺靖子さんの私服コーディネート
編集スタッフ 田中
ハッとするきれいな色を、コーディネートに取り入れてみたい。当店オリジナルのきれい色ニットは、そんなおしゃれを一緒に楽しめたらと思いを込めて作りました。
今回は特別コンテンツとして、私たちの憧れる「素敵な大人」の渡辺靖子さんを訪ね、当店のニットと手持ちの服をどう合わせるのか伺いました。
渡辺さんはイギリスに住んでいた30代の頃、マーガレット・ハウエルの工房でデザイナーアシスタントとして勤めていたこともあるそう。その装いは一見シンプルで定番アイテムが多い印象ですが、素材の違いやシルエットへの細かい気配りで、すてきな着こなしです。
この特集では、そんな渡辺さんがチャレンジしてくださったきれい色ニットのコーディネートをご紹介します。
※こちらの記事は2020年の内容です。今年はロイヤルブルーの販売はございません。
クローゼットをじっくり見渡してから、この2色に決めました
渡辺さん:
「私が今回着たのは、ロイヤルブルーとミントです。
ニットの色を選ぶために改めてクローゼットを見渡したら、大半がモノトーンやベージュ、ネイビー、ブラウン……と定番ばかり。最初は悩みましたが、自分が持っている服をじっくり観察したら答えが出ました。
ロイヤルブルーは、元気なイメージで『私に着られる?』と心配でしたが、大好きなネイビーをやや明るくした色だと思ったら安心できました。ミントは、グレーがかった落ち着いた色。鮮やかすぎないから、どんな色ともなじみやすいのではないかと。
私の好みであるベーシックな色と同じようにコーディネートできそうだと思ったのでこの2色に決めました」
やさしい印象で統一
ミントが映える白ワイドボトムス
渡辺さん:
「やさしく落ち着いた印象はそのまま、ミントを引き立たせるのが白いボトムスだと思って合わせたら、上下で爽やかな空気感が出ますね。
ニットにふんわりしたボリューム感があるので、それに合わせてワイドな形のボトムスにしました。
そうそう、冬はこの白いボトムスが便利でよく使います。黒やグレーのコートの重たさを軽くできるので」
渡辺さん:
「私は153cmと小柄だから、パンツの裾直しはいつものことだけれど、トップスは自分で直すのも難しくてサイズ選びは重要。
このニットは私には大きめですが、生地がふんわりしていて、その人の体にトロンとなじむ。これがカットソーのビックサイズだと、私には若すぎるかな?と感じるけれど、素材がニットなら自然に見える。
だから裾にリブがないのもうれしいです。ウエストの位置もちょっとごまかせて(笑)。袖はちょっと長いので、内側に折ると柄もちゃんと見えていいなと思います」
淡いミントに合わせて
明るいベージュのコートと
渡辺さん:
「もう少し冬に近づいたらコートも合わせたいですね。全体の色をやさしいトーンにしたくて、ベージュのコートを羽織ってみました。このミント、どんな色とも相性がいいです。
小物は分量の多い色に合わせると、一部が目立ちすぎないので、靴とバッグはコートに合わせて同系色のブラウンへ変えました」
同系色のネイビーで挟んで、
シックにみせるロイヤルブルー
※今年はロイヤルブルーの販売はございません。
渡辺さん:
「元気な印象のあるブルーも、濃いネイビーのストールとボトムスの同系色で挟むと、シックにまとまります。
足元は白いレザースニーカーで軽やかにしました」
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おしゃれが楽しい瞬間って
「これ!」という組み合わせを見つけたとき
渡辺さん:
「今回、クローゼットを眺めて何故こんなに似たような色や形のものが多いの?となりながら、若い頃のことを思い出していました。
当時憧れていたのは『気負わず、飾らないで、物事には自分自身のまま対処していける大人』。見かけで守ったり、飾ったりせず、自分自身の素のままでも大丈夫!と思える強さを持ちたかったようです。
それを服に置き換えると、色や柄の少ない、無地のプレーンな状態がいいと思うようになったのかもしれません」
▲柄物は身につけるのではなく、小物で取り入れるのが自分に合うと渡辺さん。
渡辺さん:
「もう一つ大切だと思っているのは、普段着は自分が落ち着いていられるコーディネートであること。華やかな場面なら話は別だけど、仕事だったり誰かと会ったりする時にはソワソワしない、平常心でいられるようにしたくて。
だから、新しい服を目の前にしても、落ち着ける組み合わせをあれこれ探すんです。『これは手持ちの服と合う』『あの色はこう組み合わせれば大丈夫』など、自分にしっくりくる組み合わせが見つかれば、自信をもって歩ける。
手持ちの服をベースに、新しい服にも挑戦したい。そんな心持ちで、きれい色ニットと私服の組み合わせを考えました」
どの色を選ぶか、どう着るかは普段着のなかに答えがある。渡辺さんのお話をお聞きして、鮮やかな色の洋服を前に不安だった気持ちがワクワクへと変わってきました。
当店のきれい色ニットは3色、それぞれあえて方向性の違う色だからこそ、みなさんのワードローブに合う一着が見つかるのでないかと思います。
あなたなら、どの『色』を選びますか?
以前にご登場いただいた特集
【センスのいい人】第1話:服はたくさんなくていい、大人の普段着おしゃれ
【写真】上原未嗣
渡辺靖子
アパレルの業務に就いていたが、30代で夫と共に渡英。その後マーガレット・ハウエルの事務所にてデザイナーアシスタントして働く。帰国後は2017年末まで東京・神宮前のイギリス家庭料理風のお店 「SW11kitchen」 を営んでいたが、現在は閉店。時折飲食のワークショップなどを開催している。
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