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【クラシコムのしごと】正解がわからなくても、手を挙げてみる。商品ページの撮影に密着しました
編集スタッフ 吉野
北欧、暮らしの道具店で働くスタッフの様子をお届けしている不定期連載「クラシコムのしごと」。
今回は、商品ページ作りの撮影現場に密着しました。
当店の商品ページを作成しているのは、ストア編集グループ。ページの構成を考えるところから、スタイリングをして撮影、写真のレタッチ、テキストの執筆まで全てを担当しています。
その中でも「商品撮影」については、案件によって「プロの外部スタッフと協業して取り組むもの」と「クラシコムスタッフが撮影するもの」があるとのこと。
▲ストア編集グループの青木
そこで今回は、それぞれの撮影現場をのぞいてみることに。登場するのはストア編集グループのスタッフ、栗村と青木です。
まず足を運んだのは「Tシャツブラウス*」の商品ページを担当した、栗村の撮影現場。
撮影開始30分前にスタジオに到着すると、ポットにほうじ茶を用意する栗村の姿が。「今日は寒いので、あったかいお茶を準備しておきます」
*ブラウスは大変ご好評いただき、完売しております。
開発の動機、ポイントをもとにじっくり相談
栗村:
「担当する商品が決まったら、まずは社内で、商品について共有する時間があります。
今回は、当店のオリジナル商品『Tシャツブラウス』。PBグループ*のスタッフから、この商品が生まれた動機や、ページを通してお伝えしたい雰囲気などの話を聞きました。
そしてこの時間で話し合ったイメージを、モデルさんやカメラマンさん、スタイリストさん、ヘアメイクさんにもお伝えします。迷ったら相談できるプロがたくさんいてくださるので、心強いんです」
*プライベートブランド開発グループ。アパレルや雑貨など、当店のオリジナルブランド「KURASHI&Trips PUBLISHING」の企画から開発を手掛けています
▲撮影前に改めてスタイリスト、ヘアメイク、カメラマンの方々とイメージの擦り合わせ
栗村:
「このTシャツブラウスは、『年々、Tシャツを一枚で着こなすことが難しく感じている』という、PBグループスタッフの日々のモヤモヤがきっかけで生まれた商品。
だからこそスタイリストさんには、一枚でも気がねなく、きれいめにも着回せることをちゃんとお伝えできるコーディネートにしたいと相談させてもらいました。
また、写真のことはカメラマンさんに。リネンが入ったニュアンスのある生地が魅力なので、それが伝わる光の加減で撮りたいとお伝えして、当日撮影する位置などを調整していただきました」
違和感に「手を挙げてみる」役目です
栗村:
「そんなプロの方たちに囲まれた中での撮影。そこでの僕自身の役割は、違和感を覚えたときに『ハイッ』と手を挙げることだと考えています。例えば事前に社内で話し合った、商品が生まれた動機や、お客さまと共有したいイメージからズレているかもと感じたときでしょうか。
これは本当に細かいことなのですが、リップの色の濃淡でも『この商品は自分の生活とは関係ないかも』と感じてしまうことってあるなあと考えていて。
ただ僕はヘアメイクのプロではないので、じゃあどうしたらいいのか、という具体的な解決策は思い浮かばない。だけど『ちょっとイメージと違う気がして……』という感じで、ひとまず手を挙げてみるんです」
栗村:
「どうしたらいいかは分からないのに手を挙げるってなかなか勇気がいるのですが、この場でいちばん当店やお客さまのことを考え続けている、ということに自信を持ってみるというのも大事にしなくちゃと思っています。
あるとき、先輩スタッフから『違和感があったら、うまく言えなくてもいいから何か言葉にしてみると、コミュニケーションが始まる。だからまず、なんでも言ってみて』と言われたことがあったんです。
それがきっかけで、自分の中の違和感がお客さまにつながっているかもしれない、まず自分の言葉にしてお伝えしてみよう、と考えるようになりました」
自信も経験もないとき、できることは?
準備から打ち合わせ、撮影、合間の雑談までとても和やか。軽食として栗村が用意した苺と練乳に「練乳まである〜!」とスタッフの皆さんの笑顔がこぼれるシーンも。
撮影終了後の栗村に、撮影中の雰囲気について意識していることを聞いてみました。
栗村:
「今回のような外部スタッフの方々との案件を担当し始めたばかりだったころ、あまりにも自信がなかったんです。プロの皆さんとのお仕事、こんなに知らないことだらけで大丈夫だろうか、と」
栗村:
「でもせめてそのときの自分にできることをしたくて、それってなんだろうと考えた結果思いついたのが『現場を円滑に、気持ちよく進めるためのお手伝いをすること』でした。これは今も変わらず意識するようにしていますね。
入社6年目、今でも自信はないんです。
このページかわいいかな、自分の中のかわいいが空回りして独りよがりになっていないかな、自分の生活に迎えたいと思っていただけるような商品ページになっているだろうか……。いつもぐるぐると巡り続けています」
栗村:
「ただ、周りのクラシコムスタッフを見ていると、自信満々で仕事をしている人っていないなと感じていて。これは先輩でもそうなんですよね。だからきっと、この先も『絶対大丈夫』という気持ちになることはないんだなと気づきました。
でも、ちょっとずつ分かることが増えてきていることも確か。一歩一歩、進んでいます」
***
ところ変わって、もうひとつの撮影が行われていたのは、家のような安心感のあるスタジオ。
同じくストア編集グループのスタッフの青木が担当するのは、ROSENDAHLのポータブルランプ。「今日は、楽しげなBGMにしてみました〜」と部屋に音楽を流すと、これから撮影するランプについて説明してくれました。
お店で手に取るように、家に飾るように
今回は、撮影場所の決定やスタイリング、撮影も全て青木が担当します。
青木:
「栗村さんの撮影と同じように、バイヤーやプランナーと、動機やページにのせたい雰囲気を共有する時間があります。このランプは、バイヤーの『憧れの北欧アイテムを当店で』という動機から取り扱いが決まった商品。
今回は『このランプが生活にあったら? 一緒に過ごすなら?』という軸で、どんな場所で写真を撮って、どんなスタイリングにするかを決めていきました」
▲小物の位置も調整しながら、ランプをあっちに置いたり、こっちに置いたり。
青木:
「撮影では、アイテムに対して引いたり寄ったり、いろんな角度から撮っていきます。実際にこのランプが生活の中にあったら、いろんな距離や角度から見ますよね。上から見たり、高いところから持ち上げると底が見えたり。
自分だったら、欲しいと感じたものほど、実際にお店で手に取ったときのようにじっくり見たいなと思うんです。だから写真もテキストも、自然と多くなってしまいますね」
青木:
「さらに商品ページで叶えたいと考えていることがあって、それは『家にある状態』もイメージしやすくしたいということ。
家に買って帰ったら、お店で見たときと違う印象になることってあるなあと。お客さまのお家と全く同じにはできないのですが、サイズ感や存在感、佇まいはイメージしていただきやすいページになっていたらいいなと思っています」
サイズや色で、似合う場所は変わる気がして
ポータブルランプは、全4色。スタジオの中のさまざまな場所で撮影していきました。
青木:
「たくさんのカットを撮影しますが、全てを載せることはできないので『この色に一番似合う場所』で撮れたと感じたものを選ぶようにしています。
例えばキッチンに置いた写真はテラコッタ。どのカラーにも良さがあるので本当に迷いますが、お茶を淹れる様子や温かい雰囲気に合っていると感じたのでこの色にしました。
サイズによってもぴったりな場所が変わってくると思うので、違和感を感じないことや、登場するカラーに偏りがないかということも大事にしています」
青木:
「お客さまが、そのアイテムを暮らしに取り入れたときのイメージを、少しでも膨らませるヒントになったらいいなと。
そのお手伝いをしたいから、場所や使い方、色使いなど、そのものが持っている個性を、なるべく良い形でお見せできたらと思います。そうやって、お客さまに『そうそう、この感じかも』と見つけてもらえたら、本当に嬉しいです」
発売前に一番「商品と仲良くなった人」に
青木:
「発売前に商品といちばん仲良くなった人でいたいので、誰かから伝えてもらっただけではなく、自分の中からも商品のいいところを感じられることがまず大事だな、と思っています。
とはいえ、その気持ちの出し方を調整することも大切にしたいですよね。写真や紹介文の書き方によっては、思いが溢れすぎるというか、自分本位なページになってしまうこともあると感じています」
青木:
「調整の仕方はずっと悩ましいところではありますが、まずは全部出し切ってみよう、と。
出し切っていない状態で加減するのって、難しい気がしていて。なので今は一度ページを作ってみて、自分で読み返したり、フィードバックをもらったりしながら調整していくようにしているんです」
好きなもののこと、「おしゃべり」する場所になれたら
栗村:
「僕自身、買いものが好きで。新しく買った洋服に袖を通すときや、雑貨を部屋に飾るとき、それだけでちょっぴりいい日になるなと感じるんです。だから、買いものをする時間もわくわくするものにできたら、という気持ちで商品ページを作っています。
でもそれだけじゃ足りなくて、安心して買えるページであることも、やっぱり大事。商品のサイズや生地感などの情報が分かりやすいか、商品を自分ごととして感じていただけるようなページになっているか。そのバランスをいつも考え続けています」
青木:
「毎日のように来てくださる方、アイテムが気になって来てくださる方……。当店のアプリやサイトには、いろんなお客さまがいらっしゃるんだろうな、と想像しています。
訪れてくださったお客さまと、『私たち、これ好きだなあと思ったのですがどうでしょうか?』『たしかに、好きです、好きです!』と、好きなものについてお話ししているような世界が作れていたら嬉しいです」
***
インタビューを終えて、「独りよがりになっていないか」「自分本位になっていないか」と、2人が共通して巡っていたことが心に残りました。
好きなものほどそのコントロールは難しいものであるけれど、好きなものだからこそ、丁寧にお客さまとお話ししていけたら。そう感じた時間でした。
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