【大人のためのごちそうサラダ】01:おいしさも栄養もひと皿に。調理室池田の、揚げ魚とケールのサラダのレシピ

ライター 藤沢あかり

ひとり分のごはんを作るとき、どうしてる?

自分のためのごはん作りは、つい手を抜きがち。ほんとうは、きちんとおいしいものを食べたいのです。栄養だって気になります。でもなるべく時間はかけたくないし、たくさんの品数を並べる気分とも違います。

おなかとこころ、気軽にどちらも満たしたい。そんなときには、すこしだけ工夫を凝らしたごちそう気分のサラダはいかがでしょう。

取材で「調理室池田」の店主、池田宏実さんを訪ねた時のことです。お昼をすっかり回ったころ、さっと出してくださったのがボリュームのあるサラダのプレートでした。

食べてみると「何の味付け?」と思わせる、ハッとするような奥深さにびっくり。気軽なひと皿だけれど食べ応えもあり、腹ペコのわたしも大満足。

ああなんてすてきなごちそうだろうと、こころが満たされると同時に思ったのです。こんなサラダを自分で作れたら、きっとしあわせだろうなあと。

ひとくちにサラダといっても、そこには食材の組み合わせや混ぜる順序といったプロのコツがあちこちに。その新鮮な驚きとポイントを交えたごちそうサラダ、2つの味わいを前後編でご紹介します。

池田さん:
「野菜に、肉や魚などのたんぱく質と、パスタや豆、じゃがいもなどの炭水化物が入ると食べ応えもあるし栄養バランスも整います。

白いご飯と汁物とおかずを数品……という食事も好きですが、献立を考える手間は抑えたい、でも一品だけなら頑張れそう、という日もありますよね。基本をおさえれば、材料を変えてアレンジできるので、まず一度はレシピに沿って作ってみてください」

今回は、旬の魚を使ったサラダを教えていただきました。もちろんスーパーに並ぶおなじみの魚です。



栄養もボリュームもひと皿に
調理室池田の「揚げ魚とケールのサラダ」



材料(大人ひとり分)

・イサキやアジなど旬の魚…半身程度
・ブルグル(丸粒)…30g
・ケール…3枚
・セロリ…10cm
・ハーブ(ミントやバジルなど)…3〜4本
・インゲン…3〜4本
・お好みの柑橘類…1/2個
・にんにく、しょうが…各1/2片

・塩、こしょう…少々
・ホワイトバルサミコ…少々
・オリーブオイル…少々
・強力粉(薄力粉でも可)…大さじ3程度
・揚げ油

分量は目安です。魚や野菜の量は、おなかと相談のうえ自由にお試しください。


1.     ブルグルを茹でる。

▲ブルグルはデュラム小麦を全粒のまま蒸して乾燥させたもので、香ばしくモチモチとした食感が特徴です。「丸粒」タイプがおすすめ。カルディのような輸入食材店で見つかります。

鍋に湯を沸かし、沸騰したらブルグルを入れ、蓋をして弱火で15分茹でる。火を止め、そのままさらに10分蒸らす。ザルにあげ、さっと水をかけ回して冷ましておく。


2.     魚を揚げる。

魚を1cm幅程度の細切りにし、軽く塩をふる。強力粉をはたき、180度の油で揚げる。今回はイサキを半身使用。

池田さん:
「魚はサラダに混ぜ込みやすい大きさに切れば大丈夫。季節によっては丸ごと食べられる豆アジもおいしいです」


3.     インゲンを茹でる。

インゲンはヘタと筋を取り、熱湯でさっと茹でる。塩を入れて茹でなくても、氷にあげると色止めになり鮮やかな仕上がりに。冷めたら食べやすい3〜4cmの長さに切っておく。


4.     セロリに下味をつける。

セロリは筋を取る。繊維を断つよう薄くスライスし、ボウルに入れて軽く塩もみする。さらに、にんにくとしょうがの極みじん切りを加えて軽く揉んでおく。

池田さん:
「にんにくとしょうがの量はお好みですが、今回はそれぞれ細かく刻んだものを小指の先程度で入れました。すり下ろしても良いですが、少量なので包丁で刻むほうが簡単。ここでセロリに下味をしっかりつけておくことでサラダ全体の味が決まる、大切な工程です」

▲極みじん切りの目安。なるべく細かく刻んだ方がおいしい。


5.     具材を合わせる

4のボウルに、3のインゲン、洗って1cm幅程度にざく切りにしたケール、細かく切ったハーブを入れる。ハーブは、今回はミントを使用。

さらに、皮をむいて房から外したオレンジを加える。このとき、房(薄皮)に残ったオレンジもぎゅっと絞って加えると風味が良い。

最後に、1のブルグル、2のイサキ、塩こしょう、ホワイトバルサミコ、オリーブオイルを加えてざっくりと混ぜ、味を整えて完成。


ドレッシングなしでサラダの味をまとめる3つの要素

池田さん:
「サラダに使うドレッシングは、オイル、酸味、塩味の組み合わせが基本ですが、ここではすべての材料を一気に混ぜずに味付けをしているのがポイントです。

酸味はお酢が一般的。ここではオレンジ果汁も酸味の要素として加え、さらに補うためにホワイトバルサミコをプラスしました。ホワイトバルサミコは、果実のほんのりとした甘さとフルーティーさが感じられ酸味も穏やかです。香りも良く、1本あると便利なのでぜひ試してみていただきたいです。

塩味は、今回は塩を使いましたが、ナンプラーやアンチョビ、オリーブの塩漬けなども使えます。

そこにアクセントになる野菜、今回ならセロリに塩気と香味の下味をつけ、食べたときに口の中で3つの要素が揃うように味をまとわせました。全体の味を均一にまとめるのではなく、食べるごとにいろいろな味の重なりがあるおもしろさを楽しんでいただけたらと思います」

▲池田さんのサラダに欠かせないホワイトバルサミコとブルグル。スーパーで見つからない場合は輸入食材店やインターネット通販等で探してみてください。


食べ進めるたびに変わる、重層的な味のおいしさ

さっそく家で試してみたところ、揚げた魚のコクに複数の酸味が重なることで、どこか南蛮漬けにも似た味わいです。

そこにケールのほのかな苦味やオレンジの甘酸っぱさと、ときどき香るミントのアクセント。もちっとした歯触りのブルグルが入って、満足度もじゅうぶんです。何層にも重なるおいしさは、食べていてちっとも飽きません。

なにより、自分で思いつかない組み合わせと新しい味わいは、安心という名の定番続きだったひとりランチに、さわやかな風が吹いたような気分に。

次回は、かつおを使ったごちそうサラダをご紹介します。こちらは赤ピーマンがアクセント。どうぞお楽しみに。


【写真】ニシウラエイコ



もくじ

第1話(8月25日)
おいしさも栄養もひと皿に。調理室池田の、揚げ魚とケールのサラダのレシピ

第2話(8月26日)
ひとりの晩酌にもぴったり。調理室池田の、かつおとレンズ豆のサラダのレシピ

池田 宏実(いけだ ひろみ)

料理人。川崎市中央卸売市場北部市場内にある〈調理室池田〉を営む。2018年にオープンした店は、夫である講平さんが全体のディレクションと2階ギャラリーのアンティークの買い付けを、宏実さんが1階カフェを受け持つ。

調理室池田 住所:
川崎市宮前区水沢1-1-1 川崎市中央卸売市場 北部市場関連棟45

Instagram: @ikeprox
HP: https://chourishitsu.tumblr.com/


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