【暮らしを変える手帳術】第2話:TO DOはリスト化してはダメ?達成感がつづく手帳の使いかた。
編集スタッフ 二本柳
今日という日を 「やりたいことがやれていない」 と落ち込む日にしたくないから。
なるべくなら毎日をご機嫌でハッピーな状態で過ごしたいから。
何気なく過ぎ去っていく時間を目に見えるものに変え、手帳の上に自分の予約をする。
特集 『暮らしを変える手帳術』 では、全3話にわたり株式会社イー・ウーマン代表の佐々木かをりさんに手帳の使い方をお聞きしています。
「行動」に関わるものだけ書く、がポイント?
前回の第1話では、やりたいことを 「できた」 という状態にする達成感こそが、毎日をご機嫌に暮らす秘訣であるとの話をうかがいました。
でも一方で、「何となく忙しい」 と心がザワザワしていると、できることも 「できない」 と諦めてしまいがち。
佐々木さんは、そのザワザワも手帳の使い方しだいで変えられると言います。
佐々木さん:
「仕事が多い、という状態も一概に悪いとは言えなくて、むしろ充実感につながっていることも多いはず。
だから、もし 『忙しくて辛い』 と感じるというのであれば、別の原因が考えられます」
photo/Bunpei Kimura
佐々木さん:
「たとえば心も頭もすっきりしていれば、どれほど忙しくても気持ちがいいものですよね。
そのために、まずは正しい手帳を選ぶことから始めましょう。約束をメモしたり、日記を書いたり……色々なことをざっくばらんに書きたい、という場合は、時間管理とは分けた手帳を選んだ方が良いです。
そして、そこには 『行動』 に関わるものだけを書く。
行動に紐付けようとすれば 『いつ』 『どのくらいの時間をつかって』 やるかが目に見えるようになるので、何だか忙しく感じるという状況がなくなるはずですよ」
なるほど……。手帳にはヒントがたくさん隠れていそうです。
それでは早速、その中身をご紹介していきたいと思います。
手帳の使いかた
<今日から実践したいこと>
見た目が大事!「余白」がわかる書き方を。
これまでは、カレンダー型手帳の1日のマスに 「その日の予定や約束」 を箇条書きしていた私。
でも佐々木さん曰く、それは 「忙しいという 『錯覚』 が起こりやすい使い方」 なのだとか。
佐々木さん:
「小さいマスに一杯一杯つめこんで書いてしまうと、脳が 『この日は忙しい!他には何もできない』 と思い込んでしまうので、せっかく空いている時間が使えなくなるんです。
約束を書くのではなく、時間を『面』 で捉えること、そして、他人と約束の無い時間に、自分を予約してしまうのがオススメですよ」
たしかにこれなら、思いのほか余白があることも分かって安心感につながりそう。
たとえば私はこれまで、 「月曜の夜は予定がないから常備菜をつくろう」 と前日まで意気込んでいたのに、いざ当日になると忙しい気持ちで落ち着かず、やっぱり諦めてしまうなんてことがよくありました。
でもそれも、自分に対して 「常備菜をつくる」 と予約を書いておけば 「よし、作ろう」 という行動に移せるのかもしれません。
仕事とプライベートの予定は1箇所に。
仕事の予定と、家族行事や遊びなどのプライベートの予定。この2つは分けて管理している方も多いのではないでしょうか?
私はまさにそのパターンだったのですが、これも 「1つに統一しましょう」 と佐々木さん。
佐々木さん:
「手元の手帳にはこれが書いてあって、リビングのカレンダーにはあっちの予定がメモしてあって……。
そういう状態であれば、一元化するのが良いですよ。
それは何故かというと、何の不安もなく 『今』 やっていることに集中できるようにするためなんです。
仕事の予定、子供の予定、趣味の予定。すべての行動が1冊、つまり1つの時間の流れにおさまらないなら、それはそもそも計画に無理があるということ。でもその逆に1冊におさまるならば、先々の心配をしなくても、やるべきことや、やりたいことは全部できるはずですよ」
2人のお子さんを育てた佐々木さんは、よく 「ワークライフバランス」 についても聞かれることがあるそうです。
でもそれも、たとえ子供と映画を観に行くという時間を作ったとしても、同時に 「あの仕事やってないな〜」 「明日はあれをやらなきゃな〜」 なんて考えていたとしたら、それは 「子供と時間を過ごした」 と言えないかもしれない、と言います。
佐々木さん:
「私自身、子供を産んで分かったのが 『子育ては自分の計画通りにいかないことが多い』 ということでした。
だから一言に 『ワークライフバランス』 と言っても、1日単位で考える 『両立』 なんていうのは難しい。仕事が忙しいときもあれば、子供とゆっくり過ごせるときもあります。
だからこそ大切なのは、その時間配分に自分自身が満足いっているかどうかだと思うんです。
そのためには2つの予定を1箇所にまとめて把握しておく必要があります」
「やりたいこと」はリスト化しない。
やりたかったこと、やるべきことのリストがたまる一方で時間ばかりが過ぎてしまう。
そんな私の悩みの原因は、「やりたいこと」 をリストにしてしまうことにあるようでした。
佐々木さん:
「12月のメモ欄に 『温泉に行きたい』 『○○の展示会に行きたい』 『大掃除したい』 と箇条書きしていても、うっかり1月になってしまったらどうでしょう?
もうこのページのメモは忘れられたと同じですよね。
だから、半年先でもいいんです。手帳の時間枠に行動する内容を予約してください」
たとえば温泉に行きたいなら、「どこがいいかをネットで調べる」 という予定を決めて、その日時に書く。温泉に行く日は分からなくても、第一歩となる行動を決めるなら簡単です。
計画倒れになってしまわない1番のコツは、理想を書くのではなく、「自分に予約する」 ことにありました。
連載第2話は、具体的な手帳の使い方をお届けしました。
目に見えない心のざわつきも、漠然とやりたいと思っていたことも、手帳に書かれた 「時間」 に置き換えてみると何かが変わるかもしれませんね。
とはいえ手帳は、日記と同じで 「続けるのが難しい」 というのも本音かと思います。
次回の第3話では、三日坊主で終わらずに無理なく続けられるコツを教わりました。
(つづく)
もくじ
佐々木かをり
横浜市出身。株式会社イー・ウーマンと株式会社ユニカルインターナショナルの2つの会社で代表を務めながら、自身の体験から開発した手帳 「アクションプランナー」 を販売する。その他、テレビのコメンテーターから大学客員教授など、多方面にわたり活躍。著書に『自分を予約する手帳術』(ダイヤモンド社)、『なぜ、時間管理のプロは健康なのか?』(ポプラ新書)など多数。
※佐々木さんの手がける手帳 アクションプランナーの詳細はこちら http://www.actionplanner.jp/
※時間管理術の講座は全国で開催されています! 表参道カレッジ URL http://omokare.ewoman.jp/
▽佐々木かをりさんの著書はこちらから!
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