【特集|コトコト美味しい煮込みレシピ】第1話:料理家・小堀紀代美さんのハーブハンバーグのトマト煮込み
ライター 大浦
こんにちは、ライターの大浦です。
毎日寒い日が続いてますね。本日から2日間は、冬真っ盛りのこの季節にぴったりの「コトコト美味しい煮込み料理レシピ」をお届けします。
今回レシピを教えてくださるのは、料理家の小堀紀代美さんです!小堀さんは、2010年より2年間、カフェ「LIKE LIKE KITCHEN」を開き、ごはんも美味しくて、インテリアもかわいいお店として人気を集めてきました。
残念ながらカフェはクローズしていまいましたが、現在小堀さんは料理教室を開きながら、料理家として雑誌などで活躍されています。
暮らしノオト第2号にもご協力いただいたので、記憶に残っているお客さまもいるかもしれませんね。今回も小堀さんの素敵なアトリエに、撮影隊・スタッフ加藤さんと一緒にお邪魔させていただきました!
煮込み料理が大好きだという小堀さん。「煮込む」というと、手間がかかりそうなイメージがありますが、小堀さんに教えていただいたレシピは、とっても簡単!明日の更新では、アレンジレシピもお届けします。
そしてせっかくなのでレシピだけでなく、アトリエの様子と、小堀コレクション!とも呼べる、かわいい食器たちもご紹介します。ぜひ最後まで楽しんでくださいね。
第1話のレシピは「ハーブハンバーグのトマト煮込み」です。洋食の定番レシピでもあるハンバーグを、ちょっぴりおしゃれに作っちゃいます!マンネリなハンバーグの気分転換にも、お客さまが来た時のおもてなしにも、活躍してくれそうなレシピです。
それでは、早速作り方をみていきましょう!
材料
◎ハンバーグ(4人分)
合挽肉 500g
紫玉ねぎ 1個*
にんにく 1かけ
バター 30g
塩 小さじ1
胡椒 3g
卵 1個
牛乳 3/4cup
食パン 1枚**
ナツメグ 小さじ1/2
セージ(生) 10枚
ローズマリー(生) 2本
オレガノ(ドライ) 小さじ1/2
*紫玉ねぎは甘みがありますが、普通の玉ねぎでもOK。
**食パンは柔らかい仕上がりに。パン粉でもOK。
ハーブはローズマリー1種類でもOKとのこと。今回は煮込むので量はもっと入れても美味しいかも、と小堀さん。お好みで調整してみてくださいね。
◎トマトソース
トマト缶 2缶
ベーコン 50g
マッシュルーム 100g
しめじ 100g
ローズマリー(生) 1本*
オリーブオイル 大さじ1
*あれば、セロリの葉や、ローリエも入れてみてもOK。
ポイントは
「肉ダネに熱を入れないこと」
ハンバーグを作るときのポイントを小堀さんにお聞きしたところ、「肉ダネに温度が入らないよう冷たい状態を保つこと」とのこと。そうすると、肉汁を閉じ込め旨味が逃げないのだそうです。
肉ダネをキンキンの状態に保つよう、小さな気配りをすることでジューシーなハンバーグになるんですね。
簡単な手順
まずは簡単な手順はこちら。5つの大きな流れを追いながら、作り方をみていきたいと思います。
下準備:材料を切る
Step1:肉だねをつくる
Step2:ソースをつくる
Step3:肉を焼く
Step4:ソースに肉を入れて煮込む
作り方
下準備
肉ダネに入れる玉ねぎ、にんにく、ハーブ類はみじん切りにする。食パンは耳をのぞき、1センチ角切り。トマト缶はマッシャーでつぶしておく。
Step1:肉ダネをつくる
[1]バターとにんにくを炒める。
[2]香りがでてきたら、玉ねぎを入れて、しんなりするまで炒める。
小堀:
「玉ねぎが焦げそうになったら、いったん火を止めるといいですよ。そうすると、玉ねぎから水分が出るんです。その水分で焦げそうになったところを木べらなどでこそいで、また火をつけて、というのを繰り返すと甘みも増し、旨味も逃げないんです」
[3]玉ねぎを冷ます。
小堀:
「玉ねぎは完全に冷まします。熱があるままだと、お肉に火が入って旨味が逃げてしまうんです」
[4]食パン、牛乳、卵をまぜて、つなぎを用意する。
[5]合挽肉、玉ねぎ、4のつなぎ、塩・胡椒、ハーブの順番でゴムベラを使って混ぜる。
小堀:
「人の手からも肉に温度が入ってしまうので、混ぜるときはゴムベラを使います。手で混ぜるときや夏場は、ボールに氷水をあてながらまぜるといいですよ」
小堀:
「塩・胡椒ははじめに入れてしまうと、水分が出てお肉がしまってしまうので最後に加えます」
[6]肉ダネの味見をする。
小堀:
「一口、レンジでチンでもいいので味見をするといいですよ。そうすると、しょっぱいとか薄いとか、出来上がったときの失敗を防げます。餃子とかも同じですね」
[7]肉を8等分にして丸める。
Step2:ソースをつくる
[1]オリーブオイルを熱し、ベーコンを炒める。
小堀:
「すぐに炒めると水分が抜けてしまうので、おいしそうな香りがするまで待つと旨味がでてくるんですよ」
お鍋の下にほんのり焦げが出てきて、香りがしてくるまでじんわり炒めます。
[2]しめじ、マッシュルーム、塩少々を加える。
小堀:
「きのこの食感を残すために、さっと炒めます」
[3]トマト缶、塩を加えて、1/2量になるまで煮詰める。
Step3:肉を焼く
[1]オリーブオイルを熱し、整形した肉を焼く。
[2]焼き色がついたらバットにあげる。
小堀:
「煮込むので中まで火が通らなくても、焼き色がつくだけでOKです」
ジュージュー焼くと、ふんわりハーブのいい香りがしてきました!
Step4:煮込む
[1]1/2量になったトマトソースに、焼いた肉とローズマリー(1本)を入れる。
小堀:
「肉が崩れないように、ゆすりながら沈めるといいですよ。ローズマリーの代わりに、セロリの葉やローリエでもOKです」
[2]鍋にふたをして、弱火で10~15分煮込む。
[3]完成!!
小堀:
「このレシピは、シンプルなトマトの味とハーブの香りを楽しむお料理なので、きのこ以外にも野菜を入れてもいいし、いろいろアレンジをしてみてくださいね」
コトコト煮込むことで、トマトソースに肉の旨味が入り、肉にはトマトの酸味が絡み、全ての素材が一体に。1品料理を食べているようで、実はいろいろな素材の美味しさをたっぷりといただいているのが、煮込み料理。
お鍋からふんわり立ち上がる湯気と美味しそうな香り。冬は湯気がごちそう、なんていう言葉がありますが、寒い日の夜に、はふはふ言いながら食べたりしたら、心も身体もじんわり満ち足りていきそうです。
探検!小堀コレクション
お料理のテーブルコーディネートは、冬らしい雰囲気のフランスのビンテージ皿と、かわいらしい花柄のクロスを組み合わせて。
小堀さんといえば、食器とクロスの組み合わせのセンスに定評があり、著書『2品でパスタ定食』は写真を眺めるだけでも、わくわくしてくるようなテーブルコーディネートがずらりと。
デビット・メラー/カトラリー/テーブルフォーク
デビット・メラー/カトラリー/テーブルナイフ
アトリエ内を探索させていただくと、棚の中にはお皿がぎーっしり!!何枚あるかはわからないというくらいたくさんの、海外旅行で集めた北欧とフランスを中心としたアンティークのお皿たち。
一枚、また一枚と棚から出すたびに、「かわいいー!!」と加藤さんと大盛り上がり!!もう見ているだけで、踊り出したくなるような、楽しくて心拍数は上がっていくばかりでした。。
「お店の前に出ている”5ユーロ”のかごの中から見つけだすのが好きなんです」と小堀さんは、ふふふと可愛らしく笑いながら教えてくれました。
料理+食器+クロスで、見ている人の心をくすぐるような、色使いや組み合わせをみせる小堀さん。実は、長いこと絵に携わるお仕事をされていたそうで、色の組み合わせを考えるのが好きなんだといいます。
アトリエの中には、洋書のレシピ本もずらり。洋書も大好きだという小堀さんは、旅先では、必ず食べ歩きをしてそれが作り上げる料理の基盤になっているそうです。なんと、これまで30カ国、60都市に行ったとのこと!
アトリエの空間をよく見ると、ベトナムの絵が飾ってあったり、ハワイの時計が掛けてあったり、ロシアのマトリョーシカが置いてあったり。ここは、北欧でもなく、パリでもなく、日本でもないどこか。
今回教えていただいたレシピも、お皿も、空間も、どこか外国の空気が含まれているように思うのは、旅を通じて小堀さんが集めた「好き」がつまっているからなんですね。
女性にとって台所という空間は、育った家を出たあと、徐々に築き上げていく城のようなものの気がします。もしかすると、どんな女性もそれぞれの“LIKE LIKE KITCHEN”を、日々の暮らしを通じて作っていくのかもしれませんね。
毎日のごはんがうまれてくる場所だからこそ、「好き」という気持ちを溢れさせて。小堀さんのように、ごはんを食べる人を、その場所にいる人を、楽しい気持ちにさせるような“LIKE LIKE KITCHEN”に、私もしていきたいなあと思いました。
明日は、余った煮込みハンバーグでつくる、アレンジレシピをご紹介します!自称「料理勉強家」といういう小堀さんに、料理上手になるコツもお聞きしました。明日の更新も楽しみにしていてくださいね。
◎小堀さんの著書の一部はこちら。↓↓↓
2品でパスタ定食 小堀 紀代美 文化出版局 2013-04-26 |
ティーマがあれば―北欧の白い皿に盛るレシピ (生活実用シリーズ) NHK出版 NHK出版 2012-02-18 |
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