【スタッフコラム】トホホ・・・。思い通りにいかない親子旅。
編集スタッフ 二本柳
この夏は、両親の旅に案内役としてついて行きました。
いつもツアーしか選ばない両親に個人旅行のたのしみを知ってもらいたくて、1年くらい前から企画していた楽しみなイベントでした。
行き先はスペインとフランス。
私は「3度の飯より航空券を!」な人間なので、この2カ国はそれなりに土地勘があるという自信もあって。だから「大船にのったつもりでついて来て〜」なんて自信満々に出発したのです。
でも・・・
いざ行ってみると、これが予想をはるかに越えて大変でした。
思い通りにいかないことだらけで、落ち込むことも多かったんです。
親子旅は思い通りにいかないことだらけ。
予想通りにいかなかったこと、その1。
それはまず、自分と親の体力に想像以上の差があった!ということ。
これは少し悲しい気づきでもありましたが、数年前と比べてずいぶんと親が歳をとったということを実感せずにはいられない旅になりました。
乗ろうとしていた電車が、ひとつの線まるごと動いてない!というパリの「あるある」な事態。それから、トイレひとつ見つけるだけでも大変なこと。
そういう小さな積み重ねが体力を奪い、いざ目的地に着いても期待していた反応を得られず、ガッカリ……なんてことも、しばしばでした。
「タクシーより電車やバスを使わなくちゃ!」「ヨーロッパは歩かないと魅力がわからない」。そんな私の価値観を押し付けていたことにやっと気がついたのは、旅が1/3終わったころでした。
予想通りにいかなかったこと、その2。
それは、魚介好きな父がどうしても食べたいと、最もたのしみにしていた南仏のブイヤベース。
私も張り切って日本から猛烈リサーチし、数ある店のなかから「ここなら間違いない」という一軒を見つけていました。
現地についてからも念には念を……と、地元の方3人に「街で一番おいしいブイヤベースは?」と質問。全員から目をつけていた店の名前(Chez Michel-シェ・ミッシェル)があがったので、ルンルン気分で予約しました。
ところが・・・その日にかぎって父が朝からお腹をくだしていたんですね(泣)
それでも私に気をつかって、苦しそうにスープを口に運ぶ父。仕方ないことなのに、それを恨めしく思う自分にも悲しくなりました。
プランに縛られすぎてた?
こんな旅ははじめて。旅はいつだってワクワクしかなかったはずなのに。
楽しんでほしいから、と個人旅行に誘ったけれど、やっぱりツアーの方が2人は良かったのかなあ……。
そんな私を見かねて、旅3日目にして母が話かけてきました。
「あのね、バルをはしごして、美味しいタパスを食べて……色々と思い描いてたことがあるんでしょ?でも私たちは、それが実現しなくても全く残念に思わないんだよ。親子で旅をしていることそれだけが楽しいんだから」
そこで、私もやっと「ああ、計画に縛られすぎてたな」ということに気がついて。
失敗したくないという思いから、柄にもなく、ばっちりプランを立てて出発した今回の旅。
でも異国の地だもの。思い通りにいかないなんて、本当はそんなにうろたえることではなかったんですよね。
ふと周りを見渡してみると・・・。
そうして、ふと周りを見渡すと、すぐ近くに良いお手本がありました。
時刻通りにバスが来ない。ストライキでメトロが動かない。メニューにあるものを置いてない。地図にトイレマークがあるのにトイレがない(地図が古い)。
そんなことが日常茶飯事のお国に暮らす人たち。その寛大さといったら……!
たしかにイラッとした顔は見せるけど、その3秒後には完全に切り替えている。右がダメなら左にいく、という感じ。
日本の「至れり尽くせり」に慣れっこな私に比べ、「予定通りにいかない」が当たり前の彼らは、とんでもなく懐が深いことに気がつきました。
10日間の旅、残りの2/3は、思い描いていた色んなプランを手放しました。
あれも見せたい、これも見てもらいたい、そう思うものはたくさん。でも両親が歩き疲れていたら近くのカフェに立ち寄って、時間を気にせずおしゃべり。
その間に美術館の入館時間がおわってしまったら「まあ、行かなくていっか」。それよりも、なにか美味しいものを食べに行こう。
「予想通りにいかない」を受け止めてみたら、とびきりの笑顔が戻ってきました。
帰りの飛行機では「もうツアーには戻れないね」なんて、両親も満足気。
次の旅は、もう少しだけ、器用に案内できるかな?
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