【スタッフコラム】まじないを解く。
編集スタッフ 寿山
新しい年がはじまって、気がつけば1月ももう終わり。休みボケもすっかり吹き飛んで、あわただしい日常に体も慣れてきました。
わが家では毎年、初詣で今年の抱負を発表するという習慣があります。一番身近な人に伝えることで、なんとなく目標を忘れずにいられる気がして。
もうすぐ3歳になる娘にも聞いてみたら「お母さんが決めて」と言われ、好き嫌いをなくすという目標をかかげることに。
食卓を囲むたびに、目標に近づこうと嫌いな野菜を食べてみたり、食べなかったり。健気な娘を見ていると、私もがんばろうとはげまされます。
▲ホウキで魔女ごっこするのが流行っています。キキに憧れているそう
そんな私の抱負はというと、あれこれ考えた結果、好きなことをやってみるという、なんとも大人気ないテーマに落ち着きました(がんばることではなかったです)。
なんでこんなテーマが出てきたのだろう?と考えてみたら、子どもを産んだときに、娘が3歳になるまでは育児に集中するために、自分の好きなことを封印すると決めたことを思い出しました。
よき母になりたくて、でもその術がわからなくて。
ただやみくもに自分にまじないをかけた私は、ここ3年近くとにかく可能なかぎり、自我を封印してみたのです。
そのまじないを解いて、数週間。とくに旅行したり遠出したりしたわけではないのですが、心が軽やかで、なんだか楽しくて、小さなことにも喜びを感じています。
▲久しぶりに大好きな喫茶室でお茶をしました
毎日の献立も、家族の健康にいいものだけを考えるより、ときには自分が食べたいものをどう料理しようと考えるだけでワクワクしたり。
休日も子どもが楽しい事だけでなく、たまには自分が行きたい美術館やカフェに連れて行ってみたり。
日常でちょっと好きなことをするだけで、こんなに気分が上がるんだということを、あらためて実感しています。
▲新年に娘とおそろいでグラスを新調。重ねると絵本のワンシーンのようなイラストになるデザインが気に入っています
ところが、ふとスマホのカメラロールを振り返っていたら、2017年にも同じように好きな場所に出かけている自分の写真を発見してしまいました。
「あれっ!?封印したなんて、私の思い込みだったの?」でもそんな自覚はなくて、ただ少しの息苦しさだけ記憶に残っているのはどうしてだろう……
よくよく考えて、あることに気がつきました。
自我を封印するなんて決めたものの我慢しきれず、後ろめたい気持ちの中でたまに好きなことをやって、あまり楽しめてなかったんです。ああ、なんておバカさんだったんでしょう。
3年前の自分に会えるなら、もっと肩の力を抜いて、考え方を変えてみようよと言ってあげたい。
気の持ちようとはよく言ったもので、心持ちって大切ですね。自分を少し解放するだけで、家事も育児も楽しくなる。どうして3年も気付けなかったのか。悔しさもありますが、新しい気持ちのもとに、なにをしようと心が弾む2018年です。
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