【おとなの金髪】第2話:明るい髪色がいつもの服を新鮮に見せてくれる

ライター 木下美和

ファッションと同じように、いくつになっても髪型のおしゃれも楽しみたい! 大人になれば、遅かれ早かれ訪れる髪色・髪質の変化とともに自分らしく楽しむには?

そのヒントを知りたいと、40代後半で金髪へとイメージチェンジをして新しいおしゃれを楽しんでいる、カフェ「Letterpress Letters/Canteen」(レタープレスレターズ/カンティーン)の店主、細山田亜弥(ほそやまだ あや)さんを訪ね、お話を伺っています。

1話では、金髪にしたきっかけとカフェを開くまでの経緯を教えてもらいました

今回は「金髪にしてから前よりもバランスが良くなった」と話す、普段着のおしゃれを見せてもらいます。
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40代から定番になったデニムスタイル

▲カフェの看板犬・アレックスとともに。

長年勤めた会社を辞めたタイミングで、クローゼットの中身を一掃したという細山田さん。カフェをオープンしてからの普段着は、動きやすいデニムスタイルが中心だとか。

細山田さん:
「サラリーマン時代は毎日スーツとパンプスだったけど、今はもっぱらデニムにスニーカー。

特にデニムは、ほぼ毎日〈YANUK〉を履いてます。インディゴや黒など合わせて10本くらいは持ってるかな。たまたま入ったセレクトショップで試着したら、めちゃくちゃ履き心地が良くて! それから何本も色違いでリピートしています。パンツはダボっとした感じより、スリムなものが好きですね」

▲バーニーズ・ニューヨークで購入した〈YANUK〉のデニム。

▲カフェを始めてから被るようになったキャップは、ツバが広めのものを愛用。

 

パリで見つけた、デニムに合うスニーカー

▲〈Veja〉のスニーカー。このほかに〈ベンシモン〉や〈ムーンスター〉などを愛用。

スニーカーは日本やフランスで買ったローテクタイプを愛用。なかでも最近のお気に入りと見せてくれたのは、パリで見つけたフランス発のスニーカー〈Veja〉のミニマルなデザインの一足。

細山田さん:
「シンプルだけど、Vのロゴ部分がパキっとした蛍光色で、足元のポイントになってかわいいんです。それにこのスニーカーはエコ・リサイクル素材で作られているサスティナブルなプロダクト。もともと何でも長く使い続ける方だけど、そういった背景も選ぶときに気になるようになりました」

 

金髪にしたら、ビビッドカラーが楽しくなった

▲〈マッキントッシュ〉のダッフルコート。「2着あるうちの一つは服のサイズが同じ娘に取られちゃいました……(笑)」(細山田さん)

続いて、金髪にイメチェンしてから秋冬の定番になったと見せてくれたのは、あざやかなオレンジ色のダッフルコート。黒の上下にさっと羽織るだけで、一気に洗練された印象に。

細山田さん:
34年前から着てるんですけど、同じものを2着持ってるほど気に入っています。もともとオンもオフも割と黒っぽい服が多かったけど、金髪に変えたくらいから、自然と原色系の色を選ぶようになったかもしれません」

ビビッドカラーのアウターを着るときは、中を黒でシンプルにまとめるのが細山田さんの定番スタイル。ジャストサイズの着丈感も、カジュアルになりすぎないポイントのようです。

▲例えるなら“仏版ワークマン”的な、フランスの老舗ワークブランド〈LE LABOUREUR〉のジャケット。夫婦色違いで愛用中。

「明るい色のアウターっていいですよね〜」と、もう1着、今シーズン新たに買い足したというジャケットを見せてくれました。これまた黄色が目にあざやか!

細山田さん:
「これ、フランスで電気工事とかの作業をする人が実際に着てるワークウェアなんですよ。色づかいに遊び心があるというか、そういうところがフランスっておしゃれですよね〜。

実はたまたま現地のレストランで隣り合わせた年配のおばあさんが、ここのジャケットをとても素敵に着ていらして、どこのものか教えてもらって買いました。実際にすごく着やすくて、この秋冬からさっそく活躍しています」

 

似合わないと思っていた色が、身近になった

金髪にしたことがきっかけで、今まで選んでこなかった新しい色との出合いもあったそう。

細山田さん:
「色黒な方なので、淡い色味が似合わず敬遠していました。でも、金髪にして顔まわりに明るい色が増えたせいか、前より馴染むようになった気がします。例えば、サーモンピンクなんて一度も着たことがなかったけど、今ではすっかり定番の1着です。髪色の力もあるし、40代半ばくらいからは新しい色にそれほど抵抗がなくなった気がします」

年齢を重ねるとつい無難な色を選びがちですが、40代、50代からも新しい色に出合えると思うと、なんだかワクワクしてきます。

 

金髪だと黒い服がきつく見えない

髪色を変えてから楽しむようになった色ものに加えて、もともと定番としてよく着ていた黒系の服も「見え方が変わった」といいます。

細山田さん:
「春から秋口まではVネックの黒Tシャツ、冬は黒のタートルネックを着ることが多いのですが、髪色が明るくなったせいか、全身を黒でまとめても重たい・きつい印象にならないんです」

黒い服×金髪はコントラストが強くて浮いてしまいそう……というイメージを持っていましたが、実際の細山田さんの着こなしを見ると、顔映りが明るく、ナチュラルな雰囲気。あらためて髪型が与える印象の大きさを実感します。

自分に似合う色やバランスを感覚的に身につけている細山田さん。次回はおしゃれに欠かせない小物づかいについて伺います。

(つづく)

【写真】田所瑞穂

 

もくじ

細山田 亜弥

活版印刷スタジオ兼カフェ「Letterpress Letters/Canteen」店主。外資系化粧品会社に勤務しながら、「ル・コルドン・ブルー」に入学しグラン・ディプロムを取得。その後2018年に現在のお店をオープン。カフェではキッシュなどの日替わりランチをはじめ、クッキーや焼き菓子などを販売。また、スタジオでは活版印刷のワークショップ(予約制)を定期的に行っている。
https://www.letterpressletters.com


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