【インテリア特集】第2話:元押し入れが、ギャラリースペースに変身!?
ライター 嶌陽子
東京・世田谷区等々力にある、家具と雑貨の店「巣巣」店主、岩﨑朋子さんのご自宅を訪ねるインテリア連載・第2話。
築40年以上のマンションの古い味わいを生かしてリフォームし、心地よい空間を作り上げています。
今回は、落ち着いた雰囲気の空間に、程よい華やぎを添えている、楽しくて遊び心いっぱいのギャラリースペースと、岩﨑さんならではの小物の飾り方を紹介します。
(※登場するアイテムは、全て私物です。過去に購入したものを紹介しているので、現在手に入らないものもございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです)
第2話
元「押し入れ」のギャラリースペース
部屋の一角に「飾る場」をつくる。
リビングの一角で、ひときわ目をひくギャラリースペース。岩﨑さんが買い集めた絵やオブジェ、絵本などが飾られています。
実はここ、元は押し入れだった場所。寝室である隣の部屋の側からクローゼットとして使うために改装したところ、リビング側に奥行き20cmほどのへこみができました。
ここをギャラリースペースにしようと思いついたのです。
岩﨑さん:
「旅先で買ったり、友人のアーティストから手に入れた絵が色々あって。
でも、部屋のあちこちの壁に飾ると、雰囲気がうるさくなって、落ち着かないと思ったんです。もともとそれほど広くない家なので、壁は白いまま残した方が、ゆったりと感じるのでは、と考えました。
そこで、『このスペースだけ』と、飾る場をつくりました」
旅先のスペインやバリ島で買った絵、友人のアーティストの絵など、長年かけてこつこつ集めてきたものが並ぶ。
絵を買う時は、「なんとなくいい」ではなく、「めちゃくちゃ好きだ!」と心底惚れ込んだものを選ぶそう。
自分の直感を大事にしてセレクトした絵なので、買った国や地域が違っても、どことなく統一感があります。
ポストカードは、気軽に飾れる便利なアイテム
「warang wayan」のアイアン製ポストカード立て。軽いので、壁に画鋲で留められる。
絵を買うのはちょっとハードルが高い、という人には、こんな形でポストカードを飾るのがおすすめ、という岩﨑さん。
岩﨑さん:
「旅先で買ったものなども、しまいこまずに眺めていられるし、季節や気分に合わせて気軽に入れ替えることもできるから、いいですよ」
雑貨やオブジェも、まとめて置くと楽しい
壁に飾られた絵の下には、人形やぬいぐるみ、オブジェなどが飾られています。
これらも、まとまって並んでいるので、ギャラリー風で楽しい雰囲気。
絵の下には愛嬌たっぷりの人形やぬいぐるみが。左から:「warang wayan」の木製うさぎ、ラトビアで買った手編みのぬいぐるみ、岩﨑さんがぬいぐるみ作家・金森美也子さんのワークショップで作ったおさる
ラトビアで買った陶器のオブジェ。馬に乗った「天と地のバランスをつかさどる王様」だそう。
ランタンも好きで、気がつけば集まっていた。左:「岩谷プリムス」のキャンプ用ランタン、中央:メーカー不明、右:バリ島で購入したもの
絵や小物を部屋に飾りたいけれど、目を引くと同時に、まとまりのある、品の良い飾り方にするにはどうしたらいいか、悩んでしまう……。
そんな悩みを打ち明けると、岩﨑さんからはこんなアドバイスが。
岩﨑さん:
「私の家の場合、少し奥行きのあるスペースがあったので、よりギャラリーっぽくなったんだと思います。
でも、普通のお宅でも、家の中の一画を決めて、そこだけ飾るようにすれば、ごちゃごちゃせず、まとまった雰囲気になると思いますよ!」
生活感のある部分に、「くすっとアイテム」を
無印良品の冷蔵庫の取っ手にマスコットをぶら下げたり、側面にマグネットを貼ったり。
冷蔵庫の上にも、友人にもらったりしたミニマスコットがちょこんと並んでいる。比較的背が低い冷蔵庫なので、こんな「遊び」も可能。
絵や大きめのオブジェ以外に、小さなマスコットなどもたくさん持っている岩﨑さん。
それらは、家の中のふとした場所に、さりげなく飾ってあります。それが、何ともいえず、愛嬌があって、楽しいのです!
食器棚の上に置いたトースターのコンセントをはさんでいるのは、プレゼントでもらった鳥の付いたクリップ。見る度に心が和む。
床暖房のスイッチパネルの上に座っているのは、奈良の春日大社の鹿みくじ。となりの給湯パネルの上にはバリのカエル。
スイッチパネルやコンセントなど、岩﨑さんの小物の飾り方は「こんなところに!」という意外性もあって、思わずくすっと笑ってしまうような、遊び心にあふれています。
「あまり物が多すぎるのはかえって落ち着かないので、バランスには気をつけています」という岩﨑さん。生活感のあふれる場に、少しの「くすっとアイテム」を置くと、日々の暮らしがより楽しくなりそうです。
ダイニングテーブルを彩っていた花。左のリースは、「巣巣」の近くの花屋「花子」のワークショップで作ったもので、玄関ドアに飾ったりしている。時間が経つと、ドライフラワーにもなるのだそう。
つい難しく考えてしまいがちな、部屋の飾り方ですが、岩﨑さんのように、まずは飾る場所を決めたり、小物やポストカードなど、小さなものから取り入れたりして、気軽に楽しんでみたくなりました。
次回は、岩﨑さんが一番好きで、多くの時間を過ごすというキッチンと、お気に入りの器や道具を紹介します。
お楽しみに!
(つづく)
【写真】木村文平
もくじ
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岩﨑 朋子
シンプルで機能的な家具や雑貨を集めたお店 「巣巣」 店主。「鳥が巣をつくるときのように、気に入った家具や雑貨を集め居心地のいい空間をつくり上げてほしい」という思いから、店内には無垢材など上質の天然素材でできた家具や雑貨が並ぶ。巣巣の家具デザインも担当している岩﨑さんご自身がデザインした巣巣オリジナルの家具や、アジアのアンティーク家具も。お店は月曜定休、東急大井町線等々力駅より徒歩10分。http://www.susu.co.jp/
ライター 嶌陽子(しま ようこ)
編集者、ライター。大学卒業後、フリーランスでの映像翻訳や国際NGO職員を経た後、2007年から出版社での編集業務に携わる。2013年からフリーランスで活動を始め、現在は暮らしまわりの記事や人物インタビューなどを手がける。執筆媒体は『クロワッサン』(マガジンハウス)、『天然生活』(地球丸)など。プライベートでは1児の母として奮闘中。
▽岩﨑さんの著書はこちらからご覧いただけます。
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