【ノルウェー日記】ひと足も、ふた足も遅れて、ようやく春がやってきました。
ライター 桒原さやか
ノルウェーに来てからはじめての春を過ごしています。
どんな風に季節が変わっていくんだろう……と思っていたのですが、やっぱり日本の景色とはまったくちがいますね。
ここでは「春を感じる」というよりも、「冬のおわりを感じる」といった方が近いような気がします。
先日ハイキングに行ってきたので、そのときの写真と共に、春の景色のことを書いてみようと思います。
春はまっしろな雪と、キラキラの太陽。
写真を見てのとおり、まだまだ雪が積もっています。実は春になっても雪が降るのか〜と、思うこともしばしば。
そんなときは、「淡雪」という言葉を思い浮かべます。
春先に降るふわふわとしていて、すぐに消えてしまう雪のことを日本では「淡雪」とよぶんですね。
この言葉があたまに浮かぶと、春の雪も悪いものじゃないのかも……と思うのです。
日本語の美しい響きには、そんな効果もあるのかもしれません。
なんといっても、冬と明らかにちがうのは、このまぶしい太陽の日差し!
太陽がのぼらない極夜のころと比べると、まったく別の世界になったみたい。(わたしが住んでいるトロムソでは、冬は2ヶ月ほど極夜があります。その時のお話は、よかったらこちらから読んでみてください)
雪の白と太陽の反射がまぶしくて、歩いていると目が開けられないほど。サングラスは必須です。
日本ではサングラスがちょっと恥ずかしかったわたしも、ここに来てからは堂々とかけられるようになりました。笑
自然がすこしずつ、春にむかって動きはじめています。
冬には凍ってシーンとしずかだった川に、雪解け水が流れはじめました。
カモメもようやく街にもどってきたり、鳥の鳴き声もちょこちょこ聞こえるようになったり。自然も生き物も一気に動きはじめています。
ふーーーー、気持ちいい。
ときどき気持ちがズンと沈んでしまうこともあるけれど、この山の景色をみると、なんとかなるかなぁと思わせてくれます。やっぱり自然の力ってすごいですね。
奥に見える雪をかぶった白い山は「トロムスダーレンティンデン」といって、この辺では一番大きな山です。今年の夏にはこの山を登ろうと、決めています。
雪の間から、ひょっこり顔をだしているのは……?
ハイキングからの帰り道、雪の間から顔を出している黄色い花を見かけました。
冬の間はすべてが真っ白な雪で覆われてしまうので、小さな花の出現にも思わず足が止まります。
タンポポに似ているけれど、なんという名前の花でしょう?
家に帰ってから調べてみたところ「フキタンポポ」といって、こちらでは春一番に咲く花だということがわかりました。
この花を見ると、「今年も春がきたわ〜」と思う季節の花なのだとか。
日本からはだいぶ遅れて、ようやくこちらにも春がやってきました。
ライター 桑原さやか
『北欧、暮らしの道具店』で、お客さま係として6年間働いていた元スタッフ。旅が好きで、冬の旅行で訪れたノルウェーの北極圏にある町、トロムソに一目惚れ。スウェーデン人の夫と共に、2016年6月より移住をはじめている。
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