【ケの日のこと】不意にあらわれた台所の相棒。シンクには、石鹸一個。

「家族と一年誌『家族』」編集長 中村暁野


第13話:シンクには石鹸一個


 

洗い物が好きじゃありませんでした。料理をするのは好きだけど、料理の後に必ず待っている洗い物は、わたしにとって長らく苦になる家事だったのです。

思い返せば一人暮らしを始めた18歳の頃、明日……また明日……と先送りにして、シンクにうず高く積みあがったお皿を、遊びにきた友人が洗ってくれたこともありました。先延ばしにするほど気が重くなると知ってから、すぐに洗うようにはなったけれど、どうにもこうにも好きにはなれなかった食器洗い。

とはいえいまや子育て真只中。日に3度の食事の支度と、その後の洗い物からは逃れようもありません。毎度イヤダイヤダとやるよりも、少しでも前向きに取り組めないものかと考えて、皿洗いの何がいやなのかじっくり考えてみました。

まず真っ先に浮かんだのは食器洗い洗剤でした。食べ物の匂いと洗剤の匂いが混ざるのがどうにも苦手。そして手荒れするのも憂うつの大きな原因。環境にも手にも負荷の低い洗剤を使っていたのですが、冬ともなると、お皿のすっきりと比例するように、わたしの手はカサカサに……。あぁ、どうにかもっと皿洗いと仲良くなりたい。

かといって、毎回手袋やマスクをするのは億劫だし、食器洗い機は場所的にも予算的にも我が家には無理。どうしたものかと考えていたところ、頼んでいる宅配のカタログにあった、洗い物を石鹸で、という記事に目がとまりました。そこで、物は試しと、洗剤をやめて台所用の固形石鹸に変えてみることにしたのです。それがかれこれ、5年ほど前のことでしょうか。

結果、悩みのすべてが消えたのです! 匂いのストレスは皆無、手荒れも気づけば治っていました。シンク付近がごちゃごちゃしているのも嫌だったのですが、石鹸置きに白い石鹸がポンと置いてあるだけのシンプルさは、そんな地味なモヤモヤすらも解消してくれました。揚げ物後の油汚れだってちゃんと落ちるし、長く使えて1個100円ちょっと。固形石鹸、ブラボー!です。

固形石鹸のおかげで今では洗い物もすっかり好き……にはなれないけれど、なくてはならない台所の相棒であり、味方です。「ケの日」の家事の醍醐味は、そんな自分の暮らしにフィットした味方にひとつひとつ出合うことだったりするよなあ、と感じている今日この頃です。

 

【写真】馬場わかな(1枚目)、中村暁野(2枚目)

中村暁野(なかむら あきの)

家族と一年誌『家族』編集長。Popoyansのnon名義で音楽活動も行う。7歳の長女、1歳の長男を育てる二児の母。現在は『家族』2号の取材を進めている。2017年3月に一家で神奈川県と山梨県の山間の町へ移住した。http://kazoku-magazine.com

 


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