【柳沢小実の家づくり】第5話:キッチンが家の顔。
柳沢 小実
こんにちは。柳沢小実です。
42歳になるまでずっと「賃貸派」だった私が、昨年ついに家を建てることになりました。
こちらの連載では、「暮らしやすさ」を第一に考えた、私なりの家づくりについて全10話で綴っていきたいと思います。
第5話
キッチンが家の顔。
いよいよ、キッチンに着手する段階になりました。
キッチンも「おしゃれにしよう」「自分らしくしよう」という思いは、ありませんでした。イメージしていたのは「清潔感があってお手入れがラクだといいな」くらい。素材はステンレスが扱いやすそうと、ふわっと考えていました。
ざっと各メーカーの商品を見て、デザインの気に入ったステンレスキッチンがありましたが、提携していないとのことで、入れられませんでした。
施主支給で無理に入れることもできますが、故障などのトラブルがおきた場合、補償の対象外になり、ハウスメーカー(以下、HM)に頼むメリットがなくなってしまいます。
キッチンも高額なので、HM経由で手配して安心を得たい。そこで、HMと提携しているオーダーキッチンのショールームを見にいきました。
これまでずっと白いキッチンが続いたので、オーダーキッチンにするならば、これまでと違うデザインにするのもいいな。そう考えて見にいった先で、気に入ったキッチンと出合えたのです。
夫も背中を押してくれて、ほとんど迷うことなくそれに決めましたが、その反面で「恰好良すぎる?」「個性が強すぎる?」という不安もありました。
でも、たとえどれに決めたとしても、きっと私は不安に思ったはず。勇気を出してえいっ!と選び、扉が無垢材だから飽きたら全部白く塗ればいいと、自分を納得させました。
それよりも、迷ったのはレイアウトです。
これまでは賃貸マンションのI型キッチンを、工夫して使っていました。ですが、イチから設計する場合は、いくらでも自由にレイアウトを決められます。
オープン(アイランド)、セミクローズド、クローズドどれがいい? と悩んでしまい、眠れない日々が続きました。
結局決めたのは、
・広く見せたいので壁を立てたくない
→冷蔵庫は壁側に置く
・キッチンへの出入りしやすさを重視
→クローズドは除外
ここから、アイランドキッチンという案が浮上しました。一つ懸念材料だったのは、アイランドキッチンは丸見えで隠せないので、常にキレイを保たないといけないということ。
この先しんどくなるかなと心配もしましたが、キッチンの耐用年数は10~20年といわれています。15、20年後にキレイをキープするのが難しくなったら、思いきってリフォームしよう。
40・50代の自分が立ちたいキッチンを作ることにしました。
何かを選ぶときに、何年くらい使うかを考えて、年齢にふさわしいものに変えていくのも有りなのですね。家の顔になるキッチンを選べて、家づくりの山場も越えたのでした。
(つづく)
【撮影】上原未嗣
もくじ
柳沢小実
衣・食・住・旅にまつわる著書多数。収納好きが高じて、整理収納アドバイザー1級を取得。ラクチンですっきりな収納法を日々研究している。著書に『これからは、がんばりすぎない 40歳からの暮らし替え』 『土曜の朝だけ! “きちんと” が続く週末家事』(大和書房)など。9月に「収納と家づくり」をテーマにした新著が発売予定。 http://www.furarifurari.com
▽柳沢小実さんの著書はこちら
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