【開発秘話】自分だけの景色づくりに。当店初のオリジナル家具ができました

編集スタッフ 西


▲左から店長佐藤、デザイナーの野村、佐藤、ブランド推進室の大伴

当店初めてのオリジナル家具となる花台(はなだい)サイドテーブルがついに発売を迎えました。

製作にかかった歳月はおおよそ1年。

発売を記念して、開発を担当したデザイナーの佐藤、野村、ブランド推進室の大伴の3名にどんな試行錯誤を経て花台とサイドテーブルが出来上がったのか、家具づくりに込めた想いをたっぷり聞きました。

▲左:サイドテーブル、右:花台。カラーはブラックとナチュラルの2色展開です


始まりは、歴史を辿るところから?

当店で初めての家具づくりは、どのように始まったんでしょう。

大伴:
「花台のプロジェクトが動き出したのはちょうど一年前くらい。

実は数年前にも社内で家具の開発を試みたことがあったんです。ただ家具は安全面や品質面でもとりわけ難易度が高く、コスト面でも折り合いがつかなくて。

主に設計面のパートナーとして、プロダクトのデザインやディレクションを手掛ける『DRILL DESIGN(ドリルデザイン)』にもチームに加わっていただき、開発が本格的にスタートしました」

野村:
「家具の具体的な設計を考える前に行ったのが、DRILL DESIGNさんとのワークショップ。

昔の書籍や博物館の資料を元に花台がどのように生まれて使われてきたのか歴史を紐解くことから始まりました。

花台のルーツを辿ると、ヨーロッパでは『オケージョナルテーブル』、中国ではお香を置く『香炉台』など、用途は違えど時代の流れと共にさまざまな国で古くから使われてきたんだそう。

このときに学んだデザインの系譜は、花台の構造を検討していくヒントになりましたね」

デザイナー佐藤(以下佐藤):
「そのワークショップの中で得たキーワードが『構造からリ・デザインする』ということでした。

もともとクラシカルな雰囲気を纏ったオブジェのような佇まいの家具にできたら……というざっくりとしたイメージは思い描いていて。

どんな花台を目指したらいいのか話し合いを重ねる中で、ただアンティークの花台を模すのではなく、意匠の系譜を取り入れながら現代の暮らしにもフィットする実用性を備えたものなら、当店で作る意味があるのではないかと思ったんです。

古くからある花台を自分たちなりに解釈して、リ・デザインする。一から設計していくからこそ、装飾自体にも構造としての意味を持たせた機能美を追求しようという方向性が定まりました」


ちょうどいい、が一番難しくて

野村:
「花台は基本的に天板と脚からなるシンプルなつくりですが、例えば3本脚と4本脚のどちらにするか、台座はどんな形がいいのか、構造のバリエーションがいくつもあって。

見た目の美しさと強度、どちらも満たす構造はどれだろうと検討を重ねました。

その中で選んだのが、アーチをクロスさせる構造。これは歴史ある建築の梁などの構造から着想したもので天板を支えるアーチが交差していることによって、建築空間のような奥行きを感じるつくりになっています」

▲脚は木に切り込みを入れてはめ込みネジで固定。そのネジ穴に木製のダボを入れて綺麗に研磨し、ネジが表から見えないよう仕上げているのもこだわり。


佐藤:
「正面から見てアーチが綺麗に繋がっているように3Dの画面上や模型でも検証し、角度を微調整していきました。

天板下の部分をアーチ状にすることで見た目の軽やかさを叶えるだけでなく、上部の重量を抑えることで安定感も増しています。

デザインのモチーフでもあり、構造としてもちゃんと意味がある。クロスのアーチは今回叶えたかった機能美を象徴するポイントになりました。

見る角度によって表情が変わるので、ぜひ気軽に色々なところに置いて眺めていただきたいです」

佐藤:
「デザインを考える上で軸にしていたのは、自分自身がちゃんと欲しい、使いたいと思えるものになっているかということ。

これは自分好みになっているか、とも違う感覚なんです。シンプルすぎず、華やかすぎず、テイストに偏りが出ないように。

でも、中庸なものを作るのって一番難しいんですよね。

特に脚のデザインはあらゆるパターンを考えて最後まで悩みました」

▲脚の試作品の一部

野村:
「脚はヨーロッパのアンティーク家具によく見られる『ろくろ脚』というデザインを参考にしています。

デコラティブな装飾を施したもの、シンプルなものの中間点を見つけるために色々なパターンを試しましたね」

佐藤:
「ろくろ脚は、ぽってりとした丸みが特徴ですが、直線のカッティングで仕上げることで程よくエッジの効いた印象に。脚の先はカーブを描いて外側に少し広がるように設計しました」

▲カーブをつけることで安定感がアップし、倒れにくくなっている

大伴:
「花台単体の佇まいだけでなく、周りとの調和や空間の中でどう見えるか、というのも大切にしていました。

自分たちの家に置くときにちょうどいいバランスってどれだろう?と、迷ったらいつもみんなでその視点に立ち戻っていましたね」


半年にわたって使い心地を検証

野村:
「現代の暮らしでの使いやすさを考えてこだわったのはサイズ感でした。

ヨーロッパで使われていた花台は、日本の住宅に置くと大きいと感じるものが多かったんです。

模型を実際に佐藤の家のソファやテレビの横などさまざまな場所に置いて大きさを検証。一人暮らしのお部屋などコンパクトなスペースにも置くことも考慮し、ミリ単位で細かく調整しました」

▲発泡スチロールの試作品を佐藤の自宅で試す様子

佐藤:
「サイズ感以外にも、リアルに使っていたからこそ気付けた点もたくさんありました。

例えば、試作品にコップや花瓶を置いてみたら輪ジミが目立ってしまって。

アイテムの特性上、水がこぼれてもシミになりにくいようウレタン樹脂塗装を施したのも店長佐藤の気付きがきっかけでした」

野村:
「通常のウレタン樹脂塗料は無色透明ですが、そのまま塗ると元の木の色味よりも濃くなり、黄ばんだようにも見えてしまって。

ナチュラルは、ソープフィニッシュの色味を参考にあえて白っぽい塗料を少し混ぜることで、ホワイトオークの無垢材の色味や風合いを感じられる仕上がりになりました。

ウレタン樹脂塗装のおかげで水濡れを気にしすぎず、大らかにお使いいただけると思います」

大伴:
「まさに目指したかった、美しい佇まいと使いやすさのいいとこ取りが叶ったのではないでしょうか。

実は店長・佐藤の新居を初めて訪ねたとき、試作品のサイドテーブルがあまりにも馴染んで気付かなかったんです。

本当にごく自然に空間に溶け込んでいて。佐藤から言われて初めて気付き、驚きました(笑)」

▲花台とお揃いのデザインでサイドテーブルもつくりました


初めての家具づくりを振り返って

野村:
「家具デザインの知識が豊富なDRILL DESIGNさんにチームに入っていただいたことで、個人的にもすごく学びが多い開発になりました。

家の中に自分の好きな景色をつくる。そんなささやかな喜びを感じられる存在として、花台とサイドテーブルが長くご愛用いただけたらと願っています」

大伴:
「今回の開発は、試作を重ねて完成品に近づいていくとともに、ピースが綺麗にカチッとはまっていく感覚がありました。

自信を持ってお届けできる“ちょうどいい家具”ができたと思います。

家具は暮らしを構成する大事な要素の一つ。だからこそ、当店の品揃えとして家具のカテゴリーが広がっていくことにも大きな意味があるなと感じています」

佐藤:
「脚一つとっても、自分たちの暮らしにちょうどフィットするものはどれか、とことん追求しました。きっと今回の花台とサイドテーブルがこれからの家具づくりの礎になるはず。

ぜひ今後の企画も楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです!」

週末にお花を飾って、夜はキャンドルを灯して。

見たい景色をつくることは、普段後回しにしてしまうこともある自分の“好き”をまっすぐ見つめる機会になるかもしれません。

たくさんの試行錯誤を経て、ようやく形になった当店のオリジナル家具。

ささやかな「自分だけのお気に入りの景色づくり」を楽しむきっかけになったら嬉しいです。

「花台」はこちら 「サイドテーブル」はこちら

スタッフ宅で使ってみました

特別コンテンツでは、ひと足先にスタッフが自宅で実際に花台とサイドテーブルを使ってみた様子をお届けします。

異なるタイプのインテリアに置いてみた様子や、それぞれの使い方もご紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみてください。

「スタッフの愛用風景」はこちら

photo:吉田周平(7、8、10、12、13、16枚目を除く)


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