【柳沢小実の家づくり】第9話:動線を意識した収納ルール。
柳沢 小実
こんにちは。柳沢小実です。
42歳になるまでずっと「賃貸派」だった私が、昨年ついに家を建てることになりました。
こちらの連載では、「暮らしやすさ」を第一に考えた、私なりの家づくりについて全10話で綴っていきたいと思います。
第9話
動線を意識した収納ルール。
▲掃除道具は一式まとめてバケツの中に。
家づくりがなんとか終わり、慌ただしく引っ越して、持ちものを適した場所へ納めました。
この先、数十年ここに住み続けることになるので、新居への引っ越しが思いきって減らせる最後のチャンス。
ちょうど年齢にそぐわない物も出てきたので、家づくりをしている一年の間に、思いきって物を1割ほど減らしました。そのおかげで、収納もさほど困らずにすんでいます。
私の収納は、「適量」と「動線」を常に意識しています。
ぎゅうぎゅうに詰め込んで、後ろや下に何があるか見えないという状況がとにかく苦手。ミニマリストではないから物はそれなりにありますが、収納スペースを見渡せるくらいの、すこし少なめの量を心がけています。
量の上限はとても大切で、ここを押さえるだけで、収納テクニックがいらなくなります。
食器や趣味のもの(茶器)、本は多め。キッチン用品は普通量。洋服や日用品、ストック、家電は少なめ。このように、何かを多く持ちたければ、他の物を減らすなどして、全体の量を調整しています。
二人暮らしですから、仕事や趣味のものだけはある程度増えてもいいと決めていて、増えていく茶器のために、専用の収納棚を作りました。
また、夫も趣味の山道具がかなりの量あるため、洋服を入れているクローゼットとは別に彼専用のウォークインクローゼットを作って、そこを山部屋にしています。
そして、収納はかれこれ10年以上、手がかからず、忙しい時でもキープできる収納法にしていました。そのおかげで、体力や家事モチベーションが下がりつつある現在も、基本的に同じやり方を継続しています。
今は、それをさらにラクにしたくて、「見せるためにキレイに」から、「より大らかに」「出し入れのしやすさ優先」という考え方に変わってきています。
▲ワーキングスペースも、筆記用具など、よく使うものは引き出しなどにしまわず、外に出して収納しています
私の収納のルールは
・カテゴリー分けはおおざっぱに
・よく使うものと、そうでないものに分ける
・使うところの近くに置く
・階層を深くしない
・収納しすぎない
・生活感を消しすぎない
この中の「使うところの近くに置く」、つまりは動線を特に重視しています。使いたいときにすぐ手に取れる場所に、出し入れしやすくしまっておけば、収納はキープできるからです。
ご家族の多い方は、それぞれに必要なものがあり、持ち物を減らしたり、収納スペースに余裕を持たせるのは難しいかもしれません。
そのような場合でも、置き場所やしまい方に気をつければ、出し入れしやすくなります。私も、本当にこれが一番使いやすいかな? と、日々自分に問いかけています。
(つづく)
【撮影】上原未嗣
もくじ
柳沢小実
衣・食・住・旅にまつわる著書多数。収納好きが高じて、整理収納アドバイザー1級を取得。ラクチンですっきりな収納法を日々研究している。著書に『これからは、がんばりすぎない 40歳からの暮らし替え』 『土曜の朝だけ! “きちんと” が続く週末家事』(大和書房)など。9月に「収納と家づくり」をテーマにした新著が発売予定。 http://www.furarifurari.com
▽柳沢小実さんの著書はこちら
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