【愛しのマイルーム】第3話:23平米に2人暮らし。コンパクトでも暮らしは十分楽しめる

編集スタッフ 齋藤

「憧れの部屋」が、自分にとっての「良い部屋」とは限らない。そう考えたら、自分自身を軸にして、等身大で目の前の暮らしと向き合う方が、楽しく感じられるようになりました。

私と同じように「自分のための居心地の良さ」を大切にする人たちの、ふだんの暮らしをもっと知りたい。

今回のこの特集では、職業も年齢も家族構成も異なる一般の方のお宅に伺い、お部屋を見せてもらいました。

第3回目は、3年前に北欧のスウェーデンから日本にやってきたナタリーさんのお宅です。

 


コンパクトでも「楽しい」を諦めない

23平米に2人暮らし


ナタリーさんは現在、会社員として働くかたわらモデルの仕事もしており、都内にある23平米の1Kのアパートで、パートナーと2人暮らしをしています。

スウェーデンと日本では、物件の様子もかなり違いそう。そこで「日本の物件を見てみて、驚いたことはありましたか?」と聞いてみました。

ナタリーさん:
「まず今住んでいるこの家は、玄関を入ってすぐにキッチンがあるんです。それに驚きました。スウェーデンではこういう間取りはあまりありません。

そしてあとは、お風呂とトイレが別々なこと。スウェーデンではユニットバスが当たり前なんです」

▲ナタリーさんが出してくれたチャイ。チャイは、スウェーデンではミルクが入っていないのものが一般的だそう

ナタリーさん:
「あとはやっぱり面積。家賃の割に狭い物件が多くて、びっくりしました。私の予算を考えると、どうしてもコンパクトにならざるを得なかったので、そこは工夫が必要かなと思いましたね」

 

コンパクトでも、家具はしっかり整える

ナタリーさんの家は、1人暮らしに丁度良いくらいの大きさ。でもソファにテレビボードなど、家具はちゃんと揃えてあるのが印象的です。

これくらいの面積だと、ソファやテレビボードは諦める方も多いかもしれません。

ナタリーさん:
「洋服や雑貨を買うときは、本当に必要なものを買うように心がけています。収納はクローゼットが1つだけですが、彼も私も元々物が少ないから問題ないんです。

いつまで日本にいるかもわからないので、何を買うかは本当に悩みました。でも、家具は私にとって絶対に必要なものなんです」

ナタリーさん:
「引っ越して来てまず『Re:CENO』(リセノ)というインテリアショップで、ソファとテーブルを買いました。あと動画やゲームが好きなので、テレビボードも購入。

あとはシェルフやスタンドも同じお店で購入し、IKEAでベッドを買いました」

そんなナタリーさんの話を聞いて、私だったらとりあえずローテーブルだけ購入し、ソファは買わず床に座るかもしれないなぁと、思いました。

でもナタリーさんが暮らしていたのは、日本のように靴を脱ぐ習慣がないスウェーデン。そのためソファとテーブルは、まず揃えたい物だったのかもしれません。

 

日本に合わせて、テイストも変化したんです。

明るく爽やかな印象のナタリーさんのお宅。でも家具の話を聞いていたら「本当はチークの家具が好きだけど、日本にはあまりなかった」とのこと。

興味が出てきて、スウェーデンのお家の写真も、見せていただきました。

▲ストックホルムに住んでいた頃の、ナタリーさんのお宅

ナタリーさんの家、スウェーデンに住んでいた頃とは全然違います。

ナタリーさん:
「スウェーデンではチーク材の家具が、ヴィンテージで手に入りやすい値段で売っているんです。なのでその木の雰囲気や寒い気候に合わせて、温かみのある部屋にしていました。

でも日本だと、ヴィンテージはすごく高い。なので新品の中から好みに合うものを選んで、色を統一させて家具を揃えたんです。

チークの中でも明るめの色が好きだったのですが、新品でお値段のことも考えると丁度良いくらいの明るさの物がなく、今くらいの色に落ち着きました。

ナタリーさん:
「スウェーデンに比べ日本は暑いので、これくらい明るい色も爽やかに感じられ、今では良かったかもと思っています」

 

シンプルだけど、殺風景でないのはなぜ?

必要最低限のものしか買わないというナタリーさん。でもお部屋は少しも殺風景な雰囲気ではなく、温かみを感じさせます。

その秘密は、たくさんではないけれど、ナタリーさんの好きなものが飾られているからかもしれません。

ナタリーさん:
「家具だけだと寂しい印象の部屋になってしまうので、無印良品で『壁に付けられる家具・長押』を購入してきて、お気に入りの本を飾っています」

ナタリーさん:
「私は朝ごはんが大好き。これはストックホルムにある朝ごはんのカフェについての本で、いつも眺めていたいので目立つところに飾っています。

その他にも映画監督のウェス・アンダーソンが好きで、ついこの間ポスターを買って来ました」

▲趣味のカメラも、たくさん飾ってありました。

ナタリーさん:
「この部屋は、2階で方角は南向きという条件にこだわって探しました。なので日当たりが良く、すぐそこに公園もあるから子どもたちの声も聞こえてきて、とても和やかな雰囲気です。

大学に入る前に旅行で東京に来て、とても東京が好きになりました。いつスウェーデンに帰るかはわからないけれど、今の暮らしも、とても気に入っています」

 

制限はたくさんあるけれど……

ナタリーさんの話を聞いて、少し考えてみました。もし束の間の暮らしかもしれないのなら、合理的に考えて、本当に必要最低限のものだけを揃える、という考え方もあります。

それは、確かに無駄のない生き方かもしれない。でも、ナタリーさんが楽しいと思えるかどうかは、きっとまた別の話。

数年後だけではなく「今」もできる限り楽しむあり方が、ナタリーさんには合っているのかもしれません。

憧れの暮らしがたくさんあった私の20代。それを追いかけていた頃は、時間のなさやお金のなさが、私にとっては制限でしかありませんでした。

でもそうしたものを「制限」ではなく、自分だけが持っている大切な「素材」なのだと捉えられるようになった時、毎日がとても明るく楽しいものになった気がしたんです。

暮らしの悩みは尽きないけれど……。

それでも一歩ずつ、私も愛しのマイルームを作り上げて行こうと思います。

(おわり)

 


もくじ


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