【訪ねたい部屋】第1話:日当たりが少ない1階を寝室に。1戸建てに住む、渡辺家のインテリアを拝見しました

ライター 長谷川未緒

その人らしさが伝わってくるようなインテリアで整えられた部屋は、居心地が良さそうで、魅力的です。

特集「訪ねたい部屋」は、気になる方のお宅を訪問して、インテリアとその人らしさの関係を紐解くシリーズです。

今回、お話を伺ったのは、中目黒で花屋「farver」を営み、来年、小学校にあがる娘さんと、イングリッシュ・コッカー・スパニエルと暮らす、渡辺礼人(わたなべあやと)さん、安樹子(あきこ)さん夫妻です。

わたし・長谷川が渡辺さん夫妻を知ったのは、友人の紹介がきっかけでした。友人は「farver」さんのおかげで大の花好きになり、渡辺さんのセンスの良さに惚れ込んで、結婚式の装花もお願いしたと言います。

「インスタグラムにアップされている写真を見ると、インテリアもおしゃれだよ」とのことでさっそく拝見したところ、本当に素敵。今回のインテリア特集で、真っ先にお話を聞いてみたい!と思い、取材に伺いました。

 

家族3人と犬1匹、2階建ての1軒家に暮らしています。

渡辺さん一家が暮らすのは、都内にある2階建ての一軒家です。

スモークツリーやオリーブの樹木に彩られたアプローチから玄関に入ると、1畳ほどの広い三和土があります。

▲広々とした三和土。壁面は、靴箱と、礼人さんが「ジャケ買い」したという写真集や、花器、石の置物などの雑貨が並べられた飾り棚がある。壁に飾られている写真は、横浪修さんの作品。

「どうぞ、どうぞ」と安樹子さんに促されるまま2階へ続く階段をのぼると、そこには開放感のあるリビング・ダイニングが広がっていました。

礼人さん:
「ここに住むようになって3年目になります。ずっとマンションで暮らしていたのですが、子どもが歩くようになったころから、足音などが階下に響くことが気になってしまって。

ぼくたち夫婦はお互いに田舎の一軒家で育ったので、子どもにものびのび暮らしてほしくて、この家を建てました。

花屋をしているせいか、日当たりと風の抜けがよい家にしたいと思っていました。このあたりは住宅街なので、1階に日当たりは求められませんから、おもに寝室と、いつか子ども部屋にと思っているゲストルーム、それから書斎にしました。

2階は1日のうち長い時間を過ごすリビング・ダイニングにしたんです」

2階が明るい理由は、礼人さんが自らリサーチして位置を調整したという天窓から差し込む日光のおかげです。

▲高いところで4.5メートルあるという高い天井のリビング。

礼人さん:
「花市場に行く日は、日の出前から行動しているので、建設中、シーズンごとにここに通い、どこから日が登るか確認しました。窓の位置は、ある程度建物が完成してからでも決められるので、チェックした結果を反映させたんです。

冬は台所のほうから、夏はリビングのほうからと、1年をつうじてどこかしらの天窓からずっと日が入ってくるようになっています。

実際にはそれほど広いわけではないのですが、リビングとダイニングのあいだに敷居をつくらなかったことと、バルコニーも部屋のような雰囲気なので、窓を開けるとひと続きになって、すごく広く感じます」

 

人目を気にせず過ごせるバルコニー。

バルコニーは、人目を気にしてカーテンをひかずに済むよう正面が白い壁になっています。「仕事で使った花の残りなどを置いているから雑然としている」と礼人さんは言いますが、取材時はブーゲンビリアが所狭しと並び、蝶々がひらひらと舞う様子はどこか南の島にでもいるような心地よさでした。

礼人さん:
「バルコニーは庭のような使い方をしていて、天気のいい日にはウッドデッキにラグを敷いてごはんを食べたり、夜空を眺めたりしています」

日当たりがよく風通しのいい2階に比べ、1階はほとんど日が差しませんが、階下も「ものすごく好き」と礼人さん。

 

寝室はお気に入りの絵でシンプルに。

▲三和土から見た1階のようす。奥に見えるのが寝室。

礼人さん:
「1階はとても落ち着くんですよ。いちばん奥にある寝室は、塩川いづみさんの絵を壁にシンプルに飾って、寝ることと目覚めることに集中できる空間にしています。

じつは2階の天井を高くしたかった関係で、1階の天井はふつうの家よりも低めなんです。これがかえって良かったのかもしれません。寝るには、こじんまりとした空間のほうが安心できることってありますよね」

▲ベッドは無印良品のもの。天井が低いこともあり、いちばん脚の低いものを選んだ。ベッド脇には、礼人さんが店用に購入したというアンティークの椅子をサイドテーブル代わりに。

 

子どものイラストをアート作品のように。

▲ゲストルーム。のちのち子ども部屋に。

寝室の手前には、ゲストルームがあります。いまはご両親が泊まりに来たときなどに使っていますが、娘さんがもう少し大きくなったら、子ども部屋にと考えているそう。

アンティークの机と椅子に、壁には娘さんが描いた絵が飾られ、棚には保育園でつくった作品なども置かれています。娘さんの作品は、やみくもに飾らず、吟味して壁の色やほかの家具にマッチしたものを選ぶのも、インテリアが整うポイントです。

安樹子さん:
「娘が保育園で描いた絵やつくったものは、増えるいっぽうです。処分することもありますが、娘が気に入っているものは、飾るようにしています」

礼人さん:
「子どもにしか描けない絵というのがありますよね。いいなぁと思うものは、そのうち額装しようか、と妻と話しているんです。額に入れるだけで、思い出の詰まった、立派なアート作品になると思います」

▲ゲストルームの正面は階段下。夏は帽子、冬はコートなどを置いている。

 

お気に入りの棚に、ギャラリーのように花器を並べて。

▲三和土の正面が書斎。ここで書き物などを行う。

さらにゲストルームの手前、いちばん玄関に近い場所には、書斎があります。什器として店で使っていたという棚は、礼人さん行きつけの家具店「JIPENQUO(ジーペンクォ)」で求めました。

▲福島県で陶芸活動を行なっている安齋賢太さんの花器などが飾られている。

礼人さん:
「オリジナルの家具も作っている店ですが、この棚は日本の古いものをリペアしたと聞いています。かっこいいものばかり置いてあるのでよく足を運んで、自分の店のインテリアづくりの勉強をさせてもらっています」

目に入るものすべてがきちんと選ばれたことがわかる渡辺さん宅のインテリア。じつは、選ぶのはおもに礼人さんで、安樹子さんは、口出ししないのだとか。

安樹子さん:
「夫の店づくりをずっと見てきたので、安心してまかせておけます。たまに、予算の相談もなく新しい椅子や器を買ってくることがあって、そういうときは『また買ってきたの?』と文句を言いたくなることもありますが」

と笑う安樹子さん。

2話では、夫婦共通の好みでもある、木のぬくもりを感じるインテリアについて、さらに詳しく伺います。

 

【写真】上原未嗣


もくじ

 

渡辺礼人・安樹子

2010年、中目黒に屋根も扉もない庭のような花屋「farver」をオープン。2012年、同じく中目黒で場所を移し「seacret garden」をテーマに新しい「farver」をスタート。「ファッションとしての花」をコンセプトに、綿密なカウンセリングから」その人のライフスタイルの中に溶け込む花」を提案している。https://farver.jp

ライター 長谷川未緒

東京外国語大学卒。出版社勤務を経て、フリーランスに。おもに、暮らしまわりの雑誌、書籍のほか、児童書の編集・執筆を手がける。リトルプレス[UCAUCA]の編集も。ともに暮らす2匹の猫のおなかに、もふっと顔をうずめるのが好き。

 


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