【訪ねたい部屋】第3話:部屋をすっきり保つための収納術と、北欧テイストを彩る写真や花の飾り方

ライター 長谷川未緒

お住まいを訪ね、その人らしさとインテリアの関係を紐解くシリーズ「訪ねたい部屋」。

中目黒で花屋「farver」を営む渡辺礼人(わたなべあやと)さん、安樹子(あきこ)さん夫妻にお話を伺っています。第3話では、収納や、お花を楽しむヒントなどをお聞きします。

 

入れ物を揃えて収納すると、見た目もすっきり。

渡辺さんのお宅では、収納も「さすが!」のポイントが満載です。片づけはおもにきれい好きな安樹子さんの担当なのだとか。

安樹子さん:
「掃除や片づけは好きなほうだと思います。朝起きたら、身支度を整えて、まずは掃除をはじめるくらい。

リビングの壁面の一部が収納になっているので、ここにコードレス掃除機など日用品一式を収納しています」

▲収納扉には、ドアノブや取っ手などの出っ張りがなく、くり抜いた穴に指を入れて開ける。リビングスペースを広く見せたいという礼人さんが考えた。

扉を開けてもらうと、無印良品の収納ボックスがきちんと並んでいました。棚にぴったりの高さに収まっています。

安樹子さん:
「揃っているほうが気持ちがいいので、棚の高さを収納ボックスに合わせました。

収納ボックスはひとつひとつ入れるものを分類していて、犬用のフードやトイレ用品といった毎日使うものを中心に、薬や取扱説明書など、ふだんは必要ないけれど絶対になければならないものも、ここにしまっています。

▲ボックスの中は細かい仕切りは設けず、ざっくりと収納している。

子どものぬいぐるみやおもちゃは、リビングの壁面にある本棚の下のかごに入れています。娘が大きくなったら自分の部屋に持って行ってほしいと思っていますが、いまはいちばんよく遊ぶのがリビングなので、ここに置いているんです」

▲礼人さんが花材道具を購入する店で求めたというベトナムのかご自体もデザイン性が高く、目隠しに使われているインドの布も模様が素敵。

 

食器棚やシンク下、キッチンの収納は?

▲食器棚の上には、花器やスペイン製のウマの壁飾りが。「外苑前のグランピエに置いてありました。独特というか、かわいいな、と思って」と礼人さん。

雑然としやすいキッチン周りは、隠すものと見せるもののバランスをとって、カフェのようにすっきりした印象になっています。

礼人さん:
「この家に越してから唯一新しく購入した家具が右側の食器棚で、コンプレックスユニバーサルファニチャーサプライのオリジナルです。

下の扉収納が目隠しになりつつ爽やかで気に入りました。ここには炊飯器などの生活感が出やすい家電をしまっています」

ふたつ食器棚があるため収容量が多く、たくさんある食器もゆったりと収納できます。収納するときはディスプレイするように、並びなどに気を配るのだとか。

礼人さん:
「色や形など、さまざまな食器があるので、どう並べたらきれいに見えるか考えることで、店で花を飾ったり花器を置いたりするときの練習にもなると思っています。

好きなように並べてみて、もう少しこうしたほうがきれいかな、とか考えることは楽しいですしね」

シンク下の引き出し収納には、瓶がきちっと並んでいました。大きなアンカーホッキングの瓶にはお米が、ちいさなセラーメイトの瓶には砂糖や塩、小麦粉などが入っています。

安樹子さん:
「カフェで働いていたときに、収納容器が揃っていてかわいかったので、家でも真似しています。パッケージは色が派手ですし、形もさまざまです。容器を揃えたほうが、見た目がきれいなだけでなく、限られたスペースに収納しやすいと思います」

 

窓のように写真を飾る。

すっきり片付いた部屋には、写真好きの礼人さんのセレクトで、大・小さまざまな写真が飾られています。

礼人さん:
「リビングの壁に飾ってあるのは、ニューヨークを拠点に活動している写真家・今坂庸二朗さんの作品です。ドイツの景色を写した写真で、POETIC SCAPEで購入しました。

壁に写真があると、部屋が狭く感じるかな、と思っていたのですが、飾ってみたら逆でした。風景の写真を飾ることで窓があるように見えて、かえって部屋が広く感じると思います」

たしかに、写真が借景のような効果を生んでいます。リビングにある風景写真も、壁に飾られた家の写真も、窓から外を眺めているようです。我が家にも、ランドスケープの写真がひとつほしくなりました。

 

インテリアの仕上げに花を飾って。

最後に、植物を上手にインテリアに取り入れるヒントを教えてもらいました。

礼人さん:
「日本で花を飾ろうと思った場合、欧米のように、大きな花瓶にたくさんの花をざっくり飾るよりも、いけばなのように、1本を愛でる感覚が合っていると思います。

スペースの問題もさることながら、日本で売られている花って値段が高いことが多いと思うんですよ。それは、気候のおかげで世界各国の植物が育てられているし、育てる人の腕もいいため、花の品質がとてもいいからなんです。

なので、季節の花をまずは1本。口のちいさい花器を、高さちがいで大・中・小と揃えれば十分です。わざわざ花器を買わなくても、空いた瓶でもいいですよね。

20センチくらいの花器からはじめて、毎日、水を替えるついでに茎を1、2センチくらい水中に入れたまま、スパッと斜めに切る『水切り』をしてあげます。まっすぐに花器に入れるより、少し斜めになるように入れてあげると、こなれた印象になります。

茎を切りながら、中・小と花器を替えていき、最後はお皿にでも浮かべてあげれば、お花にもよりますが、ひと月くらい楽しめると思いますよ」

▲室内に置いた観葉植物は、葉にもしっかり水やりを。霧吹きがあると便利で、渡辺家では「マルハチ ダリヤオートマチックスプレー」を愛用。

目に入ったものについて伺うと、いくらでも解説してくれる礼人さんは、「売り買いが簡単にできてしまういまだからこそ、もののルーツに思いを馳せたり、作り手の思いや、売り手の志・主観をしっかり聞きたい」と言います。

安樹子さんが「自分は掃除担当」と言い、もの選びは礼人さんに安心して任せていられるのも、このコミュニケーション力があるからこそなのでしょう。

自分の実現したいインテリアは、手間暇を惜しまないリサーチ力と、作り手や売り手と語り合い、ものへの思い入れを持つことから、できあがるのかもしれません。

 

【写真】上原未嗣


もくじ

 

渡辺礼人・安樹子

2010年、中目黒に屋根も扉もない庭のような花屋「farver」をオープン。2012年、同じく中目黒で場所を移し「seacret garden」をテーマに新しい「farver」をスタート。「ファッションとしての花」をコンセプトに、綿密なカウンセリングから」その人のライフスタイルの中に溶け込む花」を提案している。https://farver.jp

ライター 長谷川未緒

東京外国語大学卒。出版社勤務を経て、フリーランスに。おもに、暮らしまわりの雑誌、書籍のほか、児童書の編集・執筆を手がける。リトルプレス[UCAUCA]の編集も。ともに暮らす2匹の猫のおなかに、もふっと顔をうずめるのが好き。

 


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