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【スタッフコラム】「想定外」の息子

【スタッフコラム】「想定外」の息子

お客様係 石井

「どうしてこの人は、こんなことをするんだろう?」

常日頃、私を困らせる人が身近にいます。息子(10歳)です。

おそろしく適当なことをやらかす(そして後で困る)。目の前のことに気を取られて、すべきことをすぐに忘れる(そして後で困る)。

もう何年も、何万回も、ことあるごとに注意しているのに、ちっとも変わってくれないのはどうして? 特にこの2、3年は悩むこと、イライラしてしまうことが増えました。

けれど、この夏の旅行先での出来事で、その気持ちにちょっと変化が訪れたのです。

 

私には、真似できない

旅先への移動中、船が出るまでの待ち時間に、下の子が落としものをしてしまったときのこと。

大人たちはすでに諦めているなか、私だったら絶対にしない方法で、ものすごく彼らしく、落としものを見つけてきたのです。

「あったよー!」という満面の笑顔が、忘れられません。

詳細は省きますが、彼の探し方はある意味「適当」だったし、「目の前のことに飛びついた」だけでした。

でも、素直にこう感じたのです。

「私には真似できない。この子、すっごいな」と。

私は今までに何度も、彼に「こうしなさい」と言ってきました。そこからズレた行動を彼がするたびに「あんなことするなんて、理解できない」そう思ってきました。

そうやって彼にぶつけていた「理解できない」のほとんどは、もしかしたら「私の思い通りにしてくれない」だったのかもしれない、と気づきました。

 

この子、おもしろい

自分の子にはできれば、つまずくことなく、周囲ににらまれることなく、日々を過ごしてほしい。

むやみにはみ出してほしくないから、子どもが私の想定の範囲内で行動してくれると、とても安心します。

とはいえ、私が設定した枠からはみ出さないままの彼だったら、今回のように「すごい!」と心から思うことはなかったはず。

「今までできなかったことを、できるようになった」という成長を感じた時のうれしさとは、ちょっと違う。

もっと単純に「この人、おもしろい」と子育てで感じられたことが、なんだかとてもうれしかったのです。

まだまだ小言が必要な時期は続きそうですが、同時に、新しい楽しみの入り口に立っているのかもしれない。

そんな期待を感じられた夏でした。

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