【商店街の小さな家】第1話:ずっと賃貸でいいと思っていたのに。36歳で家を建てた夫婦の話

編集スタッフ 栗村 編集スタッフ 栗村

東京都の多摩地区、木造3階建てにふたりで暮らす丸山さん夫婦。ご自宅があるのは活気ある商店街の中で、なんと約20平米とワンルームほどのコンパクトな土地に建っています。

家をつくることになったのは、知人から土地を紹介されたことがきっかけなんだそう。もともとは、家を建てようと思ったことが一度もなかったというから驚きです。

本特集では、家を建てるという一大イベントを、どこか気ままに捉える丸山家の自由な家づくりについて、全3話でお届けします。

 

ずっと賃貸でいいと思っていたのに

そもそもずっと賃貸で暮らそうと思っていたのに、なぜ家を建てることになったのでしょうか?

丸山さん:
「家を建てることになったのはたまたまなんです。友人でもある隣の店の店主と話していたら、ちょうど土地が売りに出てるということを聞いて。最初は誰かいい人いませんか?と言われたんですが。

コンパクトで夫婦ふたり暮らすのにちょうど良さそうな広さだったのと、小さい分手の届く価格でだったので、自分たちで家を建てることにしちゃったんです」

丸山さん:
「元々、この辺りの地域は住みやすそうだねと話していて、賃貸物件は探していたんですけど、なかなか見つからなくて。

土地が安かったので建物の費用と合わせても、ローンを組めば払っていけそうだなと、経済的な見通しもつきました。

あとは何よりも、この商店街に家を建てたら面白そうだなと思ったんです」

 

家を建てたら、面白そうと思った理由

そもそも賃貸派の丸山夫婦が、家を建てたら面白そうだと思った理由を、詳しく聞いてみました。

丸山さん:
「もともとこの土地は商店街に面していて、八百屋や肉屋、魚屋などの個人商店がぎゅっと集まって活気があるんです。だから住宅物件はほぼない。

毎日商店街で店主とおしゃべりしながら買い物できるような場所に、自分たちが住むチャンスが舞い込んで、単純に嬉しかったんです。商店街に建てるなら、どんな家がふさわしいのか考えるのも面白くて。

完全にプライベートな空間ではなく、オープンな建物にしようと、考えた末に1Fを店舗としても使える住宅にしようと思い立ちました」

 

家はオープンにした方が楽しい?

丸山さん:
「オープンな家にしようと思ったのは、前に住んでいた家での経験が大きいんです。

実はこの家に住む前は、築50年近くの平屋に住んでいました。ある時、うちで忘年会をすることになったんです。広さ70㎡ほどの平屋に、40人くらい集まって、もうぎゅうぎゅう。

家のいたるところに人がいて、リビングだけでなく、寝室で飲んでいる人もいました。初めての光景だったんですが、いつの間にかその状況を受け入れて、楽しんでいる自分たちがいました。

それから家に人を招くことが増えていって、家ってプライベートなものではあるけれど、人が集まるようなオープンな空間にするのもいいなと。むしろ開いた家の方が、自分たちは楽しいかもしれないと思うようになったんです」

 

建築家を探すところから、家が完成するまで

これだけコンパクトな土地に家を建てるとなると、建築家の方とたくさんコミュニケーションされたのかなと思うのですが、どうやって依頼先を決めたのでしょうか。

丸山さん:
「もともと自分が好きで通っていた古道具店があって、店主に設計を手がけた方を紹介してもらったんです。

だいたい土地を購入してから、家の設計が決まるまでが1年半。そこから施工で半年。完成するまで2年かかりました。長い方だとは思います」

丸山さん:
「どんな店舗にしようかということに結構悩みました。私たちはどちらも働いているので、ここで自分たちが利益を出したい訳ではなくて、自分たち以外の誰かが、1Fのスペースを使うことで、商店街がもっと面白くなったらいいなと思ったんです。

小さなスペースだから、在庫を置く物販は現実的ではない。飲食店なら小さなスペースでもできるし、もし自分たちが住まなくなっても、店をやりたい人が住みながら経営できそうな規模だなと」

 

建てたけど、ずっと住まないかもしれない。

自分たち以外の誰かが使うことを前提に作られた1Fの店舗スペース。どうやら家全体の作り方にもその考え方が反映されているようでした。

丸山さん:
「どんな家にしたいという考えも、前の平屋での暮らしの経験が大きく関係しています。築50年くらいたっている建物だったので、誰が設計したのかわからない。けれどそれまで住んできた人が、愛着をもって手を加えたあとが残っていたんです。その変化している姿がすごく良くて。

自分たちが建てる家も、もしかしたらこの先、何らかの理由で住まなくなる日がくるかもしれない。だから自分たち以外の誰かが住むことを想定して、愛着を持って、手が加えられるような余白は残しておきたいと思ったんです。

そのためにも、自分たちの趣味が反映されすぎない、ニュートラルな箱のような家を目指していきました」

丸山さん:
「実は、壁についている棚のほとんどは後付けです。取り外せば白壁のプレーンな箱になる、すごくベーシックな空間なんです。商店街に建っていて、すごく小さいということ以外は」

ここまで丸山さんの家づくりのきっかけや考え方を伺いました。つづく第2話では、2Fと3Fあわせても40平米ほどという、コンパクトな空間で心地よく暮らすための工夫をご紹介します。

(つづく)

【写真】木村文平


第1話(11月25日)
ずっと賃貸でいいと思っていたのに。36歳で家を建てた夫婦の話

第2話(11月26日)
狭くても心地良い、インテリアの工夫

第3話(11月27日)
天井が低くても、狭くても。制約は、暮らしやすさに変えられる?

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丸山晶崇・糸乃

夫の晶崇さんは、デザイナーとしてデザイン会社の経営と並行して、地域の文化と本のある店「museum shop T」も経営。また、自宅1Fのカフェスペース「HOMEBASE」も運営している。妻の糸乃さんはイラストレーターとして活躍。


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