【キッチンからはじまる暮らし】第3話:機能もわくわくも。料理家さんの手放せない道具たち
ライター 藤沢あかり
一日のなかでも過ごす時間が長い、キッチンやダイニング。
料理を仕事にする人なら、当然キッチンにいる時間は長いはずです。そしてそこは、使い勝手がよく、楽しく料理をできる場所になっているのかもしれません。
そこで今回は、料理家のminokamo(ミノカモ)さんのお宅におじゃましています。
3話目となる今回は、minokamoさんが使っているお気に入りの道具について教えていただきます。プロにとっての実用性や機能性だけでなく、調理のときの気分も上げてくれる道具選び。その視点は、わたしたちの毎日にもヒントとなりそうです。
ボウルとバットのいいとこどり!
万能シェラカップ
まっさきに挙げてくださったのは、シェラカップ。直火にかけられ、「煮る」「焼く」「お湯を沸かす」といった基本的な調理から、そのまま食器としても使えるうえ、軽くて丈夫。アウトドア好きにはおなじみの道具です。
minokamoさん:
「10年以上前に新潟で購入したものです。当時はまだアウトドアグッズとしても今ほど出回っていなかったかもしれません。形がシンプルで活躍しそうな予感がして手に取りました。使ってみると、アウトドアだけでなく普段の料理にも便利だと発見しました」
▲収納にはマグネットフックを活用。アウトドアグッズは軽く、取り扱いも簡単です。
minokamoさん:
「お弁当箱やプレートに盛りつける前の一時置き場にしたり、下ごしらえをした肉を置いたり。小ぶりなものなら卵を溶いてもいいですし、バットとボウルの間のような感じです。もちろんアウトドアでも使っています」
使い道がぐんと広がる
木製落としぶた
minokamoさん:
「木の落としぶたを大きさ違いでいくつか持っています。落としぶた以外にも重宝するんですよ。
たとえば、おかずを入れたうつわのラップ代わりにポンとのせて。それから、ご飯を炊いたあとの鍋のふたとして。炊きあがってさっと混ぜた後、これでふたをすると、ほどよく蒸気を吸ってくれます。おひつをもっと気軽にした、というイメージです。
サイズも豊富でなので手持ちの鍋やうつわにも合わせやすいですし、値段も手頃。なによりラップを使うより、おいしそうに見えることもうれしいです。落としぶた、よかったらお試しくださいね」
使うほどに愛着のわく、
鍋敷き&鍋つかみ
素朴な縫い目とカラフルな糸がかわいらしい鍋つかみ。こちらはminokamoさんのお手製です。
minokamoさん:
「白いものは、古くなったタオルや服のはぎれで作った鍋敷きです。家時間に、テレビを見ながらのんびりチクチク作っています。
長く使っているうちに焦げた鍋つかみを、小さく直したものもあります。時間が経つほどに、どんどん手になじんで使いやすくなってくるんですよ」
自分好みに変化していく様子も楽しんだ、自分の手になじむ「道具」。こんな道具が増えていくたびに、キッチンが楽しくなっていくのでしょう。
ホッとする温かさをすぐそばに
見た目もかわいい魔法瓶
▲ポットはどちらも「象印マホービン」の古いもの。
minokamoさん:
「あったかい飲み物があると、なんだかホッとしますよね。うちでは、昔ながらの古い魔法瓶を気分によって使い分けています。ひとつがラタン、もうひとつが銅です。味わいある質感が卓上にもなじみよく、気に入っています」
▲最近はまっているのが、熱いお湯と一緒にショウガをひとかけら入れたもの。ほんのりショウガの風味がおいしい。
minokamoさん:
「朝に熱いお湯を魔法瓶につめて、茶筒と土瓶、湯のみを用意します。いつでも温かいものが飲めるのはうれしいですね。一度温めると、一日中温度を保てる魔法瓶は、ほんとうに魔法のようにすばらしい道具だなと思います」
機能性とわくわくする気持ち、どちらも大切にしたもの選び
「背伸びしない日常の暮らしに、お楽しみがあるといいなと思います」とminokamoさん。
自分の過ごし方や暮らし方に合う道具を選んでいければ、日常がさらに楽しいものになるはず。
そんなふうにひとつひとつの選択を重ねた先に、居心地のいいキッチンと暮らしが待っている気がします。
最終話となる次回は、minokamoさんの朝ごはんと晩酌の時間を拝見。いつものわが家で、小さな発見をする楽しみ方をご紹介します。
(つづく)
【写真】市原慶子
もくじ
長尾明子
料理家、写真家。岐阜県美濃加茂市出身。祖母と一緒に料理したことが料理活動のはじ まり。日本各地の郷土食の取材にも力を入れている。近著に『料理旅から、ただいま』 (風土社)がある。http://minokamo.info
ライター 藤沢あかり
編集者、ライター。大学卒業後、文房具や雑貨の商品企画を経て、雑貨・インテリア誌の編集者に。出産を機にフリーとなり、現在はインテリアや雑貨、子育てや食など暮らしまわりの記事やインタビューを中心に編集・執筆を手がける。
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