【スタッフの本棚】第3話:引っ越しを機に本を整理。自由につかえるスタッキングシェルフは壁一面に(スタッフ小林編)
編集スタッフ 松田
インテリアの一部としても、そしてその中身も気になる「本棚」という存在。誰かの家を訪ねたとき、じっくりのぞいてしまう一角でもあるのではないでしょうか。
本棚の持ち主のことをより深く知れるような気がしたり、共通して好きな本を見つけた時には嬉しくなったり。
小説、エッセイ、雑誌に漫画、アートブックやビジネス書、そして絵本。ジャンルも形もさまざまな本の居場所からは、並べ方ひとつとっても、その人らしさが垣間見えるような気がします。
この連載では、不定期でスタッフ宅にお邪魔し、本棚まわりのインテリアや収納で工夫していること、読書習慣や大切にしている本など、「本棚」にまつわるアレコレについて、根掘り葉掘りきいていきます。
第3回は、スタッフ小林の本棚です。
#03
スタッフ小林の本棚
今回たずねたのは、当店の商品ページの編集を担当しているストア編集チームのスタッフ小林宅です。
年明けに引っ越しをした小林。本があるスペースは、リビングにある造り付け収納と、仕事部屋のスタッキングシェルフと2箇所あるそう。それぞれの本棚について、きいてみました。
スタッキングシェルフで壁一面に。引っ越し後も活躍中です
▲無印良品のスタッキングシェルフを5年ほど愛用。使い勝手に合わせて、縦横の置き方を変えることができる
まずは、仕事部屋にある本棚を拝見。社内でも「本好き」として知られる小林ですが、引っ越しを機に本を整理したのだそうです。
小林:
「自宅から発送できる買取サービスを利用して、段ボール3箱分ほど本を手放しました。古本屋さんで面白そうな本を発掘するのが好きで集めていたら、本棚から溢れそうになっていたので、この機会に改めてこれからも大事にそばに置いておきたいと思う本だけを厳選して残そうと思って」
▲引っ越し前の様子
▲模様替えをするのが好きという小林。部屋の仕切りのようにして配置していたことも
小林:
「本棚は、夫が結婚前に購入した無印良品のスタッキングシェルフです。
一緒に暮らし始めるときに二人分の本を収納するために、追加でもう一台購入しました。かれこれ5年以上使っていますが、さまざまな置き方ができて、配置換えがしやすいので、活躍してくれています」
小林:
「この本棚にあるのは、昔から好きだった小説などハードカバーのフィクション、思想・哲学・心理学にまつわる本や、詩歌集、大好きな写真家さんの作品集、仕事で参考にするための雑誌や本です。
なんとなくジャンル分けをして、ほどよく大きさも揃うように意識しながら収納しています」
おやつや掃除道具も、書類ボックスに入れて本棚へ
▲A4サイズの書類ボックスを活用して、掃除道具やオヤツも本棚に
小林:
「本のほかには、掃除道具を書類ボックスにざっくり入れて収納しています。本棚の前にちょうどデスクがあって、在宅ワーク時はここで作業をしているので、合間で食べるグミや干し梅などのちょっとしたオヤツも(笑)
掃除がしにくくならないように、雑貨や飾りものは最小限にして、ドライにした枝ものや、お気に入りのオブジェを少し置いています」
▲収納スペースに余裕ができたので、思い入れのある本は表紙を見せて飾るように。ニューヨークのアーティスト、ロニ・ホーンの作品集「The Selected Gifts, 1974-2015」
▲くず入れはORSKOV(オルスコフ)のスチールバスケット。本棚のなかに入れて、スペースを活用
くつろぐためのリビングには、大好きな料理本と漫画を
続いてはリビングへ。TV台を兼ねている造り付けの収納棚の扉を開けると、漫画や文庫本がズラリと並んでいました。
小林:
「漫画の装丁はカラフルで見た目がごちゃつきがちですが、造り付けの収納棚は扉があって、隠すことができるのが気に入っています。
装丁も作品の一部なので眺めるのは大好きなのですが、部屋の景色はスッキリさせたい気持ちがあって……。
引っ越し前の家ではカラフルな装丁の漫画は、蓋付きのボックスに入れるなど、収納に苦戦していました。今のように扉つきの棚だと本を傷めることもなく隠せて、必要な時にはうっとり眺められて。自分だけの秘密基地のような感じで、嬉しいです」
このリビングでごろりと横になり、好きな漫画や料理本をめくるのが、小林の至福の時間です。
小林:
「読書タイムは、主にお風呂の前後の時間。続きが気になって、お風呂の中にも持ち込んで読むこともあるので、つい長風呂して家族に怒られることもあります(笑)
昔から変わらず、ずっと好きなのが料理の本。どんなテンションのときでも、楽しく読めます。落ち込んでいるときも、美味しそうな料理の写真をみたり、食べものにまつわるエッセイを読んだりしていると、不思議と元気が出てくるような気がして」
▲漫画コーナーの隣には、料理好きの小林らしく料理にまつわる本のコーナーも
▲最近購入した料理にまつわる本は、dancyu「サラダの本」と、&premium別冊「私の料理教室ノート」。「おいしいサラダがつくれるようになりたくて」と小林
小林:
「漫画も昔から大好きです。20代の頃は、休みの日は漫画喫茶に行って読み耽るのが最高の楽しみでした。
特に大学生の頃に初めて出合った、岡崎京子さんの作品には衝撃を受けました。ひとことでは形容し難い空気感というか、軽さとエッジの奇妙なバランスに、サンプリング含めたそのセンス、その時代の特有の雰囲気、すべてが印象深くて何度も繰り返し読みましたね」
▲お気に入りの漫画の一部。(左から順に)BANANA FISH、ポーの一族、関根くんの恋、うたかたの日々、るきさん、おともだち、ポコニャン
小林:
「一度好きになった作家さんの作品は、できるだけ全部制覇したくなるので、絶版になってしまった作品は古本屋さんを巡って探すほど。すこし凝り性なのかもしれません。
ただ気になる漫画をすべて単行本で揃えると大変な量になってしまうので、最近は電子書籍も活用するように。それでもやっぱり心に響いた作品は、紙で手元に置いておきたい気持ちもあって。きっとこれからも本は増えていくと思います……!」
▲電子書籍を読むときは、ipadを活用している
これからも大切にしたい本
・おかずのクッキング テキスト (テレビ朝日)
小林:
「たくさんの本に影響を受けてきたので、なかなか絞るのが難しいのですが……。強いて挙げるとすれば、料理の長寿番組だった “おかずのクッキング” のテキストです。
最初に出合ったのは、実家で暮らしていた高校生のとき。はじめこそ暇つぶし感覚で手に取ったのですが、個人的には絵本に近い感覚でどのページをめくっても新鮮で楽しくて、家庭料理というジャンルに物語性を感じたきっかけになりました」
小林:
「実家を出てひとり暮らしをする際にも、いくつかお気に入りを決めて持ち出し、それからバックナンバーを書店でみつけては揃えて。このテキストから料理にまつわるたくさんのことを学び、実際に何度も作りました。
初めて作った香ばしい肉じゃが、ご飯の上にラフにおかずを乗せるのが美味しそうで真似たお弁当たち、トマトを入れても美味しいんだと気づいたお味噌汁、誰かのために腕によりをかけて作るラザニア……。
土井善晴先生の圧倒的な哲学はもちろん、多岐にわたるテーマが散りばめられていて、編集がとても面白いんです。どの写真も美しく、イラストやデザインも素敵。何年経っても色褪せない内容です」
▲河原で拾った石たち。本棚の上にもオブジェのように置いてインテリアのアクセントに
小林:
「一言一言に新しい気づきがあったり、ちょっとした励みをもらったり。眺めているだけで、手探りの日々になんだか光が差すように、また明日もがんばろうと思えるんです。
今年で番組が終わってしまったのは寂しいですが、これから先も落ち込むことがあれば、このテキストのページをめくって原点に立ち戻りたいなと。ずっと大切にしたい宝物のような存在です」
***
インテリアも、並んでいる本も、その随所に小林らしさに溢れていた本棚。大好きな漫画や料理本を愛でながら、「自分の支えになる宝物なんです」と語る姿が印象的でした。
さて、次はどのスタッフの本棚をのぞきましょうか。次回の更新も、どうぞお楽しみに。
【写真】メグミ(写真6、7枚目以外)、鍵岡龍門(写真6枚目)
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