【旅する日々】前編:連休は電車でパリへ。自分らしい旅の楽しみを散りばめて

編集スタッフ 須賀

旅をすることって、いつもの私の生活と、どこか遠くの街の生活が混じり合うことなのかなと思います。

暮らし方が一人一人違うように、旅の仕方にはその人らしさが滲み出る。そう思ったら、あの人はどんなふうに過ごしているんだろう?と気になって、誰かの旅を覗いてみたくなりました。

前編でお話を伺うのは、オランダ在住の 野村 佳耶 ( のむら かや ) さん。アムステルダムで、スキン・ヘア・ボディケアブランド『Aesop』の店頭に立ち接客をされています。

これまでオーストラリア、イギリス、オランダと3ヵ国でワーキングホリデーをされてきた野村さん。国内外どこにいても、彼女が撮る写真にはいつも美しくチャーミングな日常が収められていて、眺めるだけで自分も旅しているような気分になります。

そんな野村さんに写真を見せていただきながら、フランス・パリの旅についてお話を伺いました。

この夏旅の予定がある方もない方も、すこしの間、遠い街に流れる時間へと想いを馳せてみませんか。



パリは、迷った方がたのしい街だから

「ヨーロッパは地続きなので旅行しやすく、連休があると色々な国へ行きます。中でもパリは何度も訪れている大好きな街です。

私が住んでいるアムステルダムからは電車で3時間半くらい。電車は飛行機と違って荷物の制限もないですし、飲食も自由なので気軽に旅ができて好きです。

観光もしますが、度々来るなかでお気に入りになった美術館をゆっくりまわったり、Airbnb(民泊サービス)で取った宿でスーパーの食材を使ってご飯を作ったり、『この街に住んでいるような気分で過ごそう』と心がけています。気になるアーティストのライブがあればチケットを取って観たりもしますね」

▲美術館「ブルス・ドゥ・コメルス ピノー・コレクション」

「起きたらまず朝食をとります。宿で買っておいたパンを食べるときもありますし、コーヒーとパンオショコラを求めてカフェに行くことも。

そのあとは美術館へ。パリの美術館はすごく広いうえに、休憩スペースやお土産ショップもあり見るところが沢山。気づいたら3時間くらい経っているので、午前中いっぱいをかけてゆっくりまわるのが好きです。

つい最近は日本の建築家・安藤忠雄さんが手がけた美術館『ブルス・ドゥ・コメルス ピノー・コレクション』に行きました」

「美術館を出たら街をぶらぶらして、気候のいい時期は公園のベンチでゆっくりしたり、フィルムカメラで写真を撮ったり、夕食の時間まであまり予定を決めずに過ごしています。

ランチはドリンクとパンをテイクアウトして公園でサクッと済ませて、夜はレストランか自炊でゆったり食事をとる、という流れが多いですね。

以前、パリ出身の友人におすすめの場所を聞いたら『時間に余裕があるなら、迷った方がいいよ。パリは迷うのが楽しい街だから』と言われたのが印象に残っていて。その時は『えー?と思いましたが、行ってみて納得しました。

街は細い道が多くて、ここ?と思うようなところを抜けると思ってもいない景色や素敵なお店に出会えたり、道によって雰囲気が全然違っていたり、歩いているだけで色々な発見があるんです」



カフェでは手紙を書いて過ごします

「毎回お気に入りのお店を訪ねることも増えました。

いつも行くのは、ナチュールワインとジェラートのお店。ワインとアイスとのペアリングが楽しめて、季節ごとにジェラートのフレーバーも変わるため何度行っても飽きません。オープンが夕方なので、夕食前に寄ったり、食事の後に一杯飲みながらデザートを食べるのにもぴったり。

カフェにもよく行きます。1人の時は、美術館で買ったポストカードと切手を持ち込んで、友達に手紙を書いて過ごすことが多いですね。その国の切手や消印、『今このカフェにいるよ、これを飲んでるよ』という一言だけも、旅の空気感が伝わる気がして。手紙が届くより先に帰ってきてしまうことも多いのですが……(笑)」

「旅先でその国オリジナルのスーパーに行くのも大好き。滞在中は自炊もよくするのでスーパーという場所には何度も足を運ぶんです。

以前ヨーグルトコーナーでどれにしようか悩んでいたら、マダムが「ヨーグルトを探しているの?」と話しかけてくれて。おすすめを聞くとこのチョコレート味のが濃厚で美味しいから絶対買った方がいいわよ』と教えてくれました。

ビールの棚の前に立っていた時にはこのブランドがおすすめだよ』と男の人が声をかけてくれたことも。スーパーだと現地の人と自然に会話が生まれるのも楽しいです



その土地をイメージした香水を使ってみる

続いて、旅の持ち物についても聞いてみました。

「必ず持っていくのは、手ぬぐいとフィルムカメラ、そして香水です。

普段写真はスマホで撮影しますが、旅の時くらいはとフィルムカメラを持っていきます。手ぬぐいは手を拭いたりベンチに敷いたり、雨が降ってきたらスカーフのように頭に巻くことも。色々な使い方ができるので重宝します」

「香水も好きで、旅行のときはいつも行き先をイメージした香りを選んで持っていきます。普段はあまりつけないものでも、旅先の街にはしっくりくることがあって面白いですよ。

以前、日本から友人が遊びにきて一緒にパリを旅行したときも、Aesopの『グローム』という香りを持ってきて旅の間2人で使いました。まだ寒い時期で、アイリスやミモザなど春を待ち遠しくさせるようなフローラルな香りの中に、サフランのスパイシーさが効いたグロームが冬のパリに合いそうだなと思ったんです。

その香水は、友人が帰国するときに『すごく思い出深い香りになった』と言ってくれたのが嬉しくて、そのままプレゼントしました。

香りって記憶と結びついているので、旅が終わってもつけるたび思い出が蘇って、それがいいんです」



"いいな” と思う瞬間を常にさがしています

「日本に住んでいた頃は、友人に会うために旅行することが多かったですね。私は大阪出身なのですが、香川の友達から何気なく『最近、美味しいうどん屋さんを見つけたよ』とメッセージがくれば、『食べてみたいから行くね』とその週末には行ってしまう、みたいな。向こうも『え、来るの?』って(笑)

これがしたい、ここに行きたいというよりは、誰かに会いに別の土地に行って、地元の人たちの暮らしや食べているものに触れ合うような旅が多くて。

もちろん定番の観光地や建築にも興味はあるけれど、その街の日常に溶け込むように過ごしていると、よりその国の文化や雰囲気、人柄のようなものを感じられて面白いです」

「普段からまわりを観察するのが好きなんです。太陽光が差し込んでいる場所の光り方とか、アイス屋さんで子供がアイスを落としちゃったとか、そういう "いいな” と思う瞬間を探すでもなく、でも心の奥では探していて。

多分ずっと心のシャッターがオンなんだと思います。旅先でもそういう瞬間を見逃さないように過ごしています」

***

何かを "する" ことよりも、心地よい自分で "過ごす" ことを楽しみ、大切にしていた野村さんのパリの旅。

予定を決めずに街を歩くこと、旅先から手紙を書くこと、その街をイメージした香水を選ぶこと。そういった自分にとっての楽しみを知ることで、旅はもっと豊かでオリジナルなものになるのだと思えました。

続く後編では、写真家の根本 絵梨子さんにお話を伺います。


写真:野村佳耶




もくじ

第1話(8月4日)
連休は電車でパリへ。自分らしい旅の楽しみを散りばめて

第2話(8月5日)
食料とフィルム、テントだけを背負って。ニュージーランドの大自然の中をひたすら歩く

野村佳耶

オランダ・アムステルダムにてワーキングホリデー中。スキン・ヘア・ボディケアブランド「Aesop」のリテールコンサルトとして働いている。

Instagram: @nomkaya


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