【インテリアを、もっと楽しく】 第3話:玄関は自由なアイデアでしまう、飾る。

ライター 本城さつき

整理収納アドバイザーでインテリアスタイリストの村上直子さんのご自宅を訪ね、心地いいインテリアのヒントをうかがっています。

12年前に購入しリノベーションした築26年の二階建て一軒家に、夫婦と20歳、16歳の息子たちの4人家族で暮らしている村上さん。

第3話は、玄関。家の内と外をつなぎ、家族みんなが使うこのスペースを、どうしたら素敵に、かつ使いやすく整えられるのでしょうか。
第1話から読む

 

鏡は映り込みを意識して置く

▲ダイニングから玄関の眺め。

第1話でも触れましたが、村上さんのお家は洗面所、ダイニング、玄関が隣り合わせたつくり。

朝は洗面所かダイニング(の身支度スペース)で身支度を整え、玄関を通って「行ってきます!」という動線です。そこで玄関には全身が映る大きな姿見を置き、出かける前の最終チェックができるようにしました。

▲大きな姿見。鏡の中にグリーンが見える。

村上さん:
「コートやジャケットなどのアウター類は玄関の隣の部屋に収納してあるので、それを着てからこの姿見で身支度を仕上げます。私はもともと鏡が好きで家のあちこちにあるのですが、置くときに意識しているのが映り込み。視界に入ったときに気持ちのいいものを入れるというか。

ここの場合は階段が映り込むように設置して、階段の途中にグリーンを置いています。鏡の中に見えるもので、意外に気分が上がりますよ」

玄関ドアの横と階段にある大きな窓から入る光が、鏡の中にもたっぷりと注ぎ、1日のスタートを明るい気分で切れそうです。

▲昔は子ども部屋にかけていたタペストリーを階段に。

 

古いドアを生かして、ゆるりと統一感を

▲姿見の中に見えるのが玄関ドア。

玄関のインテリアは、ドアをベースに組み立てたもの。

村上さん:
「玄関ドアはつけ変えるのが結構大変なので、家を購入したときの和風のままにしてあります。そのため、インテリアをいきなり洋風にすると違和感があると考え、ドアのこっくりとした茶になじむ色合いの、古い日本の棚を靴入れにしました。

周囲にはグリーンや無国籍風の小物を配して、アジアンテイストにまとめています。

たとえばラフィア素材の大きなフロアマットや、鏡の前の花びんに敷いた小さなじゅうたん、靴入れの上のライトや人形。一見バラバラなモノたちですが、色や素材感などがゆるやかに合うよう選ぶことで、空間に何となくまとまりが生まれます」

古いもの特有のゆったりと落ち着いた雰囲気が、1日を終えて帰ってきた家族をやさしく出迎えます。

 

収納は自由なアイディアで

▲スニーカー入れ。バケツがかわいい。

玄関といえば、意外に収納すべきものが多い場所でもありますが、村上さんはいわゆる“玄関収納”的な専用家具は持っていません。

村上さん:
「メインの靴入れとして使っているのは古い棚ですが、息子のスニーカーは収まりきらないので、ブリキの大きなバケツにざくっとまとめて入れています。

布をめくれば全体がパッと見渡せて履きたいものがすぐ見つかり、出し入れもかんたん、といいことづくめ。このバケツは、彼らが小さいころ、子ども部屋でブロックや電車のおもちゃを入れるために使っていたものなんですよ」

床にじかに置いていますが、布をかけておけば中身も見えずすっきり。カジュアルな収納法がスニーカーにかえってぴったりです。

ゲスト用のバブーシュも同様に、まとめて立ててかごにイン。こちらは布はかけず、玄関を上がってすぐの目立つ位置に置かれているなど、ゲストがパッと手に取りやすいよう配慮がされています。

宅配便が届いたときに必要になる印鑑や、家族それぞれの鍵には定位置を設けて。

村上さん:
「印鑑は、棚の上にエスニックな雰囲気の木のトレイを置いて、その中に入れています。玄関は匂いが気になる場所でもあるので、空気を清浄にするといわれる木片も一緒に」

掃除用のほうきは、見えてもいいルックスのモノを選んで靴入れの横に立てかけて。これなら必要なときにすぐ使えるだけでなく、赤い柄が空間のアクセントになってくれます。

 

家の第一印象は、玄関で決まるから

▲玄関からダイニング方向の眺め。

玄関からすぐ前の窓越しに見えるのは、リビングダイニングの一角に設けられた村上さんのワークスペース。仕事をしながらでも、学校から帰った子どもたちを迎えられるようにとつくった窓ですが、玄関に気持ちのいい抜け感をもたらす役割も果たしています。リビングダイニングの窓からさす光もいい感じ。

村上さん:
「玄関から見ると、一見何のスペースかはわかりませんが、入ってきた人の視線をパッと捉えるところなので、グリーンを置くなど表情のある一角になるよう工夫をしています。それほど大きくはない窓ですが、玄関からの印象づくりにはかなり効果的です」

▲鍵掛けには古道具のフックを活用。フックは家族の人数+1あるので、残った1つには靴べらを。

コロナ禍以前は自宅で整理収納講習のサロンを開いていた経験もあり、ゲスト目線で“玄関から見たその家の印象”を大切に考える村上さん。いわれてみればなるほど!ですが、意外と新鮮な気づきかもしれません。

ゆるやかに統一感をもたせた小物選びや、鏡の置き方といったスタイリング要素に加えて、玄関を入ってからの眺めも大切にしたインテリアは、ゲストをわくわくさせてくれます。家族にとっても、帰宅したときのホッと安らぐ気持ちが強まりそうですね。

次回はいよいよ最終回の第4話。成長とともに変わっていく子ども部屋についてお話をうかがいます。

 

【写真】千葉 充

 

もくじ



村上直子

整理収納アドバイザー、インテリアスタイリスト。アフタヌーンティーリビング事業部でディスプレイを担当後、独立。現在はフリーランスで活動中。カタログスタイリングや装飾美術も手がける。20歳と16歳の2人の息子をもつ母でもある。Instagram:@kikiuchireset


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