【秋の夜長のオススメ本】マンガを読みながら、奥深い科学の世界へ飛びこもう・高野文子「ドミトリーともきんす」
文・写真 スタッフ田中
秋の夜長のオススメ本、5冊目は三田修平さんセレクトの、不思議な自然科学の本。
漫画家の高野文子さんが書かれているのも、普段の高野さんの本とは違うタッチなのが、とってもおもしろいんです。
高野文子著「ドミトリーともきんす」
Story:不思議な学生寮「ともきんす」。二階には寮生さんが4人。朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹……架空の学生寮を舞台に、「科学する人たち」と一組の母娘の交流を通じて丁寧に描く。自然科学の最初「なぜ?」を大切にする一冊。
この本のミドコロ
奥深い科学の世界を、マンガで紐解く
「鏡は左右は逆さに映るのに上下は逆さにならないのはなぜ?」「花はなぜ匂うのだろう?」といった、言われてみれば確かに気になる疑問を入り口にして、日常を科学的目線で眺めることのおもしろさを教えてくれます。
高野文子さんのミニマルで親しみやすい絵柄が、科学の取っ付きにくさを緩和してくれているので、大人も子供も楽しみながら学ぶことができる素晴らしい作品です。
眠ってしまうのがもったいないくらい心地いい秋の夜長に、刺激と発見に満ちた科学の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。
(ブックセレクト・文 三田修平)
スタッフ田中の「読んだあとに」
湯川秀樹さんの言葉にハッと気づいたこと。
湯川秀樹さんの「自然と人間」の一節(ドミトリーともきんす p.92)にハッとさせられました。
自然には直線がほとんどないんだそうです。人間が作り出す道、建物、モノなどは管理のしやすさや作りやすいという理由もあって直線が好まれるというようなことが書かれていました。
周りを見渡したら、ピシッとまっすぐの線は空にも雲にも、木々にもありません。
この研究はどんどん進んで自然にも直線的な部分があると後にわかるのですが、湯川さんの素朴な気づきになんだか胸をうたれたんです。
それもちょうど私と同い年くらいである33歳に書いた文章にあると知り、不思議と身近に感じてしまいました。
本を紹介してくれるのは、BOOK TRUCKの三田修平さん。
秋の夜長のオススメ本を紹介してくださるのは、車でさまざま土地をまわり、移動式本屋「BOOK TRUCK」を営む三田修平さんです。
本屋さんで出会う、一期一会のきっかけを大切にされている三田さんのセレクトは、バラエティーに富んだ本たちですよ。
セレクトされた本はバラエティーに富んでいて、なかなか自分では見つけにくいものや、「この作家さんのこんな本が!」と新しい発見になる本などが揃っています。本屋さんで出会う、一期一会のきっかけを大切にされているのが伝わってくるようですね。
次回は、なつかしい児童書をスタッフ田中がセレクトしました。どうぞお楽しみに!
今回ご紹介した本について
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ドミトリーともきんす 高野 文子 中央公論新社 2014-09-24 |
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